農研機構ら、品種ごとの家系情報が閲覧できる「Pedigree Finder」を開発

農研機構と情報・システム研究機構は共同で、農作物の家系情報を表示する「Pedigree Finder」を開発した。



「Pedigree Finder」の特徴
出典:https://www.naro.go.jp/publicity_report/press/laboratory/rcait/156531.html

現在、日本の品種育成の現場では、既存の品種・系統を交配し、多様な系統を作出した上で、次世代の品種となる優秀な系統を選抜している。しかし、家系情報や形質情報、遺伝子情報など育種に有用なデータは、各研究機関が保有するそれぞれのデータベースの中に保管されているケースが多く、またデータの形式も一律ではないことから、最適な両親の組合せを迅速に判断することが困難な状況にあるという。

品種育成に最適な両親の組み合わせをウェブ上に表示


「Pedigree Finder」は、農作物の家系情報を一元で管理して、品種育成に最適な両親の組み合わせをウェブ上に表示するシステム。対象は、稲、いちご、小麦、かんしょ(さつまいも)、小豆の5品目で、以下6つの特長がある。

1.効率よく検索・閲覧できるウェブシステム
系統名を入力し、農作物名を選択すれば品種等の家系情報が表示される。
(家系情報が更新された場合には家系図のレイアウトが適切な形に自動で変更)

2.農作物の家系情報の可視化
グラフ形式のデータを格納・検索できるグラフデータベースを活用して農作物の家系情報をネットワーク形式でわかりやすく可視化。


いちご「恋みのり」の家系情報
「恋みのり」は、多収性の早生系統である「03042-08」を母親に、食味に優れた「熊研い548(商標名:ひのしずく)」を父親にしている。
出典:https://www.naro.go.jp/publicity_report/press/laboratory/rcait/156531.html

3.祖先・子孫の世代数を指定した表示
子孫方向への探索機能を充実させているため、交配に使われた回数が多い系統や子孫の数が多い系統など、さまざまな角度から品種の重要度を検討できる。

4.形質・遺伝子型情報による色分け
形質・遺伝子型情報を色分けしているため、特徴的な特性の検索および遺伝様式の手がかりが視覚的にとらえられる。


「Pedigree Finder」ユーザーインターフェースの特徴
出典:https://www.naro.go.jp/publicity_report/press/laboratory/rcait/156531.html

5.農作物の家系情報の分析基盤の整備
近縁係数計算プログラムを整備しているため、遺伝的な近縁性を考慮した交配が可能。

6.ユーザーごとのデータアクセス管理
アクセス権の制御によるユーザー間のデータ共有が可能。

今後は、品種の特性やゲノム情報などを利用した機能の追加を行っていく計画だ。


農研機構
https://www.naro.go.jp/
情報・システム研究機構
https://www.rois.ac.jp/
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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 加藤拓
    加藤拓
    筑波大学大学院生命環境科学研究科にて博士課程を修了。在学時、火山噴火後に徐々に森が形成されていくにつれて土壌がどうやってできてくるのかについて研究し、修了後は茨城県農業総合センター農業研究所、帯広畜産大学での研究を経て、神戸大学、東京農業大学へ。農業を行う上で土壌をいかに科学的根拠に基づいて持続的に利用できるかに関心を持って研究を行っている。
  4. 大槻万須美
    大槻万須美
    管理栄養士・フードスタイリスト。楽しく食べて健康に。食の大切さを伝えるため、料理教室、バレエダンサーやアスリートのパーソナル栄養サポート、レシピ・コラムの提供など幅広く活動。子どもの頃の毎年の米作り経験から、身近な食体験の重要性についても実感し、おとなと子どもの食育サポートにも力を注いでいる。
  5. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
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