ファイネスト、玄米用フレコンを医療廃棄物用プラスチック容器に再生する取り組みを開始

株式会社ファイネストコーポレーションは、JA北海道グループから排出される廃プラを再利用し、新たな再生プラスチック容器を製造する取り組みを2024年6月より開始する。生産された再生プラスチック容器は、JA北海道グループの全厚生病院にて感染性廃棄物の収納に活用される。


農業から医療へつなぐ最先端環境事業


M&Aマネジメントや不動産開発を主事業とするファイネストコーポレーションは、JA北海道から委託を受け、ホクレンから排出される玄米用フレコンを回収し、廃フレコンを再利用して新たな再生プラスチック容器を製造する。

同社は、プラスチック成型における高度な押し出し技術を有する企業と連携し、通常は10%以下の少量しか混ぜられない再生原料を、20%から30%の割合で混入したうえで、高品質な容器の提供を可能にした。

JA北海道によると、道内における農業用廃プラスチックフィルムの年間排出量は約1万1000トン(2023年度)、その約6割がサーマルリサイクルと呼ばれる、燃やした時に発生する熱エネルギーを回収するリサイクル方法が採用されていた。

古くなったフレコンを焼却処分するのではなく、プラスチック原料として医療用廃棄物の収納容器に加工することで、年間の焼却量を2割余り削減し、環境負荷低減とコスト削減を実現していくという。

ホクレンからの廃フレコンの回収は、ファイネストのグループ会社で医療廃棄物処理を専門に行う合同会社ESGが4月より行っており、生産された再生プラスチック容器は、再びJA北海道グループの全厚生病院に納品され、感染性廃棄物の収納に活用される。

ファイネストは、連携企業と共に、道内で環境配慮のSDGsの輪を拡げ、販売数量を増やして行く予定だ。将来的には、全農の協力のもと、北海道のみならず全国展開も視野に、農業と医療をつなぐ役割を果たしていきたいとしている。


株式会社ファイネストコーポレーション
https://finestcorporation.jp/
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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、福岡県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方、韓国語を独学で習得(韓国語能力試験6級)。退職後、2024年3月に玄海農財通商合同会社を設立し代表に就任、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサルティングや韓国農業資材の輸入販売を行っている。会社HP:https://genkai-nozai.com/home/個人のブログ:https://sinkankokunogyo.blog/
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 堀口泰子
    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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