テラドローンが肥料散布事業に参入、インドネシアのパーム油農園で肥料散布プロジェクトを開始

Terra Drone(テラドローン)株式会社は、インドネシアに拠点を置く子会社Terra Drone Indonesia(テラドローン・インドネシア)が新規事業として肥料散布事業に参入することを発表。インドネシアのパーム油生産大手であるSinar Masのグループ会社SMART Tbk(スマート)と、肥料散布事業の新プロジェクトに関する契約に合意した。


ドローン活用でパーム農園肥料散布の新しい基準確立を目指す


Terra Droneは、空飛ぶクルマやドローンの開発などを手がける企業。その子会社であり、インドネシアを拠点とするTerra Drone Indonesiaは、産業用ドローンのサービスプロバイダーで、マッピング・モデリング・検査・モニタリングに加え、農業分野でのドローンサービス「Terra Agri」も展開。20万ヘクタール超で高精度な農薬散布を実施し、コスト削減とドローン普及の実績がある。

インドネシアの企業SMART Tbkは、国内最大級のパーム油のプランテーションを保有しているSinar Masのグループ会社で、小規模農家との協力のもと、パーム油の原料であるアブラヤシの栽培および食料品と燃料の生産を行っている。

今回のプロジェクトは、Terra Drone Indonesiaが手がける農業サービス「Terra Agri」の一環として、パーム油農園の管理における肥料プロセスのデジタル化と最適化に向けて行われるもの。カリマンタン島からバンカ島、ブリトゥン島にまたがる6万ヘクタール以上のパーム油農園で、1年間にわたり肥料散布を実施し、精度向上を目指す。

インドネシアが世界の生産量の60%のシェアをもつとされているパーム油は、農園管理の課題の一つとして、人為的なミスによる肥料の不均一な散布が挙げられる。

同プロジェクトでは、50キログラムの可搬重量とマッピング機能も兼ね備えたドローンを使用し、農地の画像をリアルタイムで取得する。これにより、植生密度や地形、生育状況などを把握でき、個々の樹木に正確な量の肥料を供給することが可能になるという。

Terra Drone IndonesiaとSMART Tbkは、プロジェクトを通じて肥料散布プロセスの精度と監視の向上に取り組むことで、パーム油農園事業における肥料散布の新しい基準を確立し、農業における技術主導型のソリューションを提供していくことを目指すとしている。


Terra Drone株式会社
http://www.terra-drone.net
Terra Drone Indonesia(テラドローン・インドネシア)
https://terra-drone.co.id/
農業サービス「Terra Agri(テラ・アグリ)」
https://terra-droneagri.com/
PT SMART Tbk(スマート)
https://www.smart-tbk.com/
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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、福岡県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方、韓国語を独学で習得(韓国語能力試験6級)。退職後、2024年3月に玄海農財通商合同会社を設立し代表に就任、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサルティングや韓国農業資材の輸入販売を行っている。会社HP:https://genkai-nozai.com/home/個人のブログ:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
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  5. 堀口泰子
    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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