井関農機、4社の生育管理・診断サービスの取り扱いを開始

井関農機株式会社は、ベジタリア株式会社、積水化学工業株式会社、株式会社スカイマティクス、国際航業株式会社の4社が取り扱う生育管理・生育診断商品の提供を開始する。

井関農機はこれまで、業界初の可変施肥田植機の市場投入や作業・機械管理システム「アグリサポート」「スマートファーマーズサポート」の提供のほか、農業ICTツール「アグリノート」(ウォーターセル株式会社)との機械連携など他社商品との連携にも取り組んできた。

今回、これらの展開に加え、各企業が取り扱う生育診断・生育管理商品の提供を開始することで、水稲作におけるスマート農業機械化一貫体系を提案していく。提供開始は2019年4月中を予定している。


■各サービス、商品の詳細

1. ベジタリア株式会社 「PaddyWatch(パディーウォッチ)」「FieldServer」「FieldCam」

水田センサー「PaddyWatch」は、水稲圃場の水位・水温を計測し遠隔からの監視が可能になり水管理の省力化効率化を図ることができる。
農業用センサリングシステム「FieldServer」は、気象計や土壌複合センサー、CO2センサー等栽培作物によってセンサーを付け替えることができ、栽培時期の予測や肥培管理、病害虫の発生予測等に役立てることができる。
乾電池式IoTカメラ「FieldCam」は、どこにでも簡単に設置できるIoTカメラを圃場に置くことで遠隔地からの育成を確認することができるとともに、赤外線センサーで鳥獣害の被害対策にも活用できる。


2. 積水化学工業株式会社 「水(み)まわりくん+エアダスバルブ」

水田水管理省力化システム「水まわりくん+エアダスバルブ」はパイプライン用の自動給水システム。自動で給水栓を開閉する事により、水田に行く回数を減らすことができるため、 大幅な水管理作業の省力化が実現する。
加えて、適切な水管理による米の品質向上効果や収穫量の増加、掛け流し防止による節水効果等が期待できる。主な特長として、開閉トルクの小さい「エアダスバルブ」との組合せによるコンパクト構造や、 タイマー型・リモコン型・遠隔操作型のラインアップがあり、コスト面や経営規模等の観点からお客様のニーズに沿った選択が可能。


3. 株式会社スカイマティクス 「いろは(IROHA)」

葉色解析クラウドサービス「いろは」は、葉色画像の診断・管理をインターネットを通じて簡単に行うことができるサービス。ドローンにより撮影された画像を「いろは」にアップロードすることで、圃場内の位置に合わせて自動的に配置、記録される。
また、クラウドサービス上に用意された生育診断機能を利用することで作物の生育状況や病気や害虫、雑草といった農地の状況などを画像ごとに記録することができる。毎日の葉色の確認を容易にし、きめ細かな生育管理を実現。
また、本サービスは、スカイマティクス社自身が開発する専用ドローンのほか、市販されたドローンにも対応している。


4. 国際航業株式会社 「天晴れ」

営農支援サービス「天晴れ」は、人工衛星やドローンから撮影した圃場の画像を解析し、 農作物の生育状況を診断してお知らせするサービス。
食味を左右するたんぱく含有率や籾水分率等の知りたい情報を刈り取り前に把握でき、品質ごとの刈分けや最適な刈り取り時期の設定が可能になるとともに、農作業時間、コストの低減につなげることが期待できる。さらに、籾水分率の情報を活用することで胴割れ軽減など品質の維持・向上を図る。
衛星等のデータを用いるため初期投資不要(サービス利用分のみ)。依頼したタイミングの適期にデータを入手することができる。

<参考URL>
井関農機株式会社

葉色解析サービス「いろは」、年額1万2000円の新料金でより使いやすく | 農業とITの未来メディア「SMART AGRI(スマートアグリ)」
SHARE

最新の記事をFacebook・メールで
簡単に読むことが出来ます。

RANKING

WRITER LIST

  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、九州某県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方で、韓国語を独学で習得する(韓国語能力試験6級取得)。2023年に独立し、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサル等を行う一方、自身も韓国農業資材を輸入するビジネスを準備中。HP:https://sinkankokunogyo.blog/
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 堀口泰子
    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
パックごはん定期便