スポーツをする子どもの主食に「ごはん」が良いのはなぜ?

健やかな成長のために、子どもにはしっかり食べて欲しいものです。スポーツをしていれば尚更ですね。

しかし、食が細い、朝食が食べられない、好き嫌いがあるなど、理想通りとはいかない人も多いのではないでしょうか。運動部の学生が山盛りのごはんを食べるシーンを目にしたことがあると思います。小学生や中学生ではどうでしょうか。また、ごはん食にすると、実際にどんな利点があるのでしょうか。

スポーツをする子ども、いわゆるジュニアアスリートに必要な食事とごはん食(お米)の関係について解説します。

子どものエネルギー必要量は予想以上に多い


成長期の子どもに必要なエネルギー量は、発育を加味する必要があります。スポーツをしていれば、消費するエネルギー量が増加するので、必要量はさらに多くなります。スポーツをする子どもはたくさん食べなくてはならないことは想像できますが、実際のところ必要エネルギー量はどれくらいなのでしょうか。

身長や体格、活動量によって個人差はありますが、スポーツをする子どもの推定必要エネルギー量は、10〜11歳で男子2,500kcal、女子2,350kcal。これは身体活動レベルが中等度の成人とおおよそ同じくらい。12〜14歳は男子2,900kcal、女子2,700kcal。成人よりも多くなります。
例えば、小学校3〜4年生の男子はお母さんよりも450kcal多く必要になる目安です。これは軽めの食事1食分ほどのエネルギー量となります。

十分なエネルギー補給ができないと、運動中にエネルギーが枯渇して思ったように体が動かなくなったり、スタミナ切れや集中力の低下などにより、競技に影響する可能性があります。さらに、細胞修復の遅れや疲労感の蓄積が生じれば、スポーツ障害へのリスクが高くなります。


とはいえ、年齢的にもサプリメントに安易に頼らず、食事から摂取することを大切にしたいですね。成人よりも小さな体に多くのエネルギー量が必要とされるということは、充足させるための取組みが重要となるのです。

ごはん? パン? 主食はどれが最適?


人の体でエネルギー源として利用される栄養素は炭水化物、脂質、たんぱく質です。これを、総称してエネルギー産生栄養素といいます。その中でスポーツで利用される主なエネルギー源は「炭水化物」です。スポーツをする子どもの食事は炭水化物(主食)の役割が大きくなります。

では、スポーツのためにエネルギー効率が良い主食の選び方について考えてみましょう。

考えるべきポイントは2つ。

  1. 早くエネルギーに変わる
  2. 消化器官に負担が少ない

脂質は消化吸収に時間がかかるので主食は脂質が少ない炭水化物から選ぶことが理想的です。

主食の中で、ごはん、食パン、スパゲッティについてエネルギー産生栄養素の割合を示しました。


素早くエネルギーとなる炭水化物が多く、脂質が最も少ない主食は「ごはん(お米)」です。ごはんを主食とすることでスポーツのために効率よくエネルギーを補給することが期待できます。消化器官に負担が少ないので、食が細い、疲労がある場合も食欲に影響しにくいのです。

このような理由から、スポーツをする子どもが十分なエネルギー補給を行うために、ごはん食が最も理想的だといえます。


成長を助けてくれる「ごはん食」


ごはん食の特徴の「よく噛める」ということも、子どもにとって大きな役割があります。

よく噛むことで食べものは飲みこみやすくなるだけでなく、胃腸が連動して動くため消化吸収を助け、栄養吸収を促します。よく噛む食事で胃腸の動きが活発になれば、徐々に食事量も増えてきます。食が細い子どもは胃腸を鍛える日々のトレーニングとしても期待ができそうです。

さらに、口の周りの筋肉をよく使うのであごの発達を助けます。唾液が分泌するため、むし歯予防にもなります。

特に注目したい点は、よく噛むことで脳に流れる血流が増えることです。血流が増えると脳の機能向上に繋がります。「ごはん食」はスポーツだけでなく様々なことに期待が持てそうです。

スポーツをする子どもにごはん食が良い理由


  1. エネルギー源として利用されやすい
  2. あごの発達を助ける
  3. 食事のトレーニングになる
  4. むし歯予防
  5. 脳の機能向上を助ける


いかがでしたでしょうか。体づくりは毎日の積み重ねです。食事はおいしく食べることで心と体の栄養となります。「ごはん食」から成長期の子どもの健やかな体づくりに役立ててみてはいかがでしょうか。

堀口泰子
栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/


■子どもにあんしん・安全なお米を選ぼう!


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  1. 堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
  2. 大槻万須美
    管理栄養士・フードスタイリスト。楽しく食べて健康に。食の大切さを伝えるため、料理教室、バレエダンサーやアスリートのパーソナル栄養サポート、レシピ・コラムの提供など幅広く活動。子どもの頃の毎年の米作り経験から、身近な食体験の重要性についても実感し、おとなと子どもの食育サポートにも力を注いでいる。
  3. 田牧一郎
    たまきいちろう。68歳。日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  4. 田中克樹
    たなかかつき。32年間の農業出版社勤務を経て、2020年末、故郷の八ヶ岳南麓に帰郷。仲間と共に農業・福祉系NPOを立ち上げ、遊休農地・耕作放棄地を再生し、心身の癒しや健康づくりにつながる有機無農薬の体験型農園づくりに取り組む。NPOでは田んぼ除草にホバークラフトを活用したスマート技術を開発中。農と風土(フード)を愛する人たち向けのブックカフェ・居酒屋を開くのが夢。
  5. 山田正美
    大阪工業大学大学院修了。福井県職員として、農業試験場研究員、専門技術員、農業技術経営課長、農林水産部技幹を経て退職。現在、日本生産者GAP協会常務理事、日本農業サポート研究所主席コンサルタント。
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