土壌微生物の世界を体験できる農業メタバースワールド「桧山農場 自然栽培と微生物の楽園」がオープン

メタバースの実証実験を行うコミュニティ17Campusを運営するOH26株式会社は、北海道で自然栽培による米作りを行う桧山農場を中心とする「メタバース×農業プロジェクト」と共同で、自然栽培と微生物の世界を紹介するバーチャルワールド「桧山農場 自然栽培と微生物の楽園」をオープンすると発表した。 オープン記念のイベントを2024年9月28日(土)に開催する。参加費は無料。


メタバースによる農業体験で、食育と環境意識の向上を目指す


OH26株式会社は、企業経営のコンサルティングやWeb運用を手がける企業。イベントやミーティングなど、さまざまな用途に合わせたメタバースの開発や制作も行っている。

自然栽培による米作りは、化学肥料や農薬、有機肥料堆肥も使用せず、土壌中の微生物の力を最大限に活用する。健康な土壌1グラム当たりに含まれる微生物の数は、約10億個にも達するとされていて、これらの微生物が土壌の健康を維持し、作物の成長を促進する重要な役割を果たしている。

例えば、菌根菌のような共生菌は植物の根の範囲を2倍にも拡大し、リン酸吸収量を2~4倍に増加させる働きもある。また、窒素固定細菌は大気中の窒素を植物が吸収できる形に変え、稲の生育に必要な栄養素を供給する役割を持つという。これらの微生物の働きにより、持続可能な稲作が可能となっている。

こうした自然栽培の秘密や微生物の世界をバーチャルで探検できるメタバースワールドが今回オープンする。

最新のバーチャル技術を駆使し、通常では目にすることのできない土壌微生物の世界を体験型ゲームにしたもので、微生物を紹介するギャラリーで学んだり、体験型ゲームで微生物を身近に感じることができる。

微生物ギャラリーイメージ

微生物ワールドミニゲームイメージ

オープンを記念したイベントは、メタバースプラットフォーム「Spatial.io」およびYouTube LIVEで同時配信され、桧山農場の桧山由美氏による特別講演が行われるほか、バーチャルギャラリーツアーや微生物ワールドアドベンチャー体験会、質疑応答やプレゼント企画も用意されているという。

桧山農場 桧山由美氏のコメント
私たちの目には見えない小さな生き物たちが、実はおいしいお米づくりの主役なのです。このメタバースワールドを通じて、多くの方々に自然栽培の素晴らしさを体感していただき、食と農業、そして環境について、新たな視点を持っていただけることを願っています。

OH26は、楽しみながら学べる新しい形の食育ツールとして、農業メタバースワールドを活用していき、消費者の自然栽培に対する理解を深めるとともに、持続可能な農業と食の未来について考えるきっかけを提供したいとしている。

開催概要

「桧山農場 自然栽培と微生物の楽園」オープンイベント
日時:2024年9月28日(土) 20:00~21:30
場所:メタバースプラットフォームSpatial.io、YouTube LIVE
料金:無料
申込フォーム:https://forms.gle/T1a2scnjYN6typhZ9
イベント紹介ページ:https://digima-campus.com/240928-2/


OH26株式会社
https://web-keiei.com/
桧山農場
https://www.riz-japan.com/
17CAMPUS
https://digima-campus.com/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  3. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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    鈴木かゆ
    1993年生まれ、お粥研究家。「おかゆ好き?嫌い?」の問いを「どのおかゆが好き?」に変えるべく活動中。お粥の研究サイト「おかゆワールド.com」運営。各種SNS、メディアにてお粥レシピ/レポ/歴史/文化などを発信中。JAPAN MENSA会員。
  5. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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