栗本ホールディングス、「農地の里親制度」を広島県安芸高田市で開始

広島県広島市を本拠に総合建設業や環境事業を手がける株式会社栗本ホールディングスは、法人を対象とした「農地の里親制度」を広島県安芸高田市で開始した。企業に農地のスポンサーとなってもらい、対価として従業員に収穫物や農業体験、宿泊などを提供し、地域に親しんでもらうという。


地域の振興や農業、食文化の維持に


安芸高田市では、農業者の高齢化や担い手不足を背景に休耕地や荒廃地の増加が問題になっていたことから、同社は2005年に農業法人を設立し、米作を中心に農業を行ってきた。

しかし、毎年厳しい収支が続いていることから、「違う形での付加価値を生み出すことで収益を増やさない限り、持続可能な業態とはならない」という認識に至ったという。

最近は農業に興味のある企業も多いが、農地の確保や多額の初期投資、人材採用と戦力化など農業への新規参入のハードルは依然として高いのが現状。そこで、同社は「農業に興味のある企業に農地の里親になってもらうことで、自社の農業が持続可能な業態となり、それが関係人口や消費額の増加など、地域の振興や農業、食文化の維持につながる」と考えたという。

今回、同社が開始した「農地の里親制度」は、企業にまとまった面積の農地のスポンサーになってもらい、対価として企業の従業員に収穫された農産物や農業体験、古民家での宿泊などを提供するもの。農地の運営・管理は同社が行う。

最小契約単位は0.2ヘクタール(2000平方メートル)で、料金は55万円(税込)。0.2ヘクタールから収穫される米(約900kg)はすべて企業側に渡される。

なお、当面は同社のグループ企業が運営する安芸高田市の農地のみが対象となるが、将来的には里親数と取り組み地域を増やし、事業規模を拡大していく計画とのこと。

最初の里親となった広島県福山市の運輸企業、丸加ホールディングス株式会社は、「福利厚生や社員のモチベーションアップ、企業イメージの向上、採用力の強化などへの効果を期待したい」としている。


株式会社栗本ホールディングス
https://www.hd.kurimoto-gr.co.jp/

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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  3. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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    鈴木かゆ
    1993年生まれ、お粥研究家。「おかゆ好き?嫌い?」の問いを「どのおかゆが好き?」に変えるべく活動中。お粥の研究サイト「おかゆワールド.com」運営。各種SNS、メディアにてお粥レシピ/レポ/歴史/文化などを発信中。JAPAN MENSA会員。
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    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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