旬のなめこを自宅で育ててみよう! 栽培キットでカンタン収穫【AGRI PICK連携企画 第5弾】

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そんな「AGRI PICK」さんとの連携企画第5弾となる今回は、栽培キットで自宅で手軽に育てられる“なめこ”について。

「お家できのこを育ててみよう!」と思って調べると、ほとんどがしいたけ栽培。もちろんしいたけ栽培もいいけれど、ちょっと違うきのこも育てたい…そんな人はなめこを育ててみるのはいかがでしょうか? 実際に育てたレポート、そして栽培基礎知識などをお伝えします。

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なめこ栽培キットで育ててみた!栽培方法はとっても簡単

栽培キットを購入

通販でなめこの栽培キットを購入。ほかの種類のきのこも育てるため、3種類のセットを選びました。

到着


注文の翌々日、早速きのこの菌床が届きました。なめことあわせて、ブナシメジ、エリンギにもチャレンジしたため、3つ入っています。


なめこ栽培キットの内容は、菌床、赤玉土、栽培袋、説明書の4つ。菌床はおがくずなどになめこの菌を繁殖させたもので、原木より短期間で安定して育てることができます。

水や土をセットして栽培スタート!


届いたら、芽を出すための作業をします。まずは栽培ブロックの袋を切り開きます。


中のブロックはなめこの菌でいっぱい。特に表面は白く覆われています。水が染み込むように、この上の膜をかき取ります。


そこに水を注ぎ、30分置いて十分に染み込ませます。水道水でOK。30分後、残っている水を捨てます。水に浸ける前より少し栽培ブロックが重くなっています。


付属の赤玉土に水を入れて湿らせ、先ほど削った面を1~2cmの厚さに覆います。


栽培用の袋に入れて準備完了。表面の土が乾いてきたら霧吹きで湿らせます。

なかなか芽が出ない……


さて、毎日様子を見て湿らせていましたが、なかなか芽が出ません……。通常2~4週間で芽が出てくるとされていますが、1カ月近く経っても変化なし。しいたけやエリンギはあっという間に育ったので不安になってきます。何か失敗してしまった?

やっと芽が!


が、セットして34日後、赤玉土の間から頭を出しているものが。待ち望んだなめこの芽が出てきました。

ぐんぐん成長


芽が出ると、そこからの成長が早いのがきのこの特徴。翌日には数が増え……


その翌日にはもう収穫できるほどの大きさに。


こんなに大きくなりました。奥の方からはさらに新しいなめこも頭を出しています。

いよいよ収穫


いよいよ収穫!ナイフで根本から切り取っていきます。まだ芽は残っているため、引き続き収穫できそう。


今回の収穫では、大体1パック分くらいのなめこが採れました。赤玉土がついてしまっているので洗い流します。水に入れると、ほとんどの赤玉土は沈んでいくので簡単に取り除けます。

ちなみに、なめこの“ぬるぬる”には栄養が含まれるので、あまり洗いすぎない方がいいそうです。

自家製なめこのお味は?


自家製なめこ、気になるお味はどうなのでしょうか……? 採れたなめこを早速食べてみました。

味は市販のなめことほとんど変わりないですが、少し土っぽい感じ。新鮮なせいか、食感は普段食べているなめこよりシャキシャキとして食べ応えがあり、おいしかったです。

なめこ栽培の基礎知識|栽培時期や期間


さて、やってみたくなってきた人のために、なめこ栽培の基礎知識を書いておきますね。

原木栽培と菌床栽培って何が違うの?

原木栽培では、伐採した木などに直接なめこ菌を繁殖させます。一方、菌床栽培では木を細かくしておがくずにし、そこに栄養となる糠などを混ぜたものになめこ菌を繁殖させます。

菌床栽培は菌の育つスピードが速く、かつ安定して栽培できます。原木栽培のなめこは、より風味が良いという利点があります。

栽培に向く時期・温度

なめこが自然に育つピークは10~11月。菌床栽培の場合も、秋~初春の涼しい時期が合っています。芽を出すためには、10~15℃を確保でき、夜間の温度が10℃以下の環境が好ましいとされています。

栽培に必要な期間


栽培キットを使う場合、開始から通常2~4週間で芽が出て、芽が出てからは1週間程度で収穫できるとあります。ただし、適正な条件が揃わないと発芽せず、キットを育てた人の中には3カ月かかった人や、半年かかったという人も。

適した場所

直射日光が当たらない、涼しい場所が栽培に向いています。また、湿度は85%以上が好ましいため、乾燥しにくい場所に置きましょう。

なめこはのんびり派にぴったり

しいたけやエリンギに比べ、なめこは発生までに時間がかかります。その分、一度収穫した後も続いて発生し長く楽しめるので、ワンシーズンしっかり楽しみたい人におすすめです。

収穫量や驚きはほかのきのこほどではありませんが、なんといっても見た目がかわいい! 土の間から頭を出した姿は小さく透き通って愛らしいです。

ペット感覚で育てられる、なめこ栽培に挑戦してみてはいかがでしょうか。


森産業 「きのこ栽培塾」
『キノコ栽培全科』(農山漁村文化協会)

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  1. 加藤拓
    加藤拓
    筑波大学大学院生命環境科学研究科にて博士課程を修了。在学時、火山噴火後に徐々に森が形成されていくにつれて土壌がどうやってできてくるのかについて研究し、修了後は茨城県農業総合センター農業研究所、帯広畜産大学での研究を経て、神戸大学、東京農業大学へ。農業を行う上で土壌をいかに科学的根拠に基づいて持続的に利用できるかに関心を持って研究を行っている。
  2. 槇 紗加
    槇 紗加
    1998年生まれ。日本女子大卒。レモン農家になるため、大学卒業直前に小田原に移住し修行を始める。在学中は、食べチョクなど数社でマーケティングや営業を経験。その経験を活かして、農園のHPを作ったりオンライン販売を強化したりしています。将来は、レモンサワー農園を開きたい。
  3. 沖貴雄
    沖貴雄
    1991年広島県安芸太田町生まれ。広島県立農業技術大学校卒業後、県内外の農家にて研修を受ける。2014年に安芸太田町で就農し2018年から合同会社穴ファームOKIを経営。ほうれんそうを主軸にスイートコーン、白菜、キャベツを生産。記録を分析し効率の良い経営を模索中。食卓にわくわくを地域にウハウハを目指し明るい農園をつくりたい。
  4. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  5. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
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