【管理栄養士が教える】ダイエットや健康増進に活用したいお米のチカラ

管理栄養士の大槻万須美です。

「お米って太るんじゃない?」栄養相談でよく聞かれます。そんな時にはこう答えています。

「いえいえ、そんなことはありません。食べる量や食べ方を工夫すれば、お米はむしろダイエットにおすすめの食材なんですよ」

お米はすばらしいパワーを秘めています。ダイエットだけでなく、健康のためにもなぜお米をおすすめするのかお伝えしましょう。


お米に含まれる栄養素


お米にはさまざまな栄養素が含まれています。そこには、お米が長い年月の間主食として日本人に親しまれてきた理由が隠されています。

でんぷん:ブドウ糖に分解されてエネルギー源となります。でんぷんは糖の中でも血糖値が比較的上がりにくいといわれています。

レジスタントスターチ(難消化性デンプン):体内で食物繊維と同じ働きをします。

たんぱく質:お米には意外にもたんぱく質が多く含まれています。ごはん茶碗1杯(150g)でおよそ卵1/2個分のたんぱく質を摂ることができます。

その他、食物繊維・カルシウム・鉄分・マグネシウム・ビタミンB群なども含まれており、毎日毎食食べるものだからこそ、食事全体の栄養価を高める役割が期待できるのです。

また、パン、麺類、オートミールなど他の炭水化物食品と比較すると、

・製造過程で塩分や脂質を使わない
・いろいろな料理や食品に合わせやすい
・よく噛んで食べることができる
・アレルギーを起こしにくい
・消化吸収率が高い

などの利点があり、毎日の主食として優れた食品であるといえます。

お米はダイエットに適した食材


お米がダイエットに最適と言われるにはいくつかの理由があります。

血糖値の上昇がゆるやか


お米に含まれている糖(でんぷん)は、果物やはちみつ、砂糖に含まれている糖類に比べてゆっくりと分解されるため、おだやかに血糖値を上げるといわれています。

満腹感を感じやすい


ごはんは、食物繊維と水分を豊富に含んでいるうえ、よく噛んでいくうちに甘みを感じて満足感が出るため、満腹感を感じやすいです。

便秘予防


ダイエットの悩みの一つである便秘は、ごはんを食べることでもある程度予防できると考えられます。

不足しがちな食物繊維や水分が摂れることに加え、よく噛むことで胃腸の負担を減らし、腸の働きが良くなることが理由として挙げられます。

リバウンドしにくい


炭水化物抜きなどのバランスを欠いた食生活は継続しづらい上、糖質制限をしたために血糖値がかえって上がりやすい体質になることも。

炭水化物を適量食べることで、ついついお菓子を食べてしまうという失敗も少なくなります。

ごはんは自分の状態に合わせて食べる量を調節しやすく、極端な糖質制限を避けることができます。

エネルギーをしっかりと摂って動ける身体に


効率的なダイエットに運動は必要不可欠。ブドウ糖は脳や赤血球の安定的なエネルギー源でもあるため、糖質制限を続けるとめまいやふらつきなどの症状が出てしまうことがあります。

ごはんをはじめとする炭水化物は、体内で消化されてブドウ糖になり、活動のためのエネルギー源となります。同じエネルギー源である脂質やたんぱく質に比べ、炭水化物はより早く利用されやすく、消化吸収の際に身体に負担がかかりにくいという特徴があります。


健康のためのおすすめのお米の食べ方


和洋中どんな料理にも合う点が、お米の大きな魅力の一つです。

お米にはさまざまな銘柄があり、炊き方によってもそのおいしさが変化するので、特に新米のころには、ついごはんを食べすぎてしまったということもありますよね。

前述の通り、お米はダイエットに適した食材であるものの、もちろん食べ過ぎてしまえば太りますし、そこから生活習慣病につながってしまうこともあります。

健康的にお米を食べるために工夫したいポイントをご紹介します。

・食物繊維の多い野菜や海藻・きのこ類を先に食べる
・ゆっくりとよく噛んで食べる
・野菜、たんぱく質などもバランスよく食べ、ごはんを主役にしない
・自分に合ったごはんの量を知る
・雑穀米や玄米を加えて、ビタミン・ミネラル・食物繊維を強化する

食物繊維の多い野菜や海藻・きのこ類を先に食べたり、よく噛んでゆっくりと食事をすることで、血糖値の上昇をゆるやかにすることができるといわれています。

厚生労働省の食事バランスガイドを参考にすると、一日のごはんの目安量は、普通盛のお茶碗3.5~4.5杯分程度。性別、年齢、身体活動量によって異なるため、個人レベルで調整が必要となります。

今より増やす・減らすにしても、大幅な増減は避けるようにし、身体の調子を見ながら少しずつ変化させていくことがポイントです。

お米パワーのお話はいかがでしたか? 糖質が気になる方でも、お米を全く食べないのではなく、適量にしたり、食べ方を工夫して、お米のパワーを活用し、健康づくりの強い味方にしたいですね。

日本食品標準成分表2020年版(八訂):文部科学省
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_01110.html
「食事バランスガイド」について|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/eiyou-syokuji.html

大槻万須美
管理栄養士・フードスタイリスト。楽しく食べて健康に。食の大切さを伝えるため、料理教室、バレエダンサーやアスリートのパーソナル栄養サポート、レシピ・コラムの提供など幅広く活動。子どもの頃の毎年の米作り経験から、身近な食体験の重要性についても実感し、おとなと子どもの食育サポートにも力を注いでいる。


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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
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    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、九州某県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方で、韓国語を独学で習得する(韓国語能力試験6級取得)。2023年に独立し、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサル等を行う一方、自身も韓国農業資材を輸入するビジネスを準備中。HP:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
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    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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