新米をおいしく炊くコツは?ごはんソムリエが教える新米の炊き方&保存方法

料理研究家でごはんソムリエの秋元です。この連載ではお米をおいしく食べるために“知っておくと役に立つお話”やレシピをお伝えします。

過ごしやすい陽気となり、店頭では秋の味覚が次々と並びはじめましたね。

毎月、お米のお話やレシピの紹介をさせていただいていますが、お米にとっては一番注目が集まる「新米」の季節が、ついにやってまいりました! これから10月にかけて、各地の新米が続々登場します。

今回はお米の基本知識をもう一度おさらいしますので、ぜひお米本来のおいしさを感じてみてください。


新米がおいしい理由

いつでも手に入れることができるお米ですが、収穫することができるのは年に1回。収穫後まもない新米は、細胞の壁がまだ硬くなっていないため、軟化するのも早くふっくらと炊き上がります。

酵素の働きも活発なことから、炊飯時にでんぷんやたんぱく質の分解がしっかり行われ、旨みや甘みも強く感じられるのです。

お米の洗い方と炊き方のポイント

1.まずお米はきちんと計量しましょう。

2.お水を一気に入れ、鍋底からサッとかき混ぜ、最初の水はすぐに捨てます。

3.次に水を少量入れ、指を軽く立てて5〜6回かき混ぜ、再びたっぷりと水を入れてサッとかき混ぜ、水を捨てます。(これを4〜5回繰り返す)

4.ザルに上げて、水切りをする。(3分以内)

5.通常通りの水加減で炊飯する。

ここでのポイントは4つ
・香りや旨みも流れてしまうため、水が澄むまで洗ったり、替える必要はありません。

・乾燥によってお米が割れてしまうため、ザルに上げて長時間置いてはいけません。

・乾燥技術が向上しているため、新米の水加減を一律に減らす必要はありません。

低温でじっくり浸水させてから炊飯すると、さらにおいしくいただけます。(その後、炊飯器を利用する場合には、浸水時間を省いた早炊きで炊飯しましょう)

新米を保存する方法


お米は「高温・多湿・臭い」により劣化していきます。高温になると虫が発生したり、酵素の働きも弱まる他、湿気でカビが生えたり、他の臭いを吸着してしまうため、15度以下の冷暗所や冷蔵庫の野菜室で保存することが大切です。

購入時に入っている米袋のまま保存するのもNG。米袋は重ねた時にパンクを防ぐための小さな穴が開いているため、空気に触れにくい保存容器や袋に入れ替えましょう。

また、涼しい場所と暖かい室内を何度も出し入れする必要がない、小袋に分けて保存するのがベストです。

炊いたお米をおいしく保存するには?


炊飯器の機能も向上し、蒸気をあてながら長時間ふっくら保温できるようなものもありますが、通常、炊き上がったごはんはツヤツヤの状態で薄く広げて一気に冷凍するのがおいしく保存するポイントになります。

ラップに薄く広げて包んだり、薄型の保存容器を利用して時間をかけずに冷凍することで、でんぷんの老化を防ぐことができます。

ここまで、お教えしたコツを生かして、ぜひ新米を楽しんでくださいね。


■新米もいよいよ登場、安心・おいしい「スマート米」

全国各地のこだわりの農家さんと、スマート農業でお米づくりをしている「スマート米」は、先進のIT技術を利用し、農薬や肥料の使用量を最小限に抑えて育てたお米です。特別栽培米残留農薬不検出のお米も。各地のおいしい銘柄をラインナップしています。白米と同じように手軽に炊ける無洗米玄米もあります。お求めはスマート米オンラインショップ SMART AGRI FOOD  からどうぞ。

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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  3. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
  4. 鈴木かゆ
    鈴木かゆ
    1993年生まれ、お粥研究家。「おかゆ好き?嫌い?」の問いを「どのおかゆが好き?」に変えるべく活動中。お粥の研究サイト「おかゆワールド.com」運営。各種SNS、メディアにてお粥レシピ/レポ/歴史/文化などを発信中。JAPAN MENSA会員。
  5. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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