岡山県岡山市でぶどうの品種改良・栽培を行う株式会社林ぶどう研究所は、株式会社シティーデジタルと共同で、今期収穫されたオリジナルブランド「マスカットジパング」のDNA情報とブロックチェーンを活用した、育種の収益還元システムの構築に向けた実証実験を2024年8月8日から開始した。

品種改良・栽培から消費者に届くまでの取引全体の透明化を目指す

株式会社林ぶどう研究所は、岡山市北区津高にて100種類以上のぶどうを栽培するぶどう農家。100年以上続く林農園の4代目で、栽培だけでなく品種改良も手がけている。

株式会社シティーデジタルは、テクノロジーとビジネスを融合させ、新しい価値を生み出すことを目指すデジタル総合商社。戦略コンサルティングのほか、顧客価値の再定義や施策の実行支援などの強みを持ち、大手法人のDX支援から共同での新規事業開発などを手がけている。

通常、品種開発によって新しい品種が生まれるまでには約10年かかると言われている。しかし、開発者に十分な収益還元がされているとは言えず、さらに品種の盗難や不正栽培の横行などが問題となっていた。これらの問題は、業界全体の課題となっているにも関わらず、長年に渡り明確な解決策が提示できていなかったという。

そこで林ぶどう研究所とシティーデジタルは、テクノロジーを活用して現状を改善できないか議論を進め、共同特許出願と実証実験を実施することになった。


実証実験では、林ぶどう研究所のオリジナル品種「マスカットジパング」のDNAや栽培者などの複数の情報をブロックチェーンに紐づけ、最終消費者が読み取れるRFIDに記録して届ける事で、品種改良・栽培・収穫・配送までのバリューチェーンを接続して透明化する事にチャレンジしている。

これにより、消費者が安心して果樹を購入できるとともに、違法栽培・販売等のブランド毀損を撲滅してブランド価値を向上させる事を目指すという。

また、これらの取り組みは、林ぶどう研究所とシティーデジタルが共同で特許出願しているシステム構築を実現するための第一歩となる。



林ぶどう研究所とシティーデジタルは、今回の取り組みを通じて得られた知見をもとに、日本で生まれたオリジナル品種の価値が守られ、品種開発に対して収益が還元される世界が実現できるまでチャレンジを続けていくとしている。


株式会社林ぶどう研究所
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株式会社シティーデジタル
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