冬になると甘味を増す大根、葉まで丸ごと保存する方法とは?【AGRI PICK連携企画 第6弾】

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そんな「AGRI PICK」さんとの連携企画第6弾となる今回は、冬になると食べたくなる“大根”の保存方法について。

丸ごと1本で売られていることも多い大根。1回で使い切るのは難しいし、なるべく長く美味しく味わいたい…そんな人はぜひ参考にしてくださいね。


冬野菜のおいしい季節になりました。

冬野菜の代表ともいえるのが、煮物からサラダ、漬物までさまざまな料理に使える大根。ただ、サイズが大きく、新鮮なまま全部使い切る自信がないという悩みも起こりがちなのではないでしょうか。そこでこの記事では、大根をおいしく長持ちさせる保存方法をご紹介します。


まずは基本!大根を保存する前に


大根は縦に置く

大根の保存の基本は、立てて保存するということ。大根は土中で縦に成長する野菜なので、横に寝かせてしまうと縦に起き上がろうとエネルギーを使い、その際に水分や糖分を浪費して早くしおれてしまうのです。後ほど詳しく説明しますが、冷蔵庫で保存する場合は、立てて入れられる長さに切り分けましょう。

大根の葉は切り落とす

大根は、葉の部分を切り落としてから保存しましょう。そのままにしておくと、葉が大根の栄養分を吸収してしまい、しなびてしまう原因になります。葉の部分もおいしく食べられるので、捨てずに活用しましょう!大根の葉の保存方法も、後で紹介しますので参考にしてみてください。


大根の保存方法と保存期間


大根の保存方法には、「常温」「冷蔵」「冷凍」「干す(乾燥)」などがあります。

大根は一年を通して店頭に並んでいる野菜ではありますが、本来の主な収穫時期は、春・秋~冬の期間です。そのため大根を保存するには、0~5℃位が最適な温度とされています。その点で考えると、冷蔵庫の野菜室または冷蔵室が大根を保存するにはベストな環境といえるでしょう。

大根の保存方法別・保存期間の目安

それぞれの保存方法によって、その期間の目安は変化します。

常温(冬場)の場合は2週間、冷蔵・冷凍では2週間、土の中で保存する場合は6カ月、乾燥させた場合は6カ月~1年となります。保存期間を守って、最後まで美味しく大根をいただきましょう。

大根の保存方法その1|常温


大根はあまり常温保存には向いていませんが、気温の下がる冬場であれば冷暗所での保存は可能です。水分が蒸発しないよう、湿らせた新聞紙で大根を包み、立てて置いておきましょう。常温保存は冬の間で2週間ほどが目安です。


大根の保存方法その2|冷蔵庫

大根を冷蔵庫で保存する方法をステップごとにご紹介します。夏場など気温が高い時期は、大根がしなびてしまう前に冷蔵庫へ。

Step1. 3つのパーツに切り分ける


まずは大根を首(葉元)、中間、先端部分の3つに切り分けます。

首(葉元)部分
甘味が強い首部分は、サラダや漬物に最適。

中間部分
やわらかく、甘味と辛みのバランスがとれた中間部分は幅広い料理に使えます。

先端部分
辛みが強い先端部分は、大根おろしにおすすめです。

Step2. 新聞紙で包む

大根を切り分けたら、それぞれのパーツを新聞紙やキッチンペーパーで包みましょう。こうすることで、大根の水分が蒸発するのを防ぎます。ラップでくるむのもおすすめです。

Step3. 保存袋に入れて冷蔵庫へ


新聞紙などで包んだ大根は、保存袋またはポリ袋に入れて、冷蔵庫の野菜室または冷蔵室で保存しましょう。保存期間の目安は、約2週間です。


大根の保存方法その3|冷凍

大根は冷凍保存もOK。冷凍すると大根の繊維が壊れるため、下ゆでをしなくても味が染みやすくなるというメリットも。カットしておけば、時短料理の手助けにもなります。約1カ月を目安に使い切りましょう。

使いやすい大きさにカット


大根はあらかじめカットしてから冷凍しましょう。カットの仕方は、料理に使いやすいイチョウ切りや厚めの輪切りがおすすめです。イチョウ切りは味噌汁の具や炒め物に、輪切りは煮物やおでんにどうぞ。

おろしにしてもOK!


手間のかかる大根おろしは、まとめて作って冷凍保存しておきましょう。ラップで小分けにしてから、保存袋に入れて冷凍しておくと使いやすいですよ。袋は平らに寝かせて冷凍します。


収穫した土付き大根の保存方法は?


土は落とさないで!

土付きの大根は、洗わずにそのまま保存してください。土が大根を温度や湿度の変化から守ってくれます。湿らせた新聞紙でくるんだら、土で周囲が汚れないように袋に入れて保存します。

大量の大根は土の中や雪の下に


土の中で保存

家庭菜園で育てた大量の大根、保存する場所がないと困ってしまいますよね。そんなときには、土の中に埋めて保存!根菜である大根ならではの方法です。

大根を縦にできる深さまで穴を掘ったら、葉を切った大根を入れ、土をかぶせます。このとき大根同士が重ならないようにしてください。秋冬に収穫されたものであれば、約6カ月もの長期保存が可能です。

雪の下で保存

雪の積もる地方なら、大根を雪に埋めて保存するという方法もあります。雪の下は温度が一定で凍らず適度な水分もあるため、昔から雪国ではニンジンや大根をこの方法で保存してきました。市場でも、甘みが凝縮されておいしい「雪下野菜」「越冬野菜」として出回っています。


捨てるなんてもったいない!大根の葉の保存方法


大根の葉は、実は白い根の部分より栄養があるって知っていましたか? ビタミンA、ビタミンC、カルシウムなどは、葉のほうが多く含まれているのです。そんなすてきな食材を、捨てるなんてもったいないですよね。葉の部分も保存して、料理に活用しましょう!

大根の葉の保存方法

冷蔵保存の場合
葉の部分を切り離したら、切り口が乾燥しないようにラップかキッチンペーパーで包んでポリ袋へ入れ、冷蔵庫の野菜室へ。根の部分と同じく立てて保存しましょう。または、塩ゆでしてから水気を絞り、タッパーか保存用袋に入れて冷蔵するのもおすすめです。冷蔵では2~3日ほどしか持たないので、早めに使ってください。

冷凍保存の場合
冷凍する場合は、大根の葉を塩ゆでして粗熱を取り、余分な水分をキッチンペーパーで吸い取ります。あとは料理しやすい大きさにカットし、保存袋に入れて冷凍してください。料理に使う1回分ずつの量をラップで小分けにすると便利ですよ。冷凍での保存目安は1カ月ほどです。


切り干し大根や漬物にするのも◯

昔ながらの大根の保存食といえば、切り干し大根。長期の保存には最も適した方法といえるでしょう。

そのほか、大根は漬物にして保存するのもおすすめです。
賞味期限は製法にもよりますが、浅漬けでは数日から1週間程度、干し大根で作ったたくあんは1年ほどが目安になります。


賢く保存して大根を丸ごと使い切ろう!


大根は、上手に保存すれば長く使える優秀な食材。賢く保存して、丸まる一本最後まで使い切りましょう!

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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
  3. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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