寒い日にほっこり、米油で作るとろとろ鶏粥のレシピ

24時間お粥のことを考えている人こと、お粥研究家の鈴木かゆです!

さらさらでとろとろのおかゆを食べたことがありますか?


シャバシャバでもなく、ねっちょりでもなく、さらさらでとろとろのおかゆです。しかも、お米がふわっと広がっていて、甘みをじんわりと感じる口当たり。水を増やすだけではこうはなりません。

お粥専門店やちょっといい旅館の朝食で出会える、さらさらでとろとろのおかゆ。

よく「お米のポタージュみたいなとろとろのおかゆは、どうやってつくるのでしょう?」とご質問をいただきます。

魔法の秘密は、油!


米に油を絡めることで、米の表面がコーティングされて米の粘り気が抑えられるのです!

中華粥の作り方をヒントにしたこの小技。ごま油でも、オリーブオイルでも、米油でもOK! 具材も自由。卵粥にも、七草粥にも応用できます。

今回は「米油」を使った「鶏粥」を例にご紹介します。

米油を使ったとろとろ鶏粥のレシピ



<材料>お茶碗2杯分


・生米 1/2合(約75g)
・米油 小さじ1
・鶏もも肉 100〜150g(食べやすい大きさに切り、塩胡椒で下味をつけたもの)
・水 750ml
・塩 小さじ1/2

<作り方>


1.油を絡める

厚手の鍋に研いだ米1/2合を入れ、米油小さじ1を絡める。鶏肉、水750mlを入れる。



2.鍋の温度を上げる

具材がかたよらないように鍋底をならして、鍋を中〜強火にかける。



3.コトコト煮込む

鍋の中がぽこぽこと沸いたら、鍋底から米粒をはがすように、おたまでゆっくりまぜる。フタをして、ふつふつと波打つ程度の弱〜中火で30分煮込む。


吹きこぼれ防止のために鍋にお箸を渡すとよいです!


4.味つけ

さっとアクをすくいとり、塩で味をととのえる。鍋全体をゆっくりとまぜて火を止める。



5.蒸らし

フタをして5分ほど放置して蒸らす。器に盛りつけたら完成!


※注意:製品にもよりますが、一般的に土鍋は油を使うお料理に向いていません。土鍋の空気穴に油が詰まることで乾燥状態にムラが生じ、破損につながる恐れがあります。油を使う今回のおかゆには、ツヤツヤした素材のお鍋のご使用をおすすめします。


気になるおかゆのお味は?


香りだけで「あ、これ、絶対美味しいやつ」とわかるはず。鶏の旨味が隅々にまで染み渡っています。


今回のトッピングは、黒胡椒、水で戻したクコの実、ネギの青いところ、柚子胡椒。冷えが強い日は、ラー油や生姜もおすすめです!

注目すべきはその食感。米油を絡めて炊き上げることで、米粒の一粒一粒がふんわりと仕上がっています。


べちょっとした粘り気が閉じ込められて、さらさら、とろとろ。

ふーふーしながらいただく、旨味たっぷりの鶏粥。体の芯から温まります。

アレンジ:具材・油を変えてみる


具材を変えたり、油を変えてみるのもおすすめです。

今回使った「米油」はほぼ無味であるため、おかゆの食感の違いをじっくりと感じたいときにおすすめです。白粥から旨味の強い食材のお粥まで、汎用性の高さが魅力です。

ごま油」を使うと、食欲をかき立てるウマウマ系に大変身! 出汁のような役割も果たしてくれるため、全体が中華テイストに仕上がります。


こちらはごま油×豚肉で。トッピングには「カリカリ梅」をのせました。

変わり種では「オリーブオイル」。ふわっと洋の雰囲気が加わり、おしゃれな雰囲気に。食感はもちろん、とろとろさらさらの口当たりで、リゾットのようにはなりません!


オリーブオイル×玉ねぎ。トッピングには「トルティーヤチップス」をのせました。


お米に油を絡めるだけでこんなに違いが出るなんて! と、感動すること間違いなしです。

ひと味もふた味も違うおかゆに出会えるひと匙の油の魔法。とっておきの食感を、ぜひお試しください!

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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
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    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
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    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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