雑穀や古代米は健康にいいの? 玄米との違いは?【お米選びの基礎知識】

料理研究家でごはんソムリエの秋元です。この連載ではお米をおいしく食べるために“知っておくと役に立つお話”やレシピをお伝えします。

健康志向も高まり、近年さまざまなお米が手に入るようになりました。なんとなくわかっているけれど、実はよく知らないものもいくつかあるのではないでしょうか。

そこで、今回はお米全般の種類について簡単にご説明したいと思います。きちんと知ることで、自分に必要なお米を選ぶことができるようになりますよ。


雑穀米


飲食店やお弁当屋さんなどで「白米か雑穀米を選べます」と説明されることはありませんか? そもそも雑穀とは、米、小麦、トウモロコシの主要穀類以外の穀類のことを指し、アワ、ヒエ、ハトムギ、アマランサスなどがそれにあたります。

そして、その雑穀と白米を合わせたものが雑穀米。雑穀には、ビタミンやミネラル、食物繊維が白米の3倍ほど含まれているため、健康食としても定番になりつつあります。

加えて、雑穀にはお米と同様にモチモチとした食感のもち種があるため、初めて購入する方は「もちあわ」などのもち種、食べやすい種類をブレンドした「五穀米」などの商品をおすすめします。

古代米


古代米とは、正式に品種の範囲が決められているものではなく、商品名として使われているもので、玄米の表皮に色素が含まれている「赤米」や「紫黒米」、またそれをブレンドしたものに利用されています。

赤米にはタンニン系の色素、紫黒米にはアントシアニンという色素が含まれ、いずれも抗酸化性があります。炊飯すると色素がごはん全体に渡るため、白米に少量加えるだけで薄い朱色や紫色の華やかな見た目になります。そのため、お弁当や海苔巻きの彩りとしてもおすすめです。

玄米


玄米とは、稲穂に実ったもみを収穫した後、もみ殻を取り除いたものを言います。玄米を精米したものが白米になりますが、取り除かれる部分はぬか層といわれる果皮、種皮、アリューロン層と胚芽で、これがお馴染みの「米ぬか」というわけです。

表皮は硬く、水の吸収を邪魔するため、しっかり浸水させたり、玄米炊飯モードのある炊飯器、圧力鍋を利用するなど少し手間がかかりますが、食物繊維、脂質、ビタミン、ミネラルを主食から摂取することができます。最近では、外食や中食、パックごはんなど、取り扱いも増えてきているので「今日は玄米にしてみよう」と気軽に取り入れてみてはいかがでしょうか。


発芽玄米


発芽玄米とは、文字通り玄米を発芽させたお米のことです。発芽時には水に浸けているため細胞壁もやわらかくなり、玄米の表皮を破って発芽していることから炊飯器の白米モードで普通に炊くことができるのが大きな特徴です。

加えて、発芽時には胚芽に栄養成分を供給するようになるため、栄養価はさらに高くなっています。中でもグルタミン酸が分解されて出てくる「GABA」は高血圧を防いだり、脳の血流をよくする効果があると注目されています。

胚芽米


胚芽米とは、特殊な精米機で胚芽を80%以上残るように精米したお米のことです。白米のご飯粒をみてみると、少しくぼんでいるところがあるのをご存知ですか? 胚芽は元々そこにくっついて、主に脂質やビタミン、ミネラルが含まれています。

中でもビタミンB1は白米の約3倍。胚芽だけを残した商品の他、巨大胚芽米という胚芽部分が通常のお米の3倍という商品もあり、それを使用したおにぎりなどもコンビニエンスストアで販売されています。

分づき米


分づき米とは、玄米のぬか層を残しながら精米したお米で、3分づきなら玄米を3割削った状態、7分づき米なら玄米を7割削った状態を言います。

購入する時に、7分づきが玄米が7割と勘違いしてしまいそうですが、全体的には、

玄米>3分づき>5分づき>7分づき>白米

という構図にはなります。玄米をまだ食べ慣れない方や胃腸に負担をかけたくないという方は、白米に近い7分づきをおすすめします。

加工玄米


加工玄米とは、栄養価の高い玄米の機能成分はそのままに、玄米を炊きやすく加工したものです。高圧をかけたり、最も硬い部分のみを取り除いたりすることで、吸水性を高めて炊きやすくしています。玄米を長時間水に浸す必要もなく、炊飯器の普通モードでふっくらと炊き上がるのが特徴の比較的新しい玄米です。


白米や玄米だけでなくさまざまな種類があるお米。栄養価や炊きやすさなど、次からのお米選びにぜひ活かしてみてくださいね。


■玄米食を手軽に続けたいなら「加工玄米」を選ぼう!


玄米ごはんを手軽に続けたい方や玄米初心者の方は、「加工玄米」がおすすめ。
スマート米の「無洗米玄米」は、玄米の栄養価はほとんどそのままに、炊飯器の白米モードで簡単に炊ける加工玄米です。

また、玄米を食べる時に農薬が気になる方もいるかもしれません。その点、「スマート米」は、全国各地のこだわりの農家さんと共にAI・ドローンなどのスマート農業を活用し、農薬の使用量を抑えています。「無洗米玄米」も安心してお召し上がりいただけます。

玄米の状態で第三者機関の検査により「残留農薬不検出」と証明されたお米、農林水産省ガイドライン「節減対象農薬50%以下」のお米、そして「特別栽培米」もお選びいただくことができます。

お求めはスマート米オンラインショップ SMART AGRI FOOD  からどうぞ。

SHARE

最新の記事をFacebook・メールで
簡単に読むことが出来ます。

RANKING

WRITER LIST

  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
  3. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
パックごはん定期便