いまさら聞けない!ごはんをおいしく炊くコツ【管理栄養士コラム】
管理栄養士の大槻万須美です。
普段何気なく炊いている白米ですが、実はもっとおいしくするコツが存在します。
ほんの少しのことなのに劇的に変わる、ごはんをおいしくするコツや、知っておきたいごはんに関するミニ知識をお伝えします。
最近の炊飯器は土鍋顔負けのおいしさで炊けるものも多く、何気なくセットするだけでも上手に炊けるのですが、せっかくならもっとおいしく炊けるよう、少しこだわってみましょう。
普段、適当にお米を量っていませんか? 炊飯器に付属しているカップを使い、きちんとすり切りして量るのがポイント。
料理用の計量カップを使用する場合は1合180ml、重さで量る場合は1合150gです。
無洗米の場合は無洗米専用の計量カップを使うこと。普通のお米と同じカップで計っていると、お米の分量が多くなってしまい、かために炊きあがってしまいます。
やってみると、今まで意外ときちんと量れていなかったことに気付くかも?
お米は乾燥しているため、最初に触れた水分が一番吸収されやすいといわれています。
洗米時の最初の水は、お米に付着していた汚れも一番流れ出しているため、手早くすすいで捨てるようにしましょう。
炊飯器の内窯には、基本の水加減となる目盛りがありますが、好みの炊きあがりになるように、水を多少増減するのがポイントです。
新米かどうか、お米の銘柄、開封してからの日数、洗米の仕方や吸水時間、水温などによっても水加減には差があります。
新米の場合はお米がやわらかめに炊き上がるため、水加減は控えめにすることが多いようです。逆に古米は少し多めの水加減にしてみたり、浸水時間を少し長めに設定したりすることがおすすめです。お好みの水加減を探求しましょう。
芯まで水が行き渡ったお米はふっくらと炊き上がりますよ。吸水時間は夏場30分、冬場は1時間ほどにします。長時間浸水は水が傷んでしまうため、避けた方がよいでしょう。
ごはんが炊き上がってもしばらくそのまま高温状態を保つことで、蒸気の水分も米粒に吸収されてふっくらとした仕上がりになります。
ほとんどの炊飯器は蒸らし機能が組み込まれていますが、蒸らし時間がないまま炊き上がりのブザーがなるタイプの炊飯器や土鍋炊きなどの場合は、炊き上がってからふたを開けずに10~15分ほど蒸らしましょう。
蒸らし後には、余分な蒸気を逃すように、底の方から大きくやさしくごはんを返します。ごはんを切るようにほぐすことで部分的なべたつきや乾燥を防ぐことができます。
毎日のように炊いているごはん。だからこそ、意外と知らないことがあるものです。
賞味期限と保存方法、研ぎ方、水の温度、使うのは軟水or硬水?、氷を入れるといいって聞いたことがあるけど? など、知っておきたいミニ知識をご紹介します。
お米に賞味期限は表示されていませんが、精米後のお米は酸化や乾燥が進んでいくため、精米後なるべく1カ月以内には食べきりたいものです。
お米の包装袋は実は密閉されておらず、袋の破裂や荷崩れ防止のための通気孔が開いています。そのため、お米の包装袋にそのまま入れておくのは保存に適しているとはいえません。
お米をよりおいしく保存するためには、密閉できる保存袋やペットボトルのような容器などに小分けにしておき、温度・湿度が安定した冷暗所に保管しておくのがおすすめです。
特に夏場など室温が高くなりやすい季節には、冷蔵庫の野菜室やドアポケットもよいでしょう。逆に、シンクの下などの湿気の多い場所や冷凍庫はお米の保存には適さない場所といわれています。
今は精米技術が進み、お米は力を入れてとがなくてもよくなりました。逆に、力を入れすぎるとお米が割れておいしさのもとであるでんぷんが水に流れ出してしまいます。力まずやさしく洗うようにしましょう。
また、とぐ回数によっても、炊き上がりのふっくら感やごはんのかたさが劇的に変わります。実は、銘柄などによってもとぎ方を変えるのがベター。私は普段3回とぐようにしているのですが、2回など少なめの研ぎ回数がおすすめされている場合もあります。
水加減だけでなく、お米のとぎ方にもこだわって、お好みのごはんに近づけてみましょう。
浸水や炊飯の際、水の温度は低めが良いといわれています。
諸説ありますが、
などの理由が考えられます。
そのため、水温が低くなりにくい季節には、氷を入れて炊く方法もよく紹介されています。氷を入れて水温を下げる場合は、氷の重さを量り、その分の水分量を減らすようにしましょう。
軟水と硬水ではどちらがおいしく炊けるのでしょうか。
水1リットルに含まれるカルシウムとマグネシウムの総量が少ないと軟水であるとされ、日本の地下水や水道水のほとんどが軟水です。
一般的には日本のお米は軟水が適しているといわれています。それは、硬水に含まれているミネラル分が吸水に影響してしまうから。硬度の高い水を使うとパサパサの炊き上がりになってしまうため、モチモチでふっくらとしたごはんに炊き上げるには軟水がおすすめです。
いかがでしょうか。
ごはんは、毎日食べるからこそおいしくいただきたいですよね。お好みに合わせてごはんの炊き方にこだわってみませんか?
普段何気なく炊いている白米ですが、実はもっとおいしくするコツが存在します。
ほんの少しのことなのに劇的に変わる、ごはんをおいしくするコツや、知っておきたいごはんに関するミニ知識をお伝えします。
炊飯の基本手順で意識したいおいしく炊くコツ
最近の炊飯器は土鍋顔負けのおいしさで炊けるものも多く、何気なくセットするだけでも上手に炊けるのですが、せっかくならもっとおいしく炊けるよう、少しこだわってみましょう。
1.きちんと計量する
普段、適当にお米を量っていませんか? 炊飯器に付属しているカップを使い、きちんとすり切りして量るのがポイント。
料理用の計量カップを使用する場合は1合180ml、重さで量る場合は1合150gです。
無洗米の場合は無洗米専用の計量カップを使うこと。普通のお米と同じカップで計っていると、お米の分量が多くなってしまい、かために炊きあがってしまいます。
やってみると、今まで意外ときちんと量れていなかったことに気付くかも?
2.洗米時、はじめの水は素早く捨てよう
お米は乾燥しているため、最初に触れた水分が一番吸収されやすいといわれています。
洗米時の最初の水は、お米に付着していた汚れも一番流れ出しているため、手早くすすいで捨てるようにしましょう。
3.水加減はお好みで
炊飯器の内窯には、基本の水加減となる目盛りがありますが、好みの炊きあがりになるように、水を多少増減するのがポイントです。
新米かどうか、お米の銘柄、開封してからの日数、洗米の仕方や吸水時間、水温などによっても水加減には差があります。
新米の場合はお米がやわらかめに炊き上がるため、水加減は控えめにすることが多いようです。逆に古米は少し多めの水加減にしてみたり、浸水時間を少し長めに設定したりすることがおすすめです。お好みの水加減を探求しましょう。
4.お米の芯まで浸水させよう
芯まで水が行き渡ったお米はふっくらと炊き上がりますよ。吸水時間は夏場30分、冬場は1時間ほどにします。長時間浸水は水が傷んでしまうため、避けた方がよいでしょう。
5.蒸らし時間が必要な場合もある
ごはんが炊き上がってもしばらくそのまま高温状態を保つことで、蒸気の水分も米粒に吸収されてふっくらとした仕上がりになります。
ほとんどの炊飯器は蒸らし機能が組み込まれていますが、蒸らし時間がないまま炊き上がりのブザーがなるタイプの炊飯器や土鍋炊きなどの場合は、炊き上がってからふたを開けずに10~15分ほど蒸らしましょう。
6.炊き上がりには必ずほぐそう
蒸らし後には、余分な蒸気を逃すように、底の方から大きくやさしくごはんを返します。ごはんを切るようにほぐすことで部分的なべたつきや乾燥を防ぐことができます。
もっとこだわりたい方へ~おいしいごはんのミニ知識~
毎日のように炊いているごはん。だからこそ、意外と知らないことがあるものです。
賞味期限と保存方法、研ぎ方、水の温度、使うのは軟水or硬水?、氷を入れるといいって聞いたことがあるけど? など、知っておきたいミニ知識をご紹介します。
お米の賞味期限と保存方法
お米に賞味期限は表示されていませんが、精米後のお米は酸化や乾燥が進んでいくため、精米後なるべく1カ月以内には食べきりたいものです。
お米の包装袋は実は密閉されておらず、袋の破裂や荷崩れ防止のための通気孔が開いています。そのため、お米の包装袋にそのまま入れておくのは保存に適しているとはいえません。
お米をよりおいしく保存するためには、密閉できる保存袋やペットボトルのような容器などに小分けにしておき、温度・湿度が安定した冷暗所に保管しておくのがおすすめです。
特に夏場など室温が高くなりやすい季節には、冷蔵庫の野菜室やドアポケットもよいでしょう。逆に、シンクの下などの湿気の多い場所や冷凍庫はお米の保存には適さない場所といわれています。
お米のとぎ方
今は精米技術が進み、お米は力を入れてとがなくてもよくなりました。逆に、力を入れすぎるとお米が割れておいしさのもとであるでんぷんが水に流れ出してしまいます。力まずやさしく洗うようにしましょう。
また、とぐ回数によっても、炊き上がりのふっくら感やごはんのかたさが劇的に変わります。実は、銘柄などによってもとぎ方を変えるのがベター。私は普段3回とぐようにしているのですが、2回など少なめの研ぎ回数がおすすめされている場合もあります。
水加減だけでなく、お米のとぎ方にもこだわって、お好みのごはんに近づけてみましょう。
氷を入れるといいって聞いたことがあるけど? 水の温度の正解
浸水や炊飯の際、水の温度は低めが良いといわれています。
諸説ありますが、
- 低めの水温でじっくり時間をかけて浸水させると、お米の細胞をこわすことなく、芯まで水分が行き渡りやすい
- 炊飯の際にじっくり長い時間をかけて沸騰をさせると、お米に含まれるでんぷんが糖化しやすくなり甘みのあるふっくらとしたごはんになる
などの理由が考えられます。
そのため、水温が低くなりにくい季節には、氷を入れて炊く方法もよく紹介されています。氷を入れて水温を下げる場合は、氷の重さを量り、その分の水分量を減らすようにしましょう。
水の種類は軟水・硬水?
軟水と硬水ではどちらがおいしく炊けるのでしょうか。
水1リットルに含まれるカルシウムとマグネシウムの総量が少ないと軟水であるとされ、日本の地下水や水道水のほとんどが軟水です。
一般的には日本のお米は軟水が適しているといわれています。それは、硬水に含まれているミネラル分が吸水に影響してしまうから。硬度の高い水を使うとパサパサの炊き上がりになってしまうため、モチモチでふっくらとしたごはんに炊き上げるには軟水がおすすめです。
いかがでしょうか。
ごはんは、毎日食べるからこそおいしくいただきたいですよね。お好みに合わせてごはんの炊き方にこだわってみませんか?
大槻万須美
管理栄養士・フードスタイリスト。楽しく食べて健康に。食の大切さを伝えるため、離乳食講座などの料理教室、バレエダンサーやアスリートのパーソナル栄養サポート、レシピ・コラムの提供など幅広く活動。子どもの頃の毎年の米作り経験から、身近な食体験の重要性についても実感し、おとなと子どもの食育サポートにも力を注いでいる。
管理栄養士・フードスタイリスト。楽しく食べて健康に。食の大切さを伝えるため、離乳食講座などの料理教室、バレエダンサーやアスリートのパーソナル栄養サポート、レシピ・コラムの提供など幅広く活動。子どもの頃の毎年の米作り経験から、身近な食体験の重要性についても実感し、おとなと子どもの食育サポートにも力を注いでいる。
■減農薬のあんしん・安全なお米をおいしく炊こう!
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