果樹栽培の花粉採取作業を省力化する農機「花蕾採取アシスタント」が発売

株式会社サンオーコミュニケーションズは、なし・すもも・もも・さくらんぼの4つの品目を対象に、人工授粉に必要な花蕾の採取作業を省力化する「花蕾採取アシスタント」を2022年12月に発売した。販売価格は10万円(税抜)。

花蕾採取アシスタント

現在日本の果樹生産の現場では、人手不足による作業負担の増加を理由に海外から輸入した花粉を使用する農家が増えている。しかし、輸入した花粉の中には感染力の強い病原菌を含むものもあり、感染してしまうと樹が枯死してしまう可能性があることから、自家製花粉などの国産花粉を低コストで入手できる新たな技術の開発が求められていた。

花粉採取の省力化と低コスト化に貢献


「花蕾採取アシスタント」は、農研機構が実施する「イノベーション創出強化研究推進事業」の共同研究で開発された果樹農家向けの農業機器である。

特長は以下の通りだ。

  • 採花作業の負担を約7軽減
  • 最長2.3メートルまで長さを調節できる伸縮可能な本体
  • 脚立の使用など高所作業の頻度を減らす高い安全性
  • 約2時間の連続運転が可能


同社は、「花蕾採取アシスタント」の提供を通じ、「日本の果樹栽培の課題である花粉採取の省力化と低コスト化に貢献したい」としている。


株式会社サンオーコミュニケーションズ
https://www.sanoh-c.com/
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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
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    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、福岡県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方、韓国語を独学で習得(韓国語能力試験6級)。退職後、2024年3月に玄海農財通商合同会社を設立し代表に就任、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサルティングや韓国農業資材の輸入販売を行っている。会社HP:https://genkai-nozai.com/home/個人のブログ:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
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    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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