ユーグレナの肥料研究用農地「サステナブルテック・ファーム」が佐賀市に開設

株式会社ユーグレナは、微細藻類ユーグレナ(ミドリムシ)を活用して資源循環型農業の実現を目指すため、肥料研究用農地「サステナブルテック・ファーム」を佐賀県佐賀市に開設した。


ユーグレナは、微細藻類ユーグレナの「食用屋外大量培養技術」の確立に世界で初めて成功した企業。小橋工業株式会社と共同で開発した「ユーグレナの培養土」の販売やバイオ燃料の生産に向けた研究・開発等を手がける。

ユーグレナを原料にした肥料の評価検証等を実施


同社は佐賀市と共同で、国土交通省の「下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)」のひとつ、佐賀市下水浄化センターより提供される下水中の未利用資源を活用したユーグレナの培養研究を行ってきた。「サステナブルテック・ファーム」は、同研究の成果を基に、ユーグレナを原料にした肥料を開発する総面積2000平方メートルの農地である。

予定農作物として、基礎実験段階ではコマツナやホウレンソウを栽培し、 発展段階で農作物の機能性が評価できる唐辛子やカラハリスイカを栽培する。佐賀市内の農家の協力を得ながら、今後も小橋工業と共同で肥料の評価検証等を実施していく。

サステナブルテック・ファームのコンセプトイメージ

バイオマスプラスチックの開発にも着手


同社は、ユーグレナを活用した研究を通じて、サステナビリティに貢献するさまざまな取り組みを展開してきた。

2021年3月にはセイコーエプソン株式会社や日本電気株式会社(NEC)らと共同でユーグレナの貯蔵多糖である「パラミロン」を使用したバイオマスプラスチック「パラレジン」の開発をスタート。2030年を目標に年間20万トン規模のバイオマスプラスチックを供給することを表明している。


株式会社ユーグレナ
https://euglena.jp
小橋工業株式会社
http://www.kobashiindustries.com/
下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)
https://www.mlit.go.jp/mizukokudo/sewerage/mizukokudo_sewerage_tk_000450.html
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  3. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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    鈴木かゆ
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    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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