出荷できない野菜を困窮世帯に届ける 産学官連携の実証実験がスタート

子どもの機会格差の解消を目的にフードバンク兼業型ネットスーパー事業を展開するネッスー株式会社と三浦市農業協同組合は、世田谷区が行っている地域連携型ハンズオン支援事業「SETACOLOR」の一環として、「寄附食品物流ネットワーク」の実証実験を実施した。

「つながる、おやさい便」の仕組みを構築


「寄附食品物流ネットワーク」は、価格の暴落や規格外などを理由に出荷されない野菜を貧困状態にある子どもに寄附するプロジェクトである。

三浦市農業協同組合は、毎年大量に発生する行き場のない野菜を有効活用するため、農家と協力してフードバンクに寄付するなどしていたが、ニーズが拾いきれていないことや、多額の物流費がかかるといった問題を抱えていたという。

実証実験では、農家・農協・市場卸売事業者・ネッスーの4者が連携する「つながる、おやさい便」の仕組みを構築。


実証実験のフロー

食品ロス削減などの課題解決に取り組む一般社団法人サスティナブルフードチェーン協議会ら協力の下、東京都世田谷区にある中央卸売市場を中継拠点に、神奈川三浦市で生産された行き場のない青首だいこんを全国約3万世帯の家族に届けた。

今回の実証実験で寄附した神奈川県三浦半島産の青首だいこん

世田谷市場を中継拠点に配送

なお、支援世帯への経済的支援効果、栄養充足率改善効果などについては、東京農業大学との共同研究で評価していく予定とのこと。

日本の貧困問題と食品ロス問題を同時に解決


現在、日本では年間522万トン(2020年度)もの食品ロスが発生している一方で、相対的貧困状態(日本の子どもの7人に1人)から満足に食べられない子どもが多くいることが報告されている。

ネッスーは、「寄附食品物流ネットワーク」を通じ、日本の貧困問題と食品ロス問題の2つを同時に解決したい考えだ。


ネッスー株式会社
https://nessu.co.jp/
三浦市農業協同組合
http://www.ja-miurashi.or.jp/
地域連携型ハンズオン支援事業「SETACOLOR」
https://setacolor.tokyo/
一般社団法人サスティナブルフードチェーン協議会
https://www.j-sfa.net/
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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 加藤拓
    加藤拓
    筑波大学大学院生命環境科学研究科にて博士課程を修了。在学時、火山噴火後に徐々に森が形成されていくにつれて土壌がどうやってできてくるのかについて研究し、修了後は茨城県農業総合センター農業研究所、帯広畜産大学での研究を経て、神戸大学、東京農業大学へ。農業を行う上で土壌をいかに科学的根拠に基づいて持続的に利用できるかに関心を持って研究を行っている。
  4. 大槻万須美
    大槻万須美
    管理栄養士・フードスタイリスト。楽しく食べて健康に。食の大切さを伝えるため、料理教室、バレエダンサーやアスリートのパーソナル栄養サポート、レシピ・コラムの提供など幅広く活動。子どもの頃の毎年の米作り経験から、身近な食体験の重要性についても実感し、おとなと子どもの食育サポートにも力を注いでいる。
  5. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
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