南魚沼生産組合が「保育×農業で創った持続可能な循環型社会」で第5回SDGsジャパンスカラシップ岩佐賞を受賞




保育×農業で持続可能な循環型社会を目指す


株式会社南魚沼生産組合は、南魚沼の中山間地の棚田の耕作放棄、後継者不足、鳥獣害といった課題の解決に向け、社会福祉法人どろんこ会と地元の生産者が共同で設立した組織。どろんこ会が運営する保育園を利用する子どもたちの生きる力を育む活動の一環として、新潟県南魚沼市で田植え・稲刈り体験ツアーなどを行っている。

SDGsジャパンスカラシップ岩佐賞は、公益財団法人 岩佐教育文化財団がSDGs達成のために取り組む人々を応援するために創設した賞で、今回、南魚沼生産組合が行った「保育×農業で創った持続可能な循環型社会」の取り組みが「農林水産・食の部」で選出された。

中山間地の棚田の保全と資源を活用・維持し、地域循環共生圏創りに取り組むことで、コメの適切な販売価格を維持し、後継者不足・雇用確保・耕作放棄・水源かん養・鳥獣害の課題解決を目指す。

活動概要は以下の通り。

  • 農地の保全・農業の維持
・中山間地域の棚田の引き継ぎ
・減農薬によるコシヒカリ栽培
・鳥獣被害対策
・地元の新規就農者の雇用

  • グループ内自給自足
・ライスセンターを備え、育苗から植え付け、収穫・精米・発送まで実施
・保育園の給食米として購入し、完全自給自足
・安定した需要で適正価格での買取を実現

  • 食の循環・環境教育
・園児、保育士、保護者などが参加できる田植え稲刈りツアーを実施
・「ガジ」や鎌など本物の道具の使い方を教わったり、南魚沼の伝統「ぬか釜ごはん」を味わったり、子どもたちが食の循環、環境について学ぶ機会を創出

  • 持続可能な地域社会
・グループ職員もボランティアで定期的に農作業を手伝い、関係人口を創出
・公立保育園を引き継いで南魚沼どろんこ保育園を開所し、地元の子育て支援、地域の盆踊り復活など、地域の伝統やコミュニティ維持に貢献

SDGs17の目標のうち11番と15番の達成を目指します

 

地元猟友会の方と共に活動する高堀雄一郎氏(左)

代表取締役・高堀雄一郎氏のコメント
地元の狩猟者が高齢化する中、南魚沼では鳥獣被害も深刻化しています。その拡大を抑えるとともに、命あるものを有効活用し流通させるため、子どもの食育も兼ねたジビエ解体処理施設の建設を検討しています。さらにはクラフトビールを作るためのホップ栽培と醸造所も設置し、ジビエと共に味わえる店舗を開く予定です。南魚沼市と連携しながら地域の魅力向上、雇用創出につなげ、地域循環共生圏を創ることを目指します。賞金はそのためにも大切に使わせていただきます。これからもさまざまなかたちで地域の魅力向上、雇用創出に貢献していきたいと思います。


社会福祉法人どろんこ会
https://www.doronko.jp/
株式会社南魚沼生産組合
https://www.minami-uonuma.jp/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
  3. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
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    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
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    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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