初心者でも失敗知らず! 唐辛子の栽培方法【AGRI PICK連携企画 第8弾】

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そんな「AGRI PICK」さんとの連携企画第8弾となる今回は、「唐辛子の栽培方法」です。


唐辛子の栽培時期や冬越しの方法、収穫のタイミングに害虫対策など栽培のポイントを解説します。プランターや室内でも手軽にピリ辛スパイスが栽培できますよ。たくさんの種類から、好みの辛さの唐辛子を選んで栽培しましょう。

暑い国の野菜というイメージのある唐辛子ですが、日本でも容易に栽培できます。歴史は古く、江戸時代から栽培されているほどポピュラーな野菜なのです。暑い気候を好む性質があるため、猛暑でもしっかり収穫できます。ポイントを押さえてピリッと辛い唐辛子をたくさん収穫しましょう!


唐辛子の特徴と栽培時期


唐辛子は高い温度を好みます。若い株のうちに霜にあうと枯れてしまいます。苗作りの時期はまだ寒いため、温度管理に注意して栽培をスタートさせましょう。栽培カレンダーを確認し、準備が遅れないように気を付けて!

栽培カレンダー


連作障害
3~4年空ける

栽培適温
20~30℃

おすすめの唐辛子の種類

辛くないししとうから激辛のハバネロ、定番の鷹の爪や韓国唐辛子など、家庭菜園で育てやすい唐辛子の種類はさまざま。激辛マニアから辛いものが苦手な方まで、自分好みの辛さの品種が見つかるはずです。

唐辛子の冬越し

唐辛子は一年草と思われがちですが、冬の間、室内やビニールハウスで移植管理すれば、翌年も栽培可能です。一番果より上の部分を剪定し、茎部分を残しておけば、翌年脇芽が出てきます。


【畑編】唐辛子の栽培方法


珍しい品種の唐辛子はホームセンターの店頭にはあまり並びません。そのため、唐辛子は苗作りをしてから植え付けるのがおすすめです。晩秋まで栽培は可能ですが、種まきと植え付けが遅れると収量が落ちます。ポイントを押さえ、しっかり時期に合わせて栽培を進めましょう!

Step1. 苗作り


  1. 3.5号ポットを準備します。培養土を入れて種を3点まきし、水やりをしながら室温25℃前後で管理しましょう。
  2. 種まき後、1週間くらいすると発芽します。本葉が2~3枚になったら生育の良いものを1本だけ残して間引きしましょう。

Step2. 土作り


  1. 苗の植え付け2週間前までに1平方メートルあたり150gの苦土石灰をまき、土に混ぜ込みます。
  2. 苗の植え付け1週間前までに1平方メートルあたり3kgの堆肥と150gの化成肥料をまき、土に混ぜ込みます。
  3. 高さ10~15cm、畝幅60~70cmの畝を作成しましょう。
  4. 植え付けまでにマルチングをしておきます。

Step3. 苗の植え付け


根鉢に根が回って、本葉が3~6枚になったら苗を植え付けます。

  1. マルチカッターを使って穴を空けて、穴に水を並々と注ぎます。
  2. 水が完全に引いたら苗を穴に植えましょう。
  3. 隙間なく土をかけて軽く鎮圧します。畝と苗の土に高低差ができないようにしましょう。
  4. 水をたっぷり与えます。
  5. 仮支柱を斜めに刺して誘引し、風対策を行います。

突風予報の前にはあんどんを
苗を植え付けた直後に、強風が吹いて苗が折れてしまうなんてこともしばしばあります。突風の予報が出ている場合は、「あんどん」をするといいでしょう。90cmの支柱とビニール袋や肥料の空き袋で囲いをすれば苗を守ることができます。

活着後は水やりを控える
苗を植え付けて1週間ほどたつと、根が活着します。その後2週間は水やりを控えましょう。唐辛子の根は横に広がります。水を求めて深く根が張るように、あえて与えるのを控えましょう。

Step4. 3本仕立てにする


一番果ができたら早めに収穫します。一番果の主軸と側枝、下から生えている勢いがある側枝を1本残し、脇芽をすべて切ります。支柱を側枝と主軸に合わせて3本立てて誘引します。

Step5. 追肥を実施


実がつきはじめたら、2週間に1回追肥しましょう。

  1. マルチの間に穴を空けて肥料を土と混ぜ込みます。
  2. 1回あたり20~30g与えます。

【ワンポイント】
ししとうは肥料切れや水不足によってストレスを感じると唐辛子のように辛味が出てしまうことがあります。天候などを見ながら忘れずに手入れしてあげましょう。

Step6. 収穫


唐辛子は赤くなってから収穫しましょう。ししとうや甘長唐辛子は、小さなうちから収穫が可能です。あまり大きくなってしまうと株が弱る原因になるため、早めの収穫を心がけます。激辛唐辛子を収穫するときは、必ずビニール手袋やゴム手袋を着けて。

【ワンポイント】
ししとうや唐辛子は葉まで食べることができます。実以上にビタミンやカロテンが多いため、炒め物などに使うのがおすすめです。


【プランター編】唐辛子の栽培方法


プランターで唐辛子を栽培する際は、水切れと肥料不足に注意が必要です。特にししとうは、ストレスを感じると辛くなってしまいます。甘いはずのししとうを料理に使ったのに辛くて涙が……なんてことにならないように、水と肥料の管理を行いましょう。

Step1. 苗作り


  1. 3.5号ポットを準備します。培養土を入れて3点まきし、水やりをしながら室温25℃前後で管理しましょう。
  2. 種まき後、1週間くらいすると発芽します。本葉が1~3枚になったら生育の良いものを1本だけ残して間引きしましょう。

Step2. プランターを準備する


  1. 深さ20~30cm、直径30cmのプランターを準備します。
  2. 根腐れを防止するため鉢底石を底に敷き、野菜用培養土を縁から2cm下の高さまで入れます。
  3. 日当たりが良い場所に置きます。プランターの下にすのこなどを置いて風通しを良くしましょう。

Step3. 苗の植え付け


根鉢に根が回って、本葉が3~6枚になったら苗を植え付けます。

  1. バケツに水をくみ、苗を入れて十分に水を吸わせます。
  2. 苗と同じくらいの穴を空けて、穴に水を並々と注ぎます。
  3. 隙間なく土をかけて軽く鎮圧します。プランターの土と苗の土に高低差ができないようにしましょう。
  4. 水をたっぷり与えます。
  5. 仮支柱を刺して誘引し、風対策を行います。

Step4. 支柱立て


  1. 植え付け後、苗が成長してきたら、株を支えるように支柱を1本立てましょう。
  2. 主軸と支柱をしっかり麻ひもでしばります。

Step5. 追肥


実がつきはじめたら、2週間に1回追肥をします。肥料は1回あたり10g与え、しっかり土に混ぜ込みましょう。

Step6. 収穫


唐辛子は赤くなってから収穫しましょう。ししとうや甘長とうがらしは、小さなうちから収穫が可能です。あまり大きくなってしまうと株が弱る原因になるため、早めの収穫を心がけます。激辛唐辛子を収穫するときは、必ずビニール手袋やゴム手袋を着けて。

【ワンポイント】
ししとうや唐辛子は葉まで食べることができます。実以上にビタミンやカロテンが多いため、炒め物などに使うのがおすすめ。


主な害虫と病気


唐辛子は株が若い段階や、実が成熟してからも辛さが少ない間に食害にあうことがあります。害虫対策は余念なく。

アブラムシ
プランター栽培で株が若いうちは特に注意が必要です。繁殖力が強いアブラムシのこと、一度被害にあうと、気づいたら唐辛子が全滅…といった可能性もあります。見付け次第、すぐに駆除しましょう。

オオタバコガ
ナス科の野菜の天敵のオオタバコガの幼虫ですが、唐辛子も食害することがあります。実に穴が開いている場合は、幼虫が食害しています。ほかの実をよく見てフンが落ちてないか確認しましょう。オオタバコガは成虫になるまで移動しながら軟らかい実を食害するので、発見したらすぐに撃退してください。

モザイク病
アブラムシがウィルスを媒介する、伝染性の病気です。発症すると葉にモザイク状の斑が入り、多発すると株全体が委縮してしまいます。モザイク病は一旦かかってしまうと治療ができないため、感染しないよう予防に努めましょう。


実は漢方だった! 唐辛子で代謝アップ!?


江戸時代は漢方として扱われていた唐辛子。ビタミンも豊富なため、美容効果や代謝アップが期待できます。辛いものが苦手な人でも食べられる唐辛子を見つけてみてはいかがでしょうか? 冷凍したり乾燥させたりして保存すると、長く楽しめますよ。

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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
  3. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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