天地人、西アフリカ農家の課題解決に向け降雨情報システムの開発へ

地球観測衛星データを活用した土地評価エンジン「天地人コンパス」を提供する株式会社天地人は、日本企業が持つ技術・ノウハウ・ネットワークを活用してSDGsに関連した課題を解決する「Japan SDGs Innovation Challenge」に選出されたことを発表した。


「Japan SDGs Innovation Challenge」は、国連開発計画(UNDP)の学びの場である「UNDP Accelerator Labs(A-Labs)」と日本の民間企業が連携して、SDGsに関連した国別の課題を解決するプログラムである。


降雨情報を提供するアプリを開発

同社がチャレンジする課題は、西アフリカ・ブルキナファソを対象国に、SDGs2番目の目標である「飢餓をゼロに」と13番目の目標である「気候変動に具体的な対策を」の2つの解決を目指すもの。

ブルキナファソは、西アフリカに位置する共和制の内陸国で、農業従事者が人口の70%を占めるなど農業を中心とした経済基盤を形成しているが、降雨に依存した農業生産を行っているため、干ばつや豪雨による農作物の被害が後を絶たない状況という。

そのため、国内の農業者は地上に設置された雨量計で計測した降雨量を参考に農作物を栽培しているが、雨量計の不足等の課題を背景に、農業生産に必要な降雨情報を十分に得られていなかった。

今回のチャレンジでは、2021年11月からおよそ5カ月間を目途に、天地人コンパスを活用した降雨情報システムのモバイルアプリを開発。現地政府や自治体等の関係者と共同で従来の雨量計を使用した計測と「天地人コンパス」を使用した計測の比較・検証を実施していく。

天地人コンパスを使用して観測したブルキナファソの降水量
同社は今回のチャレンジを通じ、SDGs達成に向けた取り組みを推進することでアフリカ農業が抱える課題を解決したい考えだ。


天地人コンパスAPI
https://tenchijin.co.jp/compass-api/
株式会社天地人
https://tenchijin.co.jp/
国連開発計画(UNDP)
https://www.jp.undp.org/
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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、九州某県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方で、韓国語を独学で習得する(韓国語能力試験6級取得)。2023年に独立し、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサル等を行う一方、自身も韓国農業資材を輸入するビジネスを準備中。HP:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
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    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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