お米は太る?ダイエット中のごはんの食べ方【管理栄養士コラム】

管理栄養士の大槻万須美です。

ダイエットする時に避けられてしまう食品の一つにお米があります。「お米は太る」と思われている理由はいくつか考えられますが、実際にお米を食べると太るのでしょうか?

なぜお米は太ると思われているのか、ダイエット中に気になるごはんの食べ方について解説します。


お米は太る? なぜそう思われているのか解説


お米は太るとなぜ思われているのでしょうか。よく見られるのが以下のような理由です。

  • ごはんの主成分はエネルギー産生栄養素(三大栄養素)の1つである炭水化物なのでカロリーが高い印象がある。使い切れなかったカロリーは体脂肪になってしまうのでは?
  • ごはんは糖質を含むため、砂糖の塊を食べているのと同じでは?
  • たんぱく質と脂質は身体の構成栄養素だから必要なのはわかる。たんぱく質と脂質を摂っていればエネルギー源にもなるから、炭水化物は必要ないのでは?
  • ごはんを食べすぎると血糖値が上がる。血糖値が上がると太ると聞いたからごはんを食べると太るのでは?

このように、ごはんが太ると思われている意見の中でよく目にするキーワードは「カロリー」「糖質」「血糖値」などです。

たしかに、ごはんの主成分は炭水化物(糖質+食物繊維)のため、糖質1gあたり4kcalのエネルギーを含みます。基本的に糖質を含む食品を食べると血糖値が上がりますし、消費されなかった糖質は結果的に体脂肪になります。

とはいうものの、実際に「ごはん=太る」とは言い切れません。


ごはん(お米)のメリットは?


では、ごはん食のメリットはどのような点にあるのでしょうか。

ごはんの主成分は炭水化物ですが、ビタミンB群・カルシウム・鉄分・マグネシウム・レジスタントスターチなどの栄養成分も含み、ダイエット中に不足しがちな栄養価の底上げができるところは注目したいポイントでしょう。

さらに、ごはんに含まれる糖質は、砂糖と同じものではありません。ブドウ糖に分解される前は多糖類の「でんぷん」であり、消化吸収は比較的緩やかで血糖値も急上昇しにくいといわれています。

また、食事をして活動をするとまず糖質がエネルギー源として使われます。糖質の摂取不足時や有酸素運動時などには、体脂肪や筋肉中のたんぱく質を分解してエネルギー源として利用することになります。

たんぱく質や脂質と同様に炭水化物も身体には必要な栄養素であり、たんぱく質や脂質が身体の構成成分としてしっかりと働く上でも不可欠であるといえるのです。

炭水化物の摂取が少なすぎると、一般的に食物繊維の摂取も減少すると共に、脂質やたんぱく質からのエネルギー摂取が増えるため、栄養バランスが崩れやすくなり、逆に健康リスクが高まるともいわれています。

「お米は太る」のではなく、他の食品と同様に「食べ方によっては太ることもある」と考え、食べ方の工夫を意識するようにしましょう。

ダイエット中におすすめのごはんの食べ方



糖尿病の診断を受けていなくても、体質や食習慣によっては炭水化物を食べると急激に血糖値が上がりやすい場合があり、それが太りやすさの一因となっていることもあります。

血糖値の急上昇を防ぎ、なおかつエネルギー・たんぱく質を効率的に代謝できる食べ方をすることが大切です。

 

  • 食物繊維の多い野菜や海藻・きのこ類を先に食べ、血糖値の急上昇を防ぐ
  • しっかり噛んでゆっくりと食事をすることで、胃腸の負担を減らして消化吸収力を促進するとともに、満腹中枢を刺激して食べ過ぎを防止
  • 緑黄色野菜、豚肉・納豆などビタミンB群を多く含むたんぱく質などもバランスよく食べ、エネルギー代謝をアップ
  • 自分に合ったごはんの量を知り、適量の炭水化物摂取を心掛ける
  • 雑穀米や玄米を加えて、ビタミン・ミネラル・食物繊維を強化する

「一汁三菜」とよばれる「定食型」献立を基本とした食事を取り入れ、ごはんを主役にしないことが重要です。そうすることで栄養バランスも整いやすくなりますよ。

具だくさんのみそ汁を添えると副菜1品と同じ量の野菜を食べることができるうえ、ごはんに不足しているアミノ酸を補うこともできるため、体内で効率的に筋肉などの体たんぱく質合成がされやすくなります。みそ汁の塩分が気になる場合は、毎食ではなく1日に1~2回にするのがおすすめです。

緑黄色野菜や根菜などもバランスよく取り入れ、お酢やごまなどで栄養価をアップしましょう。

糖質は体脂肪を燃やす時の着火剤と例えられることもあります。ごはんを全く食べないダイエットでは活動量も低下しやすく、筋肉も落ちやすいため、中長期的に見ると、健康的なダイエットには不向きであるといえるでしょう。

ごはんを上手に食べて、ダイエットに役立てましょう!

大槻万須美
管理栄養士・フードスタイリスト。楽しく食べて健康に。食の大切さを伝えるため、離乳食講座などの料理教室、バレエダンサーやアスリートのパーソナル栄養サポート、レシピ・コラムの提供など幅広く活動。子どもの頃の毎年の米作り経験から、身近な食体験の重要性についても実感し、おとなと子どもの食育サポートにも力を注いでいる。

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「スマート米」とは
全国各地のこだわりの農家さんと共にスマート農業を活用し、農薬の使用量を抑えて育てています。
玄米の状態で第三者機関の検査により「残留農薬不検出」と証明されたお米、農林水産省ガイドライン「節減対象農薬50%以下」のお米、そして「特別栽培米」も選ぶことができ、家族みんなにあんしんなお米です。

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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
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    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、九州某県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方で、韓国語を独学で習得する(韓国語能力試験6級取得)。2023年に独立し、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサル等を行う一方、自身も韓国農業資材を輸入するビジネスを準備中。HP:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
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    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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