バイオスティミュラント資材ベンチャーのアクアプランタ、資金調達で研究開発を強化

バイオスティミュラント資材「Skeeponシリーズ」を開発・販売するアクプランタ株式会社は、Yosemite LLC、ヒトトキインキュベーター、エンジェル投資家らを引受先とする第三者割当増資による資金調達を発表した。

今回の資金調達は、Skeeponシリーズのさらなる事業拡大や海外展開の加速化、新たな技術獲得に向けた研究開発を目的にしたもので、人材採用および研究開発費など組織基盤の強化に充当していく方針だ。



アクアプランタは、理化学研究所の元研究員である金鍾明氏が2018年2月に設立した理化学研究所発のベンチャー企業だ。

代表取締役社長の金鍾明氏

「科学の力で緑を守る」を企業理念に、植物の乾燥や高温耐性を強化するバイオスティミュラント資材「Skeeponシリーズ」の開発・販売を手がける。

バイオスティミュラント資材とは、植物本来の免疫力を高め、耐寒性・耐暑性・病害虫耐性および成長を促す物質・技術の総称を指す。

Skeeponシリーズは、同氏が理化学研究所の研究員時代に発見した「酢酸が植物の乾燥・高温耐性を強化する」というメカニズムをもとに開発されたバイオスティミュラント資材である。
猛暑や少雨による収量や品質の低下を防ぐ農業向けSkeepon「SkeeponAgri」と、高温による劣化を抑制する芝生向けSkeepon「SkeeponTurf」の2つを展開している。


SkeeponAgri(左)とSkeeponTurf(右))

農業向けSkeepon「SkeeponAgri」の使用実験

芝生向けSkeepon「SkeeponTurf」の使用実験

海外での現場実証も進めており、今後は干ばつ被害等の課題解決も視野に本格的な海外進出を目指しているとのこと。今回の資金調達を通じ、国内販売の拡大を進めていくとともに、海外展開の加速のための組織基盤の拡充を目指す考えだ。


アクプランタ株式会社
http://ac-planta.com/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
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    北島芙有子
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    川島礼二郎
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    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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