農林水産省「持続可能な生産消費形態のあり方検討会」の中間報告書を公開

農林水産省は、2019年11月に立ち上げた「持続可能な生産消費形態のあり方検討会」の内容を取りまとめた中間報告書を、ホームページ上で公開した。

報告書では、持続可能な消費の実現に向けたSDGs12番目の目標である「つくる責任、つかう責任」を踏まえた検討内容ほか、目標達成に向けた具体的取り組み等が記載されている。



すべての生活者・事業者が持続可能なサービスや商品を利用・提供できることを目指す

「持続可能な生産消費形態のあり方検討会」は、農林水産業の持続的な発展を目的とした有識者らによる検討会だ。

2015年(平成27年)の国連サミットにおける「持続可能な開発目標(SDGs)」の採択以降、SDGsへの関心は世界的に高まっている。SDGsのゴール12には、「つくる責任 つかう責任」が位置づけられており、食品・農林水産物の生産と消費の両面を持続可能なものにしていくことが求められている。

この動きを受けて同会は、環境に配慮した生産活動により生み出される価値を見える化し、消費者の購買行動がこれを後押しする持続可能な消費を促進することを目的に発足した。同会では、食品・農林水産物の生産/消費の両面から持続可能な生産消費形態のあり方を探り、2025年までにすべての生活者・事業者が持続可能なサービスや商品を利用・提供できることを目指している。

今回の中間報告書では、下記のような取り組み内容が公表されている。
  • 持続可能な生産と消費を啓発するため、事業者が連携して持続可能な商品の販売や広報等に取り組む「サステナブルデー」を創設する。
  • 持続可能な生産等を行う地域、生産者、事業者を表彰する。
  • 農山漁村における環境創造の取組等を発掘する。
  • 取引先等に過剰な包装・サービスを行わないよう普及啓発をする。
  • 生産・流通現場で生じる規格外品、未利用魚等の利活用を促進する。
  • 食品産業等の持続可能な取組が国内外の投資家、顧客、取引先に評価されるよう、情報発信を進める。

報告書の最終頁・結びでは、生活者、事業者、関係者へのメッセージとして
「あらゆる立場の私達一人一人が、今も未来も、都市も農山漁村も、持続的に発展可能となる仕組みを、足元の一歩から作り出していこうではないか。」
と呼びかけている。


持続可能な生産消費形態のあり方検討会中間取りまとめ
https://www.maff.go.jp/j/press/kanbo/kankyo/200330.html
SHARE

最新の記事をFacebook・メールで
簡単に読むことが出来ます。

RANKING

WRITER LIST

  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、九州某県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方で、韓国語を独学で習得する(韓国語能力試験6級取得)。2023年に独立し、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサル等を行う一方、自身も韓国農業資材を輸入するビジネスを準備中。HP:https://sinkankokunogyo.blog/
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 堀口泰子
    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
パックごはん定期便