日立ヴァンタラ、オーストラリアの苗木農園でデータ駆動型の灌漑用水管理を実現


アメリカを本拠にデジタル技術を活用した各種ソリューションを提供する日立ヴァンタラと柑橘類の苗木を生産するゴールデン・グローブ農園は、AIやセンサー技術を応用して環境に配慮したデータ駆動型の灌漑用水管理を実現したと発表した。




灌漑作業を30%改善

両者が実現した用水管理は、日立ヴァンタラ、Greenlife Industry Australia、Applied Horticulture Research、ICT Internationalの4者が園芸向けに開発した「重量計」、「土壌水分センサー」、「高度な分析技術」の3つを組み合わせた灌漑システムを活用したものである。

特長は以下の通りだ。

  • 培地用ポットに含まれる水分量と農作物が吸収する水分量を測定・評価して、灌漑や施肥の決定等に役立つデータを提供。
  • 局所気候を監視する独立型のウェザーステーションやpH(水素イオン濃度指数)、温度、土壌水分、重量、電気伝導度などを測定するセンサーを使用。
  • リアルタイムのデータをクラウド上にアップしてひとつの画面で表示する「Hitachi Supply Chain Control Tower」で天気予報や生物物理学的モデルなどを統合し、苗床の生産性と環境管理を総合的に測定。
  • 灌漑の必要性などを示した予測分析結果にアクセスできる「Lumada Manufacturing Insights」と連携。
  • 15分ごとに水を自動的にサンプリングして検査。

ゴールデン・グローブ農園のディレクターであるウェイン・パール氏は、「灌漑システムを毎日監視し、水やりのタイミングを正確に把握することで、根へのダメージを避け、養分の配合を適正化することが可能になりました。2022年の冬には、すでに水のやりすぎを発見し、調整することができました。この夏にかけて灌漑をより確実にコントロールできるようになるでしょう。」とコメントしている。


日立ヴァンタラ
https://www.hitachivantara.com/
Hitachi Supply Chain Control Tower
https://www.hitachivantara.com/en-us/web/solution-profile/supply-chain-control-tower-solutions-to-conquer-disruption-solution-profile.htmlLumada Manufacturing Insights
https://www.hitachivantara.com/en-anz/solutions/data-driven-industrial-operations/lumada-manufacturing-insights.html
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  1. 加藤拓
    加藤拓
    筑波大学大学院生命環境科学研究科にて博士課程を修了。在学時、火山噴火後に徐々に森が形成されていくにつれて土壌がどうやってできてくるのかについて研究し、修了後は茨城県農業総合センター農業研究所、帯広畜産大学での研究を経て、神戸大学、東京農業大学へ。農業を行う上で土壌をいかに科学的根拠に基づいて持続的に利用できるかに関心を持って研究を行っている。
  2. 槇 紗加
    槇 紗加
    1998年生まれ。日本女子大卒。レモン農家になるため、大学卒業直前に小田原に移住し修行を始める。在学中は、食べチョクなど数社でマーケティングや営業を経験。その経験を活かして、農園のHPを作ったりオンライン販売を強化したりしています。将来は、レモンサワー農園を開きたい。
  3. 沖貴雄
    沖貴雄
    1991年広島県安芸太田町生まれ。広島県立農業技術大学校卒業後、県内外の農家にて研修を受ける。2014年に安芸太田町で就農し2018年から合同会社穴ファームOKIを経営。ほうれんそうを主軸にスイートコーン、白菜、キャベツを生産。記録を分析し効率の良い経営を模索中。食卓にわくわくを地域にウハウハを目指し明るい農園をつくりたい。
  4. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  5. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
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