Green Carbon、JAXA衛星データを活用したJ-クレジット創出の事業化実証を開始
Green Carbon株式会社は、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)が実施する「JAXA だいち2号(ALOS-2)事業化実証」のテーマの1つに選定されたと発表した。「水稲栽培における中干し期間の延長」方法論によるJ-クレジット創出や、海外のカーボンクレジット創出において、衛星データを活用した事業化実証を開始する。
Green Carbonは、高炭素固定種苗の研究開発をメインにCO2削減事業等を展開する企業。現在は、フィリピンの大学らと連携し、水田のメタンガス削減プロジェクトの実証を進めるなど、幅広い国と地域を対象に事業を展開している。
また、2023年3月1日にJ-クレジットの運営委員会にて新たに承認された「水稲栽培における中干し期間の延長」の方法論を活用すべく、2023年4月5日に稲作コンソーシアムを発足させ、同方法論によるJ-クレジットの創出プロジェクトも進めている。
「JAXA だいち2号(ALOS-2)事業化実証」は、陸域観測技術衛星2号「だいち2号(ALOS-2)」のアーカイブデータを用いた事業の成立性を実証するもの。2021年度より開始しており、将来展望として民間主導による衛星データの一般利用での事業化を掲げている。
今回の事業化実証は、JAXAの衛星データを活用して、J-クレジット創出にかかる農家の工数削減や水田圃場のモニタリングなどに取り組むもの。
取り組みでは、宮城県の登米市、栗原市、フィリピンのブラカン州の農家やJAXAなどの協力の下、圃場の水位データと「だいち2号(ALOS-2)」搭載の合成開口レーダー(SAR)による衛星観測データをもとに、下記の実証を行うとしている。
1.中干し実施状況の把握/エビデンスデータとしての活用
「水稲栽培における中干し期間の延長」方法論では、中干し期間の延長を証明するデータが必要とされている。そのため、各農家が撮影した画像をエビデンスデータとして利用しプロジェクトの信憑性を担保しているが、写真の撮影が農家にとって追加的な負担となっているという。
本実証では、「だいち2号(ALOS-2)」の観測データを活用した圃場の水位モニタリングと現地に設置した水位センサーとの比較により、衛星モニタリングの有用性を検証。これにより、農家の圃場の撮影工数を削減するとともに衛星モニタリングによりプロジェクトの信憑性を高め、クレジット創出過程における透明性向上を目指す。
2.過去2年間の平均中干し実施日数を推定するモデル構築
「水稲栽培における中干し期間の延長」方法論は、過去2年以上の平均中干し実施日数から7日間中干し期間を延長することでクレジットの創出が認められる制度である。そのため、過去2年以上の実施状況のデータが必須の要件となっており、データを紛失または記録していなかった場合、プロジェクトへの参加は2年間のデータ収集を経てからとなるという。
実証では、「だいち2号(ALOS-2)」の衛星データを解析し、中干し期間延長の客観的エビデンスとしての活用を試み、将来的に「だいち2号(ALOS-2)」などの衛星データを活用して、J-クレジット登録の障壁の緩和や登録の信頼性の向上を目指す。
3.排出量算定メカニズムの検証
既存のメタンガス排出量算出システムは、週に一度現場での実測が必要となる。しかし、衛星データを活用した算出方法では現場での実測による工数を削減できるほか、より客観的なデータを得ることができるという。
実証では、衛星データを活用したメタンガス排出量算定メカニズムを活用し、フィリピンブラカン州にて検証を実施。これにより、海外での効率的で客観性の高いカーボンクレジットの創出を目指す。
Green Carbon株式会社
http://green-carbon.co.jp/
農家の工数削減や水田圃場のモニタリング等に取り組む
Green Carbonは、高炭素固定種苗の研究開発をメインにCO2削減事業等を展開する企業。現在は、フィリピンの大学らと連携し、水田のメタンガス削減プロジェクトの実証を進めるなど、幅広い国と地域を対象に事業を展開している。
また、2023年3月1日にJ-クレジットの運営委員会にて新たに承認された「水稲栽培における中干し期間の延長」の方法論を活用すべく、2023年4月5日に稲作コンソーシアムを発足させ、同方法論によるJ-クレジットの創出プロジェクトも進めている。
「JAXA だいち2号(ALOS-2)事業化実証」は、陸域観測技術衛星2号「だいち2号(ALOS-2)」のアーカイブデータを用いた事業の成立性を実証するもの。2021年度より開始しており、将来展望として民間主導による衛星データの一般利用での事業化を掲げている。
今回の事業化実証は、JAXAの衛星データを活用して、J-クレジット創出にかかる農家の工数削減や水田圃場のモニタリングなどに取り組むもの。
取り組みでは、宮城県の登米市、栗原市、フィリピンのブラカン州の農家やJAXAなどの協力の下、圃場の水位データと「だいち2号(ALOS-2)」搭載の合成開口レーダー(SAR)による衛星観測データをもとに、下記の実証を行うとしている。
1.中干し実施状況の把握/エビデンスデータとしての活用
「水稲栽培における中干し期間の延長」方法論では、中干し期間の延長を証明するデータが必要とされている。そのため、各農家が撮影した画像をエビデンスデータとして利用しプロジェクトの信憑性を担保しているが、写真の撮影が農家にとって追加的な負担となっているという。
本実証では、「だいち2号(ALOS-2)」の観測データを活用した圃場の水位モニタリングと現地に設置した水位センサーとの比較により、衛星モニタリングの有用性を検証。これにより、農家の圃場の撮影工数を削減するとともに衛星モニタリングによりプロジェクトの信憑性を高め、クレジット創出過程における透明性向上を目指す。
2.過去2年間の平均中干し実施日数を推定するモデル構築
「水稲栽培における中干し期間の延長」方法論は、過去2年以上の平均中干し実施日数から7日間中干し期間を延長することでクレジットの創出が認められる制度である。そのため、過去2年以上の実施状況のデータが必須の要件となっており、データを紛失または記録していなかった場合、プロジェクトへの参加は2年間のデータ収集を経てからとなるという。
実証では、「だいち2号(ALOS-2)」の衛星データを解析し、中干し期間延長の客観的エビデンスとしての活用を試み、将来的に「だいち2号(ALOS-2)」などの衛星データを活用して、J-クレジット登録の障壁の緩和や登録の信頼性の向上を目指す。
3.排出量算定メカニズムの検証
既存のメタンガス排出量算出システムは、週に一度現場での実測が必要となる。しかし、衛星データを活用した算出方法では現場での実測による工数を削減できるほか、より客観的なデータを得ることができるという。
実証では、衛星データを活用したメタンガス排出量算定メカニズムを活用し、フィリピンブラカン州にて検証を実施。これにより、海外での効率的で客観性の高いカーボンクレジットの創出を目指す。
Green Carbon株式会社
http://green-carbon.co.jp/
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