産官学連携による有機農業ブランド「SHONAI ROOTS」、山形県鶴岡市に誕生

ヤマガタデザイン株式会社、鶴岡市、山形大学農学部、東北芸術工科大学、JA鶴岡、JA庄内たがわで構成される産学官連携のプロジェクトチーム「鶴岡市農業人材育成・確保プロジェクト推進会議」は、有機農業の新ブランドである『SHONAI ROOTS(ショウナイルーツ)』 の販売を開始した。


山形県鶴岡市は、東北で2番目の農業産出額を誇る東北有数の 「農業王国」 だが、近年は高齢化による離農等、農業者の担い手不足が深刻な課題だという。

このような状況を受け、同市では鶴岡市農業の維持、発展を図るために「鶴岡市農業人材育成・確保プロジェクト推進会議」を2019年3月に設立。2020年4月には、有機農業の教育を中心とした鶴岡市立農業経営者育成学校(SEADS)の開校も予定されている。


『SHONAI ROOTS(ショウナイルーツ)』とは


『SHONAI ROOTS』 は、「鶴岡市農業人材育成・確保プロジェクト推進会議」の取り組みの一環で立ち上げられたブランドで、地元産有機農産物の付加価値向上による新規就農者の獲得と農業者の所得向上を目指したものだ。

この取り組みには、山形県庄内地方で地域の課題を解決を目指すヤマガタデザイン株式会社とJA鶴岡、JA庄内たがわ、が連携を図るとしており、PRなどプロモーション活動の全般は鶴岡市が支援する。


販売や流通はヤマガタデザイン株式会社とJAが連携して行う。生産者の所得の向上も目指し、JAが持つ物流網や代金決済機能等も活用する考えだ。

販売収益の一部は、2020年4月に開校予定である、鶴岡市立農業経営者育成学校(SEADS)の運営経費にも還元を予定、農業人材の育成を地域内で循環していく方針としている。
2019年11月1日から販売がスタートしており、鶴岡市内の一部スーパーや食品宅配業者、首都圏の生協などで購入できるとのこと。

さらにSHONAI ROOTSでは、鶴岡市内で栽培した有機JAS(※)相当、もしくは特別栽培の以上の農作物を対象に、賛同農業者の募集を検討している。
出荷基準の詳細については、12月を目処に公開し、鶴岡市立農業経営者育成学校(SEADS)開校に合わせて募集を開始する予定だ。

※有機食品のJAS規格のこと。認証された事業者のみが有機JASマークを使用でき、有機JASマークがない農産物や農産物加工食品に 「有機」 や 「オーガニック」 などの名称を使用することは法律で禁止されている。



持続可能な農業を庄内から発信

欧米先進国を中心とする世界の有機食品市場は10兆円を突破しており、有機農業は日本国内においても農業の成長分野として注目されている。

日本の消費者需要も増加の傾向にはあるが、有機農業自体の広がりは極めて限定的だという。日本で有機農業に取り組む生産者の多くが「個人」 であり、ブランディングや販路開拓等さまざまな課題を抱えているからだ。

今後、SHONAI ROOTSでは消費者との交流機会として、農作物を購入する消費者が実際の生産現場を旅する 「アグリツーリズム」 の仕組みも構築していきたいとしている。
持続可能な農業を庄内から発信することで、有機農業を実践する農業者数の増加に努める方針だ。

太陽のような日の丸と、庄内で大切にされている「花よりも根を養う」という言葉、「根」のモチーフを組み合わせ、庄内から日本を代表する有機農業ブランドを創ることを表現しています。また ROOTSを「∞」で表現し、有機資源の循環とこれからの持続可能性を表現しました
<参考URL>
SHONAI ROOTS(ショウナイルーツ)
鶴岡市農業人材育成・確保プロジェクト推進会議
ヤマガタデザイン株式会社‐Wantedly
JA鶴岡
JA庄内たがわ
山形県鶴岡市HP
SHARE

最新の記事をFacebook・メールで
簡単に読むことが出来ます。

RANKING

WRITER LIST

  1. 堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
  2. 大槻万須美
    管理栄養士・フードスタイリスト。楽しく食べて健康に。食の大切さを伝えるため、料理教室、バレエダンサーやアスリートのパーソナル栄養サポート、レシピ・コラムの提供など幅広く活動。子どもの頃の毎年の米作り経験から、身近な食体験の重要性についても実感し、おとなと子どもの食育サポートにも力を注いでいる。
  3. 田牧一郎
    たまきいちろう。68歳。日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  4. 田中克樹
    たなかかつき。32年間の農業出版社勤務を経て、2020年末、故郷の八ヶ岳南麓に帰郷。仲間と共に農業・福祉系NPOを立ち上げ、遊休農地・耕作放棄地を再生し、心身の癒しや健康づくりにつながる有機無農薬の体験型農園づくりに取り組む。NPOでは田んぼ除草にホバークラフトを活用したスマート技術を開発中。農と風土(フード)を愛する人たち向けのブックカフェ・居酒屋を開くのが夢。
  5. 山田正美
    大阪工業大学大学院修了。福井県職員として、農業試験場研究員、専門技術員、農業技術経営課長、農林水産部技幹を経て退職。現在、日本生産者GAP協会常務理事、日本農業サポート研究所主席コンサルタント。
AI・IOTでDXを推進する企画・セールス・エンジニア大募集