フェイガーと井関農機、J-クレジット拡大へ向けて業務提携

株式会社フェイガーと井関農機株式会社は、水稲栽培による中干し期間の延長によるJ-クレジットの拡大に向けた事業提携を締結した。

J-クレジットの拡大に向けた取り組みを通じて温室効果ガスの削減に貢献し、持続可能な農業の拡大を推進して、農業に携わる人々の収入向上を目指す。


生産者のJ-クレジット生成をサポート


フェイガーは、農家向け脱炭素施策の収益化とカーボンクレジットの流通サポートを手がける企業である。

井関農機は、トラクターやコンバイン、田植機などの農業機械の開発・製造を手がける企業で、持続可能な農業の実現に向け、自動抑草ロボットを用いた水稲有機栽培技術や自治体との連携による環境保全型農業の提案も行っている。

世界の温室効果ガスの12%は農業由来といわれており、農業には温室効果ガス削減のポテンシャルがあるとして、さまざまな対応策がとられている。特に日本では、水田から排出されるメタンの削減が重要な課題に挙げられていることから、J-クレジット制度の新たな方法論のひとつである「水稲栽培による中干し期間の延長」を推進している。

しかし、中干しの延長を適切なタイミングで行わないと品質や収量の低下を招く可能性があることから、適切な中干期間の算定に必要な情報を生産者に提供し、J-クレジット生成に必要な申請・承認等をサポートする新たな仕組みの構築が求められていた。

今回の事業提携では、井関農機が運営する営農ソリューションポータルサイト「Amoni」が提供する水稲生育予測サービスや各種技術を活用して、中干し期間の算定に必要な情報を生産者へ提供。また、J-クレジット生成に必要な申請・承認等のサポートを行っていくことで、J-クレジットの取り組みを拡大する。


さらに、フェイガーが保有する農学博士や営農経験者の知見を生かし、収量や品質を考慮した脱炭素農法のプロジェクトを推進。生産者が先にクレジットを受け取れる仕組みを構築することで、脱炭素に向けた取り組みに参加しやすい環境を整えていく。


両社は、フェイガーが保有するソリューションと井関農機が培ってきた生産者とのネットワーク活用して、農業生産者の収益を増やす持続可能な農業の在り方を目指す。


株式会社フェイガー
https://faeger.company/
井関農機株式会社
https://www.iseki.co.jp
SHARE

最新の記事をFacebook・メールで
簡単に読むことが出来ます。

RANKING

WRITER LIST

  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
  3. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
パックごはん定期便