子どもの身長を伸ばしたい!成長期の食事は「胃腸の筋トレ」がポイント

管理栄養士の大槻万須美です。

成長期の身長の伸びは、多くの親子にとっての大きな関心事のひとつです。

中でも食事については親のサポートも重要なため、子どもに何を食べさせればよいのか毎日のお悩みになっている、という成長期の子を持つ方も多いのではないでしょうか。

成長期のお子さんの食事について、どんなことを意識すればよいのか考えてみましょう。


成長期に必要な栄養素


身長が伸びるために必要なものは「栄養」「睡眠」「適度な運動」といわれています。

個人差はあるものの、身長の伸びる成長時期は、女性で15~16歳、男性で17~18歳ごろがピークとされていますが、このくらいの年齢になってからあわてて背が伸びる効果があるとうたわれているサプリメントを摂るようなことも珍しくありません。

成長期に必要な栄養素として挙げられる、主に身体づくりに必要なたんぱく質、骨の材料であるカルシウムや、それらの代謝に必要なビタミンD、K、C、B群、鉄分、マグネシウム、亜鉛といったビタミン・ミネラルなどの栄養素は、特に珍しいものでもなく、常日頃から口にする食品に含まれているものばかりです。

しかし、実は、これらの栄養素だけを摂っていればよいというわけではありません。これ以外の栄養素もしっかりと摂っていないと、栄養素がもつ本来の働きがうまくいかされない、ということも起こります。

特に、成長期にダイエットや偏食などによって主食がきちんと摂れていないと、たんぱく質はエネルギー源としての利用を優先されてしまうため、身長を伸ばすことに使われにくくなるといわれています。

そのため成長期には、たんぱく質などの栄養素だけでなく、活動に見合った適量の炭水化物食品もバランスよくそろえることが大切です。

成長期にたんぱく質、というのはよく知られていますが、炭水化物も同じくらい重要なことを覚えておいてください。

身長が伸びるタイミングを逃さないためには


身長が伸びるタイミングに合わせて十分に栄養素が摂れていないことが原因で、身長が伸びきれずに成長期を終えてしまう、といったことを防ぐには、成長期にしっかりと栄養素を確保して消化吸収できるかがとても大切です。

それでは、背が伸びるタイミングに合わせて必要な栄養素を逃さず摂るためにはどうすればよいのでしょうか。

それは、成長期に必要な栄養素をしっかり吸収できる土台作りこそが最重要といっても過言ではありません。

消化吸収力が弱いと、せっかく摂った栄養素がうまく消化吸収できずにスルーして出て行ってしまうこともあるからです。

実は、背が伸びるために必要な栄養素は、ただ摂ればよいというわけではなく、栄養素を消化吸収する準備ができていることが大前提となります。

そして、摂取した栄養素を効率よく消化吸収できる身体の土台を整えるには、胃腸を鍛えておく必要があります。

胃腸は筋肉でできているため、病気や調子の悪いときを除くと、やわらかいものばかりよりも、よく噛んで食べられるような食材を取り入れて「胃腸の筋トレ」をしておくことで、必要な栄養素を消化吸収する能力が鍛えられると考えられます。

よく噛んで食べると、唾液の分泌が促されるとともに胃腸の働きを促進し、消化吸収力を高めます。成長のための栄養素の消化吸収率も上がり、身長を伸ばすことにつながります。

「ごはん」がおすすめ! 成長期の食事術



胃腸を鍛えることのできる食品でおすすめなのがごはんです。

さらに玄米や雑穀ごはんにすると、噛む回数が増えるだけでなく、ビタミン・ミネラルなどの栄養価もアップします。

また、ごはんには意外にもたんぱく質が多く含まれており、ごはん150g(茶碗1杯) で、卵1/2個分のたんぱく質を摂ることができます。

毎食茶碗1杯(100~150g)のごはんを食べることで、成長期の子どものたんぱく質摂取推奨量の15~20%前後をカバーすることができる計算になります。

逆に、ごはんを食べる量が少なくなればなるほどごはんから摂れるはずのたんぱく質も摂りにくくなるとも言えます。成長期に必要なたんぱく質を主食からも補えるという点も忘れてはならないポイントです。

ごはんを主食とした和食は、噛む回数も多くなるといわれており、特に和食には、背が伸びる際に欠かせないビタミン・ミネラルが豊富に含まれている根菜や乾物、海藻類、ごまを料理に取り入れやすいという利点もあります。

主菜に好みの肉や魚料理を配置し、酢の物や和え物などの副菜やみそ汁も加えれば、栄養バランスも取りやすくなりますよ。

もちろん毎日一汁三菜を揃えるのではなく、

・丼+具だくさんの汁物
・主菜+副菜+果物

のように、ごはん適量をしっかりと食べ、ビタミン・ミネラル・たんぱく質を摂れるような献立を意識しましょう。

成長期に身長を伸ばすには、たんぱく質やビタミン・ミネラルを摂ることも大切ですが、ごはんもしっかりと食べて胃腸の働きをスムーズにし、消化吸収の土台を整えておくことが基本です。

必要な栄養素量を必要なタイミングで消化吸収できるように、日頃から適量の食事を摂れるように準備しておきたいですね。

■こちらの記事もチェック
スポーツをする子どもの主食に「ごはん」が良いのはなぜ?
子どもの朝食、ご飯とパンどっちがいい?


文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_01110.html
厚生労働省「日本人の食事摂取基準2020年版」(pdf)
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf

大槻万須美
管理栄養士・フードスタイリスト。楽しく食べて健康に。食の大切さを伝えるため、離乳食講座などの料理教室、バレエダンサーやアスリートのパーソナル栄養サポート、レシピ・コラムの提供など幅広く活動。子どもの頃の毎年の米作り経験から、身近な食体験の重要性についても実感し、おとなと子どもの食育サポートにも力を注いでいる。

■子どもにあんしん・安全なお米を選ぼう!


子どもの成長にとって良いことばかりのごはん食ですが、お米を買うときは農薬や化学肥料の使用量を抑えて育てられた、子どもや家族みんなにあんしんなものを選びたいですね。

全国各地のこだわりの農家さんと、スマート農業でお米づくりをしている「スマート米」は、AI・ドローンなどを活用し、農薬の使用量を最小限に抑えたお米です。玄米の状態で第三者機関の検査により「残留農薬不検出」と証明されたお米がそろいます。

浸水時間もなく炊飯器の白米モードで炊ける「無洗米玄米」も選べます。玄米の栄養価はほとんどそのままに、いつでもふっくらおいしい玄米が炊けるので忙しい親御さんにおすすめです。

お求めはスマート米オンラインショップ SMART AGRI FOOD  からどうぞ。

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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、福岡県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方、韓国語を独学で習得(韓国語能力試験6級)。退職後、2024年3月に玄海農財通商合同会社を設立し代表に就任、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサルティングや韓国農業資材の輸入販売を行っている。会社HP:https://genkai-nozai.com/home/個人のブログ:https://sinkankokunogyo.blog/
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    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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