サグリ、農地マッチングサービス「ニナタバ」の提供を開始 広島県尾道市で初導入

サグリ株式会社は、新たに開発した農地マッチングサービス「ニナタバ」の提供を開始した。広島県尾道市において2023年度から実施してきた実証実験の成果を踏まえ、同市で全国初導入する。


農地所有者と作り手・担い手をつなげる新サービス


サグリ株式会社は、衛星データ×機械学習×区画技術を掛け合わせ、農業や環境における課題解決を目指す岐阜大学発のベンチャー企業。圃場の状態を見える化する「サグリ」や、農地の耕作状況を見える化する「アクタバ」などのサービスを提供している。

今回提供が開始されたニナタバは、全国の農地所有者と農家をつなげ、農地の利用を促進するサービスで、広島県のサキガケプロジェクトの実証を通じて開発された。

サキガケプロジェクトとは、デジタル技術の活用により社会課題を解決するアイディアの実現に向け、社会実装や県内展開に向けた事業開発上、障壁となる規制の緩和や新たなルールメイクを試行し、新たな市場の開拓に取り組むプロジェクトの実証支援を行うもの。

全国的に耕作放棄地が増加しているなか、尾道市農業委員会では、2023年度に市の農地バンク制度を始めている。同市に「ニナタバ」を導入することで、農地バンクの地図による見える化や対象農地の増加、市外の農家にも候補となる農地を知ってもらうきっかけとなるという。

2024年4月18日に行われた尾道市のニナタバ導入の記者会見(尾道市役所室)

サグリは、同プロジェクトでの取り組みを通して、2023年度に尾道市内の一部地区において、実際に農地所有者の利用意向を確認し、「ニナタバ」上での見える化や地域の農業の話し合いの促進に取り組んできたという。

2024年4月18日に行われた尾道市の記者会見では、アプリの成果や効果、今後のサグリの展開について発表。同社は、「ニナタバ」の提供で全国の農地マッチングの促進に貢献していきたいとしている。


ニナタバ
https://ninataba.studio.site/
サグリ株式会社
https://sagri.tokyo/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
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    北島芙有子
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    川島礼二郎
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    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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