農業AIアシスタント「あぐりすたんと」に生育調査機能とレシピ提案機能が追加

AGRIST株式会社は、食と農のアシスタントサービスで、LINEを通じて利用できるAIチャットボット「あぐりすたんと」に、画像を活用した新機能として「生育調査」と「レシピ提案」を追加した。


画像1枚を送るだけで相談可能に


AGRIST株式会社は、テクノロジーで農業課題を解決し、持続可能な農業を実現するスタートアップ企業。 AI搭載の自動収穫ロボットを活用したスマート農業を全国で展開している。

同社が提供する「あぐりすたんと」は、LINEを通じて利用できるAIチャットボットで、MicrosoftのAzure OpenAI Serviceを活用して開発されたもの。家庭菜園を楽しむユーザーから農業経営者まで、農業に関わる人たちのサポートを行う。

今回のアップデートでは、画像による生育調査やレシピ提案機能を追加。これにより、テキストベースでの質問が必要だった内容も、画像1枚を送るだけで簡単に相談することが可能となった。

植物の写真を送信すると、AIが画像を解析し、健康状態の診断や今後の栽培に関するアドバイスを提供する。また、料理の写真を送信すると、AIが料理の内容を判別し、レシピやアレンジ提案を行う。



「桃太郎トマト」などで知られるタキイ種苗の「2024年度 野菜と家庭菜園に関する調査」では、家庭菜園の経験者のうち81.8%が「想像以上に大変だった」と回答し、66.7%が「(もっと)勉強したい」と答えている。また、未経験者や途中でやめた人の多くが、「日々の手入れ・管理が大変そう」、「上手く育てることができなかった」など、栽培の難しさに課題を感じていることが明らかになった。



また、既存のあぐりすたんとユーザーからも「植物の画像から育成状態を判断してほしい」といった声が多く寄せられていたという。

これらの課題をAIの力で解決し、より多くの人が農業や家庭菜園を楽しめるようにすることが、今回の機能追加の目的とのこと。

AGRISTは今後、あぐりすたんとの上位互換となる「AGRIST Ai」を全国の農場向けにサービス展開する予定だ。各農場ごとのオリジナルデータを集積しAI解析することで、新規就農者でも収益性の高い農業経営を可能にする仕組みの構築を目指している。


AGRIST株式会社
https://agrist.com/
SHARE

最新の記事をFacebook・メールで
簡単に読むことが出来ます。

RANKING

WRITER LIST

  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  3. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
  4. 鈴木かゆ
    鈴木かゆ
    1993年生まれ、お粥研究家。「おかゆ好き?嫌い?」の問いを「どのおかゆが好き?」に変えるべく活動中。お粥の研究サイト「おかゆワールド.com」運営。各種SNS、メディアにてお粥レシピ/レポ/歴史/文化などを発信中。JAPAN MENSA会員。
  5. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
パックごはん定期便