用語辞典

買付集荷(かいつけしゅうか)

買付集荷とは、卸売業者が生産者から生産物を買い付けて集荷すること。この方法では、生産物の価格は卸売業者との交渉により決定し、市場での価格は卸売業者が決定する。ちなみに、卸売業者が生産者から販売委託を受けて集荷することを「委託集荷」という。

改良普及員(かいりょうふきゅういん)

改良普及員は、2004年まで実施されていた国と都道府県の公務員として、農業経営の改善や科学技術の知識の普及などを担う者。現在は「普及指導員」という名称になっている。

化学肥料(かがくひりょう)

化学肥料とは、窒素・リン酸・カリウムのうち1種類以上を含む化学的合成された肥料のこと。例として、硫酸アンモニウム、尿素、過リン酸石灰などがある。

カラーチャート(からーちゃーと)

カラーチャートとは、主に果実のように成長に伴い色が変化する農作物の熟度や収穫時期を判定するための色の指標のこと。誰もが同じように見た目の色によって熟度を一般的な尺度として判別できることで、品質の安定化や向上に役立てられる。気温や高度、産地などによっても色の変化の時期などが異なるため、都道府県や地方単位のカラーチャートが販売されていることもある。

かんしょ(かんしょ)

かんしょとは、さつまいもの別名。漢字では「甘藷」と書く。食用となるさつまいもだけでなく、さつまいもを原料としたでんぷん「甘藷澱粉」は、甘い飲み物などで用いられる「ぶどう糖」や「水あめ」などの甘味料としても活用されている。

カーボンニュートラル(かーぼんにゅーとらる)

カーボンニュートラルとは、二酸化炭素(炭酸ガス)などの温室効果ガスの排出量と、植物の光合成などによる吸収量を、差し引きゼロにする活動や取り組みのこと。植林などの吸収量を増やす活動によって排出を認めるだけでなく、排出量の抑制も同時に取り組むことが重要とされている。

画像解析技術(がぞうかいせきぎじゅつ)

画像解析技術とは、カメラなどで撮影した画像データを、色や形状などから解析する技術のこと。人間の目視による分析もあるが、特にスマート農業では、AI(人工知能)を用いて害虫や生育状況などを分析する技術として活用が期待されている。

合筆(がっぴつ)

土地登記簿において、隣接するいくつかの土地を合併してひとつの土地とすること。ひとつの土地の単位を「筆」と呼び、まとまったひとつの土地を「一筆」と呼ぶ。畑などの農地の場合も同様。

GAP(ぎゃっぷ)

GAPとは、「Good Agricultural Practices」の略。GAPの日本語は「農業生産管理工程」。農業生産者が農作物の安全性や労働環境、環境への配慮などについて、第三者による認証を受けて初めて取得できる。2017年現在世界で約18万4900経営体、日本では480経営体が取得しており、年々増加傾向にある。

クラウド(くらうど)

クラウドとは、インターネット経由であらゆるアプリケーションやデータにアクセスできるサービスのこと。データの共有や複数デバイスからのアクセスが可能になる。農業においては、栽培ノウハウの共有などに活用されている。

クラウドファンディング(くらうどふぁんでぃんぐ)

クラウドファンディングとは、インターネットを通して財源の提供を呼びかける仕組み。英語はCrowdfunding。基本的には目標となる金額を設定し、その額に到達しない場合は実施できないが、目標金額に達していなくても実施するものなど様々なサービスがある。出資の方法には、金銭もしくは物品の見返りがあるタイプもあり、この場合は実質的にはその商品を購入する契約と同様。農業の場合は、特別なプロジェクトのほか、契約栽培的に実施するクラウドファンディングも登場している。

CRISPR/Cas9(くりすぱーきゃすないん)

CRISPR/Cas9とは、ゲノム配列のうち、任意の場所を削除/置換/挿入などすることができるゲノム編集ツールのひとつ。正式名称は、「Clustered Regularly Interspaced Short Palindromic Repeats CRISPR-AssociatedProteins 9」。

グローバルGAP(ぐろーばるぎゃっぷ)

グローバルGAPとは、「Global Good Agricultural Practices」の略。GAPの日本語は「農業生産管理工程」。農業生産者が農作物の安全性や労働環境、環境への配慮などについて、第三者による認証を受けて初めて取得できる。2017年現在世界で約18万4900経営体、日本では480経営体が取得しており、年々増加傾向にある。

KSAS(けいさす)

KSASとは、クボタが開発したクラウドを活用する営農・サービス支援システム。クボタ製農機だけでなく、他社製品とも連携しながら、データ駆動型の農業を実現できる。

契約栽培(けいやくさいばい)

契約栽培とは、消費者と農業従事者が特定の契約を結び、契約内容に応じて作物を育て、収穫し、消費者に届けること。個々の農家のほか、法人との契約、ネット通販の仕組みを用いた登録制のサービスなどもある。

ゲノム(げのむ)

ゲノムとは、DNAの中にある遺伝情報のこと。語源はドイツ語。その遺伝情報を知ることで、遺伝的な特性を改名したり、特質や病気の原因などを解明できると言われている。

高設栽培(こうせつさいばい)

高設栽培とは、設備などを用いて地面から1mほどの高い位置で栽培する、主に施設園芸で用いられる方法のこと。土と養液による栽培により、収穫時期を伸ばせるなどのメリットがあり、イチゴの観光農園などで用いられるケースが多い。

国際植物防疫年(こくさいしょくぶつぼうえきねん)

国際植物防疫年とは、2018年の国連総会において採択された、植物病害虫のまん延防止に向けた取組の重要性に対する世界的な認識を高めるためのキャンペーン。世界の食料の80%が植物由来であり、その20〜40%が受けている病虫害の蔓延防止に向けた取り組みをPRしている。日本でも病害虫のほか、種や苗の輸出入、虫などの移動について、注意喚起されている。

国連食糧農業機関(こくれんしょくりょうのうぎょうきかん)

国連食糧農業機関とは、世界各国の食糧生産の改善、生活および栄養水準の向上等を目的とした国際連合の専門機関のひとつ。英語名は「Food and Agriculture Organization」で、略称は「FAO」。1945年に設立され、日本は1951年に加盟。2018年現在世界194カ国とEUが加盟している。

固形培地(こけいばいち)

固形培地とは、養液栽培などで土壌の代わりに用いられる、農作物を育てるために栄養を供給する土台のこと。ロックウール、ピートモス、バーミキュライトといった石や植物の繊維などが使われることが多い。

米騒動(こめそうどう)

米騒動とは、米の流通量の減少やそれにともなう価格高騰が起き、一般市民が米を入手しづらくなったことで起きる暴動のこと。主なきっかけは天候不順や天災などによる凶作、政治的な米の価格上昇など。特に日本は米が主食のため、米の収穫量や価格が低所得層を中心に大打撃をもたらし、歴史的にも幾度も米騒動が起きている。

コントラクター(こんとらくたー)

コントラクターとは、契約を請け負って作業する会社や個人を指す言葉。英語の「contract」(請け負う)からきている。農業においては、「農作業受託業者」といった意味合いで、「農業コントラクター」や「コントラクター事業」のように使われる。

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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
  3. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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