減農薬の“安心・安全”をお酒にも 「スマート日本酒」が実現する米の新しい付加価値
AI・IoT・ドローンを活用し生産する株式会社オプティムの「スマート米」も2年目を迎えた。今年は新たな産地も加わり、残留農薬不検出という結果はもちろんのこと、これまで生産者の努力で対応してきた特別栽培米などの基準も加わり、AI×ドローンによって省力化とともに付加価値を高められるようになってきている。
そんなスマート米を、新たな切り口で活用する取り組みが始まった。それが、減農薬を実現した米を日本酒の原料として使用した「スマート日本酒」。取り組んだのは、2018年にスマート米「さがびより」を栽培・販売した佐賀県の農業法人、株式会社イケマコだ。
スマート米を用いた加工品としては、以前青森県でのスマート米玄米を使用したクラフトビールをご紹介したが、今回は純粋に米を原料とした日本酒となっている。
スマート米 玄米でクラフトビールを醸造!? 青森でのスマート農業×地産都消の取り組み
イケマコがスマート米から日本酒を作ろうとした理由、そして米のブランディング化とさらなる付加価値アップのための考え方を、イケマコ代表の池田大志氏に、オンラインでインタビューした。
池田:2018年に収穫したスマート米「さがびより」を100%使用しており、「純米大吟醸酒AI」という名称です。
「スマート米を活用してどんなことができるか?」と考えた時に、焼酎文化が根付いている九州において、佐賀県は珍しく日本酒の産地だったこともあり、食の次はお酒が広まりやすいのでは? と思い開発に至りました。
──佐賀は日本酒のイメージが強いんですね。池田さんご自身も日本酒がお好きなんですか?
池田:ええ、お酒は好きですね(笑)。
実際に醸造するにあたっては、生産者とオプティムのこだわり、そして昔ながらの製法を大切に、“最新技術と伝統を融合させる”イメージで作りました。
近年、口当たりがよく飲みやすい日本酒が増えてきた傾向にありますが、佐賀の地酒の特徴は「コク」にあります。スマート日本酒は東北のような「飲みやすい文化」の地域のお酒とは異なり、喉越しがあるお酒に仕上げることで“佐賀らしさ”を大切にしています。
池田:オプティムさんとスマート米作りに取り組む中で、高付加価値のお米に、さらにブランド価値を高められないか、という考えがありました。なおかつ、酒蔵さんとの連携ができたということも、日本酒作りをはじめたひとつのきっかけでしたね。
──そもそも「スマート米」という付加価値の高い米であったことが、大きな要因だったということですね。
池田:そうですね。「せっかく残留農薬まで計測したお米なのだから、もっと使い方を工夫して有効活用していきたい」という想いもありました。
残留農薬を可視化することで安全性と付加価値を裏付けるオプティムのスマート米は、日本の農業界を客観視しているように感じたんです。
というのも、業界内には依然として、「これまで通りの方法でいい」という流れが強く残っているんですよ。
従来の日本の農業であれば、残留農薬の問題に取り組むにしても、イメージはできていても実際に減農薬を実践できるかといえば難しい面がありました。減農薬に取り組めば農薬の使用量が減り資材のコストダウンにはなるのですが、そのために大幅なコストをかけてこれまでのやり方を改善するくらいなら、今まで通りの方法でいいのではないか、と話が落ち着いてしまうことが多いのです。
そんな中で、オプティムの「スマートアグリフードプロジェクト」に参加して一緒に取り組みながら、「このプロジェクトは日本の『農業界の空気』を変えるものだ」と感じました。もっと関係者にスマート米を知っていただきたいという思いもあって、酒造りをはじめたという理由もあります。
──今回のスマート日本酒で使用されているお米も、2018年に食用米として販売されていたスマート米「さがびより」で、残留農薬は不検出だったんですよね。
池田:はい。この点も大切なポイントです。
例えば、「酒米の生産者が特定されていて、なおかつ残留農薬が不検出」ということを明言して酒米を売り出している業者の数は、まだまだ少ないのが実情です。だからこそ、スマート日本酒は大きな価値を生み出せるとも考えられます。
池田:たしかにこれまでは酒米で作るのが一般的でした。しかし、酒造技術が発展してきたこともあり、普段私たちが口にするような食用米でお酒を作ることもできるようになりました。
食用米というのは、酒米に比べてタンパク質が少ないことと、米の表面の凹凸が少ないのが特徴なんです。酒米はあくまでも加工用なので、普通に炊いて食べようとするとボソボソになってしまうんですよ。
──お米が販売されている棚に、そのお米で作った日本酒が一緒に並ぶこともあり得るわけですね。
池田:はい。米を売る側からすると、「いつも食べていただいているお米と同じ品種で作っていますよ」と説明できますし、消費者は「ああ、あのお米のお酒なのね」と親近感を抱いていただきやすいかなと考えています。
──スマート農業の進化による栽培技術はもちろんのこと、酒造技術の進歩もあったからこそ障壁なく6次産業化ができたということなんですね。売り先としてはどのような場所が多いのでしょうか?
池田:実は海外からの需要も多いんです。「大吟醸」という言葉が浸透していて、特に香港からのお声がけが増えています。私たちの売り先のひとつとして、海外もターゲットになっており、これから積極的にチャレンジしていかなければと考えています。
ただ、今回の「AI」はそれほど数量を作っていないため、現時点(10月末時点)では弊社(イケマコ)の店頭のみの取り扱いとなっています。
池田:弊社では小さい農地、例えば農家さんがあまりしたがらないような非合理的な農地を引き受けることが多いんです。そういう土地は、自分たちで水を汲み上げられるように整備して、あらかじめ国や市区町村に「加工米用の水田」として申請することで、減反政策と同等にものが作れることを明示するようにしています。
最初から売り先と加工先を決めておくことで、国からの交付金をいただけるんです。
しかし、そういった小さい農地は作物を育てづらい畑ばかりなので、所有者さえ活用しておらず、結果として利用しない=交付金を受け取れないというケースが多いのが実情でした。
そこで私たちは、小さい農地を活用して国から交付金をいただき、そのお金を元手に農地を整備するなどして畑に投資をしています。
──減反政策といえば、国が米の生産量を調整するために行っていた政策のひとつでしたよね。2018年に廃止され、今までの枠組みから大きく変容したと聞いていますが……。
池田:そうですね。もともと減反は「生産調整」であって、地域ごとに米を作ってもいい面積を割り振ることを指します。これは、「作ってはいけませんよ」ではなくて、「作っていい面積を割り振るから、町で按分しましょう」という趣旨なんです。
なので、逆に私たちは「この小さい農地で加工用のお米を毎年作ります。だから整備させてください」という取り組みを行っているのです。
そうすると、小さい農地にも利用価値が生まれてきます。実際、家と家の間の田んぼというのは、日当たりが悪くなるため畑作には不向きなのですが、米作りには向いています。さらに食用米ではなく加工米を生産することで、数字的にも減反に協力していることになります。
──さらに6次化としての付加価値がつけば、活用が難しかった土地にも大きな価値が生まれるというわけですね。その“小さな農地”というのは、具体的にはどのような土地なのでしょうか?
池田:私たちが農業をしているエリアは、佐賀平野という県内で1番広い平野部なのですが、その中の水路が整備されていない土地、いわゆる「蛇口のない農地」を指しています。
そういったところを農地と見なすことの方が、地域的にもプラスになりますし、安く買い入れるという方法によって価値が生まれるように感じています。
実は私たちは初めから「大きい土地をください」とは一切言っていないんです。というのも、ご年配の方の方が米作りは上手なんですよね。だから生産のしやすい大きい土地で美味しいお米をずっと作っていていただきたい。小さい農地はこちらで頑張りますから、と。
──なるほど。
池田:結局、米作りは経験値がものを言う仕事ですから、私たちはご年配の方が作り続けていける環境をいかに作りながら、農業法人としての規模を拡大していくか、というのが課題でした。その時にキーポイントとなったのがみんながやらない”小さな農地”だったのです。「カレンダー通りに作業すればいい」でいいお米作りができるわけではありません。
──その小さな農地は、具体的にはどれくらいの広さなのですか?
池田:イケマコの総取り扱い面積は30haで、小さい農地の割合が全体の40%を占めています。1区画あたり30aが全国平均なんですが、私たちが持っている農地の区画平均は20aです。
平地で細かい土地を引き受けるということ自体が珍しいので、地主さんもきっと重宝してくれていると思います。
池田:日本酒の6次産業化は、特色のあるお米を作れる方なら進めるべきだと思います。
というのも、国内では近年、お酒の需要が少しずつ変わっているような傾向を感じているからです。例えばドイツのように、ビールが水より安くなることはなくとも、日本酒がより身近なものになっていくと思います。
一方で日本酒は、国がブランドとして世界へ発信しているお酒でもあるので、身近になるだけではなく、新たな価値を付加することも必要とされています。
その中で、「生産者の見え方」というのも大切な切り口のひとつです。今までは酒蔵の情報を発信することが主流でしたが、これからは原料を大事に売ること、つまり米の生産者を押し出していくことも重要になるでしょう。
「山田錦」という言葉は出てくるけれど、その生産者の名前は出てきませんよね。この状況も個人的には生産者の価値が表されていないと感じています。
──たしかに、6次化されている果樹や野菜などでは、加工品とともに食材の生産者の名前が大きく打ち出されていますね。
池田:そうなんです、「山田錦だからおいしい」という日本酒特有の考え方には、固定観念が入っているんです。お酒のおいしさはきっと、原材料を作る生産者から始まっていて、その要素をブランドとして打ち出していけるかが、これからの日本酒の6次化の次のステージだと考えています。
イケマコが「スマート米」の6次産業化で生み出した「スマート日本酒」は、“小さな農地”を地域へ還元していくというスタイルと、日本酒自体の差別化と付加価値を新たな時代へ導くアイデアの組み合わせで生まれた新しい取り組みだ。
オプティムの技術とイケマコの発想により米の販売・活用方法の固定観念を打ち壊した「スマート日本酒」。今後の展開に期待が膨らむ。
白米・玄米・無洗米玄米の通販サイト|スマートアグリフード(スマ直)
https://smartagrifood.jp/
日本酒 - イケマコ
https://www.ikemako2007.com/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E9%85%92/
そんなスマート米を、新たな切り口で活用する取り組みが始まった。それが、減農薬を実現した米を日本酒の原料として使用した「スマート日本酒」。取り組んだのは、2018年にスマート米「さがびより」を栽培・販売した佐賀県の農業法人、株式会社イケマコだ。
スマート米を用いた加工品としては、以前青森県でのスマート米玄米を使用したクラフトビールをご紹介したが、今回は純粋に米を原料とした日本酒となっている。
スマート米 玄米でクラフトビールを醸造!? 青森でのスマート農業×地産都消の取り組み
イケマコがスマート米から日本酒を作ろうとした理由、そして米のブランディング化とさらなる付加価値アップのための考え方を、イケマコ代表の池田大志氏に、オンラインでインタビューした。
佐賀らしさを大切にした「スマート日本酒」
──まず、スマート米で作った「スマート日本酒」について教えてください。池田:2018年に収穫したスマート米「さがびより」を100%使用しており、「純米大吟醸酒AI」という名称です。
「スマート米を活用してどんなことができるか?」と考えた時に、焼酎文化が根付いている九州において、佐賀県は珍しく日本酒の産地だったこともあり、食の次はお酒が広まりやすいのでは? と思い開発に至りました。
──佐賀は日本酒のイメージが強いんですね。池田さんご自身も日本酒がお好きなんですか?
池田:ええ、お酒は好きですね(笑)。
実際に醸造するにあたっては、生産者とオプティムのこだわり、そして昔ながらの製法を大切に、“最新技術と伝統を融合させる”イメージで作りました。
近年、口当たりがよく飲みやすい日本酒が増えてきた傾向にありますが、佐賀の地酒の特徴は「コク」にあります。スマート日本酒は東北のような「飲みやすい文化」の地域のお酒とは異なり、喉越しがあるお酒に仕上げることで“佐賀らしさ”を大切にしています。
「残留農薬不検出」の付加価値をさらに高めるために
──そもそも、スマート米で酒造りを始めた狙いはどんなものだったのでしょう?池田:オプティムさんとスマート米作りに取り組む中で、高付加価値のお米に、さらにブランド価値を高められないか、という考えがありました。なおかつ、酒蔵さんとの連携ができたということも、日本酒作りをはじめたひとつのきっかけでしたね。
──そもそも「スマート米」という付加価値の高い米であったことが、大きな要因だったということですね。
池田:そうですね。「せっかく残留農薬まで計測したお米なのだから、もっと使い方を工夫して有効活用していきたい」という想いもありました。
残留農薬を可視化することで安全性と付加価値を裏付けるオプティムのスマート米は、日本の農業界を客観視しているように感じたんです。
というのも、業界内には依然として、「これまで通りの方法でいい」という流れが強く残っているんですよ。
従来の日本の農業であれば、残留農薬の問題に取り組むにしても、イメージはできていても実際に減農薬を実践できるかといえば難しい面がありました。減農薬に取り組めば農薬の使用量が減り資材のコストダウンにはなるのですが、そのために大幅なコストをかけてこれまでのやり方を改善するくらいなら、今まで通りの方法でいいのではないか、と話が落ち着いてしまうことが多いのです。
そんな中で、オプティムの「スマートアグリフードプロジェクト」に参加して一緒に取り組みながら、「このプロジェクトは日本の『農業界の空気』を変えるものだ」と感じました。もっと関係者にスマート米を知っていただきたいという思いもあって、酒造りをはじめたという理由もあります。
──今回のスマート日本酒で使用されているお米も、2018年に食用米として販売されていたスマート米「さがびより」で、残留農薬は不検出だったんですよね。
池田:はい。この点も大切なポイントです。
例えば、「酒米の生産者が特定されていて、なおかつ残留農薬が不検出」ということを明言して酒米を売り出している業者の数は、まだまだ少ないのが実情です。だからこそ、スマート日本酒は大きな価値を生み出せるとも考えられます。
食用米から日本酒を作る技術
──そもそものお話ですが、食用米でも酒造はできるのでしょうか?池田:たしかにこれまでは酒米で作るのが一般的でした。しかし、酒造技術が発展してきたこともあり、普段私たちが口にするような食用米でお酒を作ることもできるようになりました。
食用米というのは、酒米に比べてタンパク質が少ないことと、米の表面の凹凸が少ないのが特徴なんです。酒米はあくまでも加工用なので、普通に炊いて食べようとするとボソボソになってしまうんですよ。
──お米が販売されている棚に、そのお米で作った日本酒が一緒に並ぶこともあり得るわけですね。
池田:はい。米を売る側からすると、「いつも食べていただいているお米と同じ品種で作っていますよ」と説明できますし、消費者は「ああ、あのお米のお酒なのね」と親近感を抱いていただきやすいかなと考えています。
──スマート農業の進化による栽培技術はもちろんのこと、酒造技術の進歩もあったからこそ障壁なく6次産業化ができたということなんですね。売り先としてはどのような場所が多いのでしょうか?
池田:実は海外からの需要も多いんです。「大吟醸」という言葉が浸透していて、特に香港からのお声がけが増えています。私たちの売り先のひとつとして、海外もターゲットになっており、これから積極的にチャレンジしていかなければと考えています。
ただ、今回の「AI」はそれほど数量を作っていないため、現時点(10月末時点)では弊社(イケマコ)の店頭のみの取り扱いとなっています。
イケマコが進める“小さい農地”の活用術
──スマート米の栽培とも関係してきますが、イケマコさんでは小さな農地を積極的に請け負っているとうかがいました。池田:弊社では小さい農地、例えば農家さんがあまりしたがらないような非合理的な農地を引き受けることが多いんです。そういう土地は、自分たちで水を汲み上げられるように整備して、あらかじめ国や市区町村に「加工米用の水田」として申請することで、減反政策と同等にものが作れることを明示するようにしています。
最初から売り先と加工先を決めておくことで、国からの交付金をいただけるんです。
しかし、そういった小さい農地は作物を育てづらい畑ばかりなので、所有者さえ活用しておらず、結果として利用しない=交付金を受け取れないというケースが多いのが実情でした。
そこで私たちは、小さい農地を活用して国から交付金をいただき、そのお金を元手に農地を整備するなどして畑に投資をしています。
──減反政策といえば、国が米の生産量を調整するために行っていた政策のひとつでしたよね。2018年に廃止され、今までの枠組みから大きく変容したと聞いていますが……。
池田:そうですね。もともと減反は「生産調整」であって、地域ごとに米を作ってもいい面積を割り振ることを指します。これは、「作ってはいけませんよ」ではなくて、「作っていい面積を割り振るから、町で按分しましょう」という趣旨なんです。
なので、逆に私たちは「この小さい農地で加工用のお米を毎年作ります。だから整備させてください」という取り組みを行っているのです。
そうすると、小さい農地にも利用価値が生まれてきます。実際、家と家の間の田んぼというのは、日当たりが悪くなるため畑作には不向きなのですが、米作りには向いています。さらに食用米ではなく加工米を生産することで、数字的にも減反に協力していることになります。
──さらに6次化としての付加価値がつけば、活用が難しかった土地にも大きな価値が生まれるというわけですね。その“小さな農地”というのは、具体的にはどのような土地なのでしょうか?
池田:私たちが農業をしているエリアは、佐賀平野という県内で1番広い平野部なのですが、その中の水路が整備されていない土地、いわゆる「蛇口のない農地」を指しています。
そういったところを農地と見なすことの方が、地域的にもプラスになりますし、安く買い入れるという方法によって価値が生まれるように感じています。
実は私たちは初めから「大きい土地をください」とは一切言っていないんです。というのも、ご年配の方の方が米作りは上手なんですよね。だから生産のしやすい大きい土地で美味しいお米をずっと作っていていただきたい。小さい農地はこちらで頑張りますから、と。
──なるほど。
池田:結局、米作りは経験値がものを言う仕事ですから、私たちはご年配の方が作り続けていける環境をいかに作りながら、農業法人としての規模を拡大していくか、というのが課題でした。その時にキーポイントとなったのがみんながやらない”小さな農地”だったのです。「カレンダー通りに作業すればいい」でいいお米作りができるわけではありません。
──その小さな農地は、具体的にはどれくらいの広さなのですか?
池田:イケマコの総取り扱い面積は30haで、小さい農地の割合が全体の40%を占めています。1区画あたり30aが全国平均なんですが、私たちが持っている農地の区画平均は20aです。
平地で細かい土地を引き受けるということ自体が珍しいので、地主さんもきっと重宝してくれていると思います。
酒蔵や「山田錦」ブランドではなく、生産者の顔が見えるように
──今後、食用米の日本酒への転用についてどうなっていくとお考えですか?池田:日本酒の6次産業化は、特色のあるお米を作れる方なら進めるべきだと思います。
というのも、国内では近年、お酒の需要が少しずつ変わっているような傾向を感じているからです。例えばドイツのように、ビールが水より安くなることはなくとも、日本酒がより身近なものになっていくと思います。
一方で日本酒は、国がブランドとして世界へ発信しているお酒でもあるので、身近になるだけではなく、新たな価値を付加することも必要とされています。
その中で、「生産者の見え方」というのも大切な切り口のひとつです。今までは酒蔵の情報を発信することが主流でしたが、これからは原料を大事に売ること、つまり米の生産者を押し出していくことも重要になるでしょう。
「山田錦」という言葉は出てくるけれど、その生産者の名前は出てきませんよね。この状況も個人的には生産者の価値が表されていないと感じています。
──たしかに、6次化されている果樹や野菜などでは、加工品とともに食材の生産者の名前が大きく打ち出されていますね。
池田:そうなんです、「山田錦だからおいしい」という日本酒特有の考え方には、固定観念が入っているんです。お酒のおいしさはきっと、原材料を作る生産者から始まっていて、その要素をブランドとして打ち出していけるかが、これからの日本酒の6次化の次のステージだと考えています。
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イケマコが「スマート米」の6次産業化で生み出した「スマート日本酒」は、“小さな農地”を地域へ還元していくというスタイルと、日本酒自体の差別化と付加価値を新たな時代へ導くアイデアの組み合わせで生まれた新しい取り組みだ。
オプティムの技術とイケマコの発想により米の販売・活用方法の固定観念を打ち壊した「スマート日本酒」。今後の展開に期待が膨らむ。
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日本酒 - イケマコ
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