毎日納豆ごはんを食べている「おぺこ」さんに、おいしい作り方やちょい足しアレンジを聞きました

日本人のソウルフードとも言える「納豆ごはん」。簡単に作れておいしくて満足感もある、家庭の味方ですよね。

そんな納豆ごはんを毎日食べるほど大好きで、SNSでさまざまなアレンジレシピを発信しているのが納豆ごはん探求家のおぺこさんです。


今回はおぺこさんに、納豆ごはんの魅力やおいしい作り方、夏におすすめなちょい足しアレンジをうかがいました。


納豆ごはんは主食であり、メインのおかずでもある


──おぺこさんが納豆ごはんにハマったきっかけは何ですか?

「お母さんに仕掛けられた感じなんです(笑)。物心ついた時から我が家の食卓には欠かさず漬け物と納豆が置いてあって、食べたい人は自由に取って食べてくださいスタイルやったんですよ。だから納豆に対する苦手意識はまったくなくて、当たり前のように食べてきたんです」

──納豆というと関東のイメージがありますけど、おぺこさんは関西の方なのに珍しいですよね。

「そうなんですよね。私バリバリ関西人なんですけど、我が家は納豆で腹を満たすっていうのが親にあったのかなって勝手に思ってるんです。

でも今は昔ほど納豆嫌いもそんなに多くないんかなと思うんです。近所のスーパーでも納豆コーナーが大きいですし、コロナ禍の健康志向でみんな納豆に興味を持ったこととか、前よりもいろんな味付けがあって、苦手な人も入りやすいようになってきたんかなとも思います」

──関西と関東でラインナップなどの違いもあるのでしょうか。

「関西では“におい控えめ、粘りが少なめ”ってワードが書いてある納豆がめっちゃ売れるらしくて。関東でメジャーな納豆じゃなくて、まろやか味とか、におい抑えめなシリーズがあるんですけど、それが結構並んでますね。やっぱり各地域で色がありますよね」

──今は「納豆ごはん探求家」として発信されていますが、きっかけみたいなものはありましたか?

「納豆もごはんも粒の大きさや粘り、かたさ、甘さ、それぞれにあるじゃないですか。いつもと同じ納豆でもお米の銘柄が変わると食べ合わせが変わる。

どんどん、納豆のたれを塩に変えてみたら、その日の晩ごはんのおかずをのせてみたら、って試してるうちに無限の可能性があるなと思って……気づいたら探し求めて、気づいたら納豆ごはんの虜になり、探求家を名乗っております(笑)」

──納豆ごはんは毎日食べられているんですよね?

「基本的に朝晩食べています。いろんな中毒ありますけど、私は“納豆中毒”。冷蔵庫に納豆がないとちょっと不安になってくるんです(笑)」

── (笑)。そんなおぺこさんが思う納豆ごはんの魅力はどんなところにありますか?

「安上がりですし、私にとっては納豆ごはんが主食であり、メインのおかずでもあるんです。ちょっとトッピングしたらもうそれ一品で完成してしまう。あとお味噌汁もあったら栄養バランスも完璧かなと」


▲豪快に卵焼きものせたある朝の納豆ごはん。朝から元気になれそう
「朝に納豆ごはんを食べたらみんな元気になれるのにと思って。私は朝に納豆ごはんを食べないと2足歩行できないので(笑)。私の元気の源ですね」

──アレンジもたくさん紹介されていますよね。納豆ごはんにこんな楽しみ方があったのかと驚きました。

「ごはんも納豆も見た目だけで言ったら結構地味なほうじゃないですか。そこにちょっとトッピングして色を加えれば視覚でも楽しめますし、納豆の混ぜる音で聴覚でも楽しめるし、もちろん嗅覚、味覚でも、全部楽しめるのが納豆ごはんですね!」

▲おぺこさんのInstagramより(@opeko_natto)
──盛り付けも綺麗で、だけど豪快! 思わず食べたくなってしまいます。

「私はてっぺんに納豆を盛り付ける一体型タイプなんですけど、富士山をイメージしてるんですよ(笑)。富士山型に盛り付けられたら、あ~美しいなって。

でもこれって、しっかり混ぜて粘った納豆じゃないとできないんです。ホイップの角が立つじゃないですけど、しっかり粘った証なんですよね。立派な粘りやな~って、自己満足ですけど結構テンション上がりますね!」


納豆ごはん探求家が好きなお米は?


──「納豆ごはん」ということで、お米へのこだわりもお持ちかなと思うのですが。

「お米も絶対切らしたことないと思います。納豆食べたらごはん食べたくなるし、ごはん食べたら納豆食べたくなるし、2つで1つです。もしかしたら納豆だけで好きになってたら、飽きる時が来てたのかもしれないですね。私はあくまで“納豆ごはん”が好きなので。

もちろんお米だけ納豆だけで食べるのもおいしいんですけど、相乗効果と言いますか、一緒に食べることでそれぞれのおいしさをより引き出してくれると思います。納豆はごはんのためにあって、ごはんは納豆のためにある。名言ですね(笑)」

──名言いただきました(笑)。納豆との相性から見て好きなお米はありますか?

「そうですね、お米の袋も集めてるんですよ」


「どれでも合うんですけど、個人的にはちょっとかたさのあるしゃっきり系で、ほどよい粘りがあって、あっさりともっちりがちょうどいいバランスのお米が好きですね。粒の大きさはそこまで問いません。納豆も大豆の甘さがあるので、お米の味が濃かったり、甘いやつよりは少しあっさり系がいいんです。

よくあるお米のチャートも参考にして買ったりします。一時買ってたお米は、『ななつぼし』『はえぬき』『てんたかく』

でもいいお米じゃなくても、安くて質より量のお米なんかは、炊くときにちょっとオリーブオイルを入れるとしゃっきり感と張りが出て、納豆ごはんに合うお米に変身します。安いお米にもそれなりにおいしさはありますし、逆に安い納豆もいいお米と食べたら相互に補完されていいバランスになる気がしますね」

──違いという点では、安い納豆のほうが香りや味が控えめなのでしょうか。

「そうですね。でもアレンジする時はそういう味の主張が強すぎない納豆のほうが楽しめたりはします。大豆の味の濃い納豆は絶対にそれだけで食べるのがおいしいので」

──白米以外に玄米も食べたりしますか?

「玄米も常備していて、普段のお米に混ぜて食べています。実はインスタの写真もよく見たら玄米やなってわかるものもあるんです。

玄米は腹持ちもよくなるし、デトックス効果もありますし。納豆って食感のあるものが意外と合うので、玄米のプチっとした食感が合いますね。玄米から発芽玄米にしたりもしますよ。玄米をお水に浸してちょっと休ませて芽が出たら炊きます」



おぺこ流! おいしい納豆ごはん作りのポイント


──納豆ごはんをおいしく作るために意識していることはありますか?

「各々の好みになってきますが、 私は200回混ぜが好きなんです。納豆って混ぜれば混ぜるほど旨味成分のアミノ酸が生成されるんですが、それが一番多く出るのが大体200回混ぜたとき。一番おいしい形になるのが200回と信じて混ぜてます。

それに、混ぜる回数で味がほんまに変わるんですよ。納豆特有のつんとした刺激臭が、混ぜるほどにどんどん緩和されていくので、たぶん苦手な人ほど混ぜた方が食べやすいかもしれないです。逆に1回も混ぜずにそのまま食べると納豆の本来の姿で味わえますね」

──苦手な人ほど混ぜたほうがいいとは意外でした。ごはんの温度はどうですか? 熱々はよくないと聞いたこともありますが……。

「納豆の中に含まれてるナットウキナーゼという、血液をサラサラにしてくれる酵素は70度以上でも活力を失っちゃうので、あんまり加熱しない方がいいって言われていますね。

それもあってか、私は先にごはんをお茶碗によそっておいて、それから横で納豆を200回混ぜています。保温のごはんで60~70度ぐらいって聞いたんですが、混ぜてるうちにちょうど50度未満ぐらいのいい温度になってくれるんです。

でも温度を気にしすぎてたらおいしく食べられないので。それこそお腹の調子を整える納豆菌は100度でも死なないので、熱々のご飯にかけても大丈夫。自分が好きな感じで食べるのが一番心身の健康につながると思います」

──納豆は粒の大きさもいろいろあると思いますが、選び方はありますか?

「これも好みですね。個人的には大豆の味をしっかり味わえる中粒から大粒が好きです。ひきわりだとにおいがはっきり伝わりますね。

ちょうどこの前京都でネバワングランプリという、一番おいしい納豆をみんなで選ぶイベントがあったんですが、その中で愛知県『山下納豆』のひきわりに衝撃受けました。いつも食べてはるひきわりの常識を覆す(笑)。めっちゃパンチがあって、味が濃くてびっくりしました」



──そんなにパンチがあるとは……! まだまだ知らない納豆がたくさんあるんですね。

「私は全然種類としては少ないほうですけどいっぱい食べてきました。それでも納豆は全国で数千種類あるので。ご当地でしか買えないような納豆もいっぱいありますし」

──いつも食べてるお気に入りの納豆はありますか?

「普段のお気に入りは身近で買えるものが多いんですけど、スーパーの成城石井の中粒納豆がすごい好きです。私の中でスイーツ納豆って呼んでいて、優しい、やわらかい味わい。大豆自体も苦味とか全然なくて甘みがしっかりしていて、粘りもホイップクリームのようななめらかさがある。

癖がなくて、食べやすい納豆を聞かれたらいつもこれをすすめています。粒は大中小ってあるんですけど、私の中では中粒が一番おいしいですね」



──粘りの具合もいろいろあるようですが、納豆ごはんにはどんなものがおすすめですか?

「納豆とごはんを一緒に食べたい私としては、やっぱり粘りがある納豆が好きですね。粘りがしっかりしてるほうがごはんと絡みついてくれるのでおいしいですし、口に含んだ時にごはんと納豆がしっかり絡まって一体感がありますよ」


夏にぴったり! かんたん納豆ごはんアレンジ


ここからは、おぺこさんも夏によく作るという、簡単な納豆ごはんアレンジを教えていただきました!

1.ねばねば×ねばねば! 納豆ごはん+山形のだし



「郷土料理の山形のだしが大好きで、納豆一緒に食べたら疲れも吹っ飛びます! オクラや昆布が入っているので納豆にもごはんにも絡みついてくれて最高ですね」


2.刺激的! 納豆ごはん+タバスコ




「付属のたれを入れた納豆ごはんにタバスコをかける超かんたんアレンジ。キムチとはまた違うおいしさです。液体なので納豆の粘りにもまとわりついて、より辛さが引き立ちます。

タバスコの量はお好みですが、私は辛いものが好きなので15滴ぐらいかけて辛~!ってなりたい(笑)」


3.さっぱり夏らしい 納豆ごはん+きゅうり+昆布茶




「真夏らしいって言ったら、きゅうりを細かく刻んで、昆布茶で味付けするアレンジ。納豆ときゅうり、昆布茶(付属の小さいスプーン1杯分くらい)を全部一緒に混ぜて完成! たれも使わず、昆布茶の味だけでシンプルだけどおいしいです」


4.ふわふわ~! 納豆ごはん+天かす+お酢



「簡単で夏場によくするのが、付属のたれとからし、お酢を混ぜて、天かすをかけるこちらのアレンジ。お酢を入れると納豆の粘りがふわふわになるんです。

ふわふわと天かすのサクサク、納豆のねばねばのトリプルコラボが楽しいですよ! お酢の量はお好みで、小さじ1杯ぐらいでもいいです」


5.意外とあう 納豆ごはん+よっちゃんイカ




「納豆ってお酢が合うのと、魚介類もすごく相性いいんです。それを考えたときに思いついた駄菓子のよっちゃんイカアレンジ。ちょっと邪道かなと思いましたけど、全然ありでした!

よっちゃんイカを軽く刻んで、納豆のたれを半量ぐらい入れる。よっちゃんイカがたれを吸って、ちょっとふわっとふっくらするんですよ。本来の姿に戻る感じです(笑)」


※※※


納豆ごはんへの愛あふれるおぺこさんのインタビューをお届けしました。

いつも何気なく食べていた納豆ごはん。そのままでももちろんおいしいですが、ちょっとアレンジしてみたり、納豆とごはんの組み合わせを意識してみたりすると、さらに楽しめそう! 

ぜひ今回紹介いただいたアレンジも試してみてくださいね。


おぺこさん Instagram
https://www.instagram.com/opeko_natto/
おぺこさん X(旧Twitter)
https://twitter.com/opeko9618

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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、福岡県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方、韓国語を独学で習得(韓国語能力試験6級)。退職後、2024年3月に玄海農財通商合同会社を設立し代表に就任、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサルティングや韓国農業資材の輸入販売を行っている。会社HP:https://genkai-nozai.com/home/個人のブログ:https://sinkankokunogyo.blog/
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 堀口泰子
    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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