管理栄養士が教える!高齢期の食事にお米がおすすめな10の理由

管理栄養士の大槻万須美です。

年齢が進むにつれて、体力や身体の変化について自覚することってありますよね。

体力の低下を防ぐために、体操をしたりウォーキングを取り入れたりと、運動習慣の見直しをする方は多いのですが、同時に身体の状態に合わせて食事を意識できているでしょうか?

高齢期の低栄養は健康リスクへ直結すると考えられていますが、そんなリスクを減らすためにはお米がおすすめなんです。


要介護リスクを予防するためには食事が重要


高齢期を迎えてできるだけ元気に健康的に過ごすために大切なことの一つは、筋力の維持だといわれています。

筋肉量は年齢と共に増加し、20歳ごろにピークを迎えます。そして20歳を超えるころから少しずつ減っていき、特に運動をしないままでいると、70歳代には20歳代の4割程度に減少するともいわれているのです。

そのため、近年高齢者の健康における3つの疾患概念について注目されるようになってきました。

・フレイル(老化に伴う虚弱)


「健康」と「要介護」の間の状態を指します。体重の減少・疲れやすさ・歩く速さや筋力の低下などが見られ、このままでは要介護の状態になる可能性が高い状態です。

・サルコペニア


フレイルの原因の一つともされる、加齢や老化に伴う筋力の低下のことで、筋肉量・歩行速度・握力などの測定から診断されます。65歳以上の高齢者に多く、特に75歳以上になると急増するとされています。

・ロコモティブシンドローム


運動機能の障害により歩行や日常生活に支障をきたした状態。転倒や骨折が起こりやすく、寝たきりや要介護になる危険性が高まっている状態です。

要介護状態にならないようにするためには日常的な運動習慣が有効であるとされていますが、必要なのは運動だけではありません。

高齢者が要介護状態になる原因として、低栄養との関連がこの数年の間に指摘されるようになりました。

運動習慣を効果的にするためには、食事もとても重要です。

中でも

  • 十分なエネルギー摂取
  • たんぱく質の適切な摂取

が欠かせないといわれています。


お米を高齢者におすすめする10のメリット


一般的に高齢期になると、食事量が減少する傾向にあります。

それは、

  • 運動量の減少から食欲が落ちる
  • 消化吸収力や咀嚼力が低下する
  • 食べることへの興味の薄れ

などの要因によるものだと考えられます。

一般的には、食事量の減少と共に栄養摂取量も低下するため、低栄養のリスクが高まります。

高齢期の低栄養を防ぐには、お米がおすすめです。それは、お米には10ものメリットがあるからです。

・どんなおかずとも相性が良い


高齢期には食べやすい麺類やパンなど単体の炭水化物に偏りやすい傾向があります。ごはんは和洋中どんな料理にも合うため、栄養バランスがとりやすいのです。

・好きな味付けにアレンジしやすい


ごはんの味はとてもシンプル。噛むほどにほんのりとした甘みが出てきます。好みに合わせて好きな味付けにアレンジしやすく食が進みやすくなります。

・運動のためのエネルギー補給ができる


ごはんをはじめとする炭水化物は、消化されてエネルギー源となります。ごはんから適切なエネルギー補給をすることで、日常的に運動習慣を取り入れることが可能になります。

・昔から慣れ親しんできた主食である


日本食の主食はごはんです。昔から慣れ親しまれたごはんは、食欲が低下した時でも食べやすい食材の一つであるといえるでしょう。

・硬さや量を個人の状態に合わせて調節しやすい


水分量を多くしたり、時にはつぶしたりと、個人の噛む力や消化能力に合わせて食べやすく調節することができます。食欲のある時は食べる量を多めにするなど分量を調整することも簡単です。

・いろいろな栄養素が摂取できる


ごはんには、糖質だけでなく、食物繊維・カルシウム・鉄分・マグネシウム・ビタミンB群なども含まれており、食事全体の栄養価を底上げすることができます。

・炊飯器で安全・簡単に調理することができる


お米を炊飯器にセットするだけで炊き上げることができるため、火を使わず安全で簡単に調理することができます。

・冷凍保存が可能ですぐに食べられる


一度に多めに炊飯したものを小分けにして冷凍庫で保存しておくと、温めなおすだけですぐに食べることができ、調理時間を短縮することができます。

・ごはんからも不足しがちなたんぱく質や水分が摂れる


高齢期にはたんぱく質や水分が不足しやすくなるといわれています。ごはん茶碗1杯(150g)で卵1/2個分のたんぱく質とコップ1/2杯分の水分を摂ることができます。

・たんぱく質が筋肉として利用されやすくなる


ごはんから得られる適切なエネルギー摂取により、たんぱく質が筋肉へと利用されやすくなります。


ごはんの10のメリットのお話はいかがでしたか?

いつまでも元気でいるには、まずは食事から。ごはんを中心としたバランスの良い食事を心掛けることで高齢者の要介護リスクを予防し、健康年齢を引き上げたいですね。

日本食品標準成分表2020年版(八訂)
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_01110.html

大槻万須美
管理栄養士・フードスタイリスト。楽しく食べて健康に。食の大切さを伝えるため、料理教室、バレエダンサーやアスリートのパーソナル栄養サポート、レシピ・コラムの提供など幅広く活動。子どもの頃の毎年の米作り経験から、身近な食体験の重要性についても実感し、おとなと子どもの食育サポートにも力を注いでいる。

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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
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    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、九州某県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方で、韓国語を独学で習得する(韓国語能力試験6級取得)。2023年に独立し、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサル等を行う一方、自身も韓国農業資材を輸入するビジネスを準備中。HP:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
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    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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