トクイテン、AIや遠隔制御を活用した農業用ロボット「ティターン」を発表

愛知県知多市にある自社農場でミニトマトの生産・販売に取り組む株式会社トクイテンは、AIや遠隔制御によって農作業を自動化する農業用ロボット「ティターン」を発表。同時に、Central Japan Seed Fundを引受先とする第三者割当増資などによる資金調達を実施したことを発表した。



農業用ロボット「ティターン」

今回発表された農業用ロボット「ティターン」は、さまざま農作業に対応したアタッチメントを取り付けられるのが特長で、現在はミニトマトの収穫に対応したアタッチメントが実装されている。

今後は葉かきなどの管理作業や薬剤噴霧、運搬作業に対応するアタッチメントの開発を進め、ミニトマト以外の作物にも対応できるようになるという。

現在は「ティターン」単体での販売やレンタルの予定はなく、自社農場での稼働や同社が提供する「トクイテンパッケージ」での提供を想定している。




「ティターン」や「トクイテンパッケージ」の開発を推進

今回の資金調達は有機農業の自動化を推進して持続可能な農業の実現を目指し、農業用ロボット「ティターン」や「トクイテンパッケージ」の開発を進めていくためのもの。

「トクイテンパッケージ」は、環境モニタリングや設備の遠隔操作を行う「スマート農業」、AIや遠隔制御を用いてさまざまな農作業を行う「農業ロボット」、データ活用と植物生理学の理論を基にした「再現性のある有機農業」の3つを組み合わせて、有機農業の収量アップとコスト削減を実現する営農技術パッケージ。

現在は、約2000平方メートルの高軒高ハウスを活用して、10台の農業ロボットと人間が共に働く「半自動化の状態」を目指す取り組みが進められている。

 


調達した資金の主な使途は以下の通り。

  1. ロボットエンジニア、生産スタッフなど人材の採用
  2. ティターンの開発(葉かきなどの管理作業や薬剤の噴霧、重量物の運搬作業などに対応するアタッチメントの開発)
  3. トクイテンパッケージの開発(収穫、液体散布、管理、運搬、モニタリングの自動化による人件の削減)
  4. 農地の取得
  5. 栽培施設の建設
同社は、今回の資金調達を通じ、温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする「脱炭素社会の実現」と2050年までに有機農業の割合を25%にする「みどりの食料システム戦略の実現」の2つに貢献したい考えだ。


株式会社トクイテン
https://about.tokuiten.jp/
 
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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、九州某県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方で、韓国語を独学で習得する(韓国語能力試験6級取得)。2023年に独立し、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサル等を行う一方、自身も韓国農業資材を輸入するビジネスを準備中。HP:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
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    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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