ココカラ、インドのココヤシ農家向け教育支援プログラムの提供を開始

施設園芸向けヤシガラ培土の製造・販売を手がけるココカラ合同会社は、独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)が実施する「アジアDX等新規事業創造推進支援事業費補助金(日印経済産業協力事業)」に採択されたことを発表した。


ココヤシ栽培の高度化を推進


「アジアDX等新規事業創造推進支援事業費補助金(日印経済産業協力事業)」は、インドを含むアジア新興国のスタートアップ企業と連携して、デジタル技術を活用したプロダクツ・サービスの開発を目指す企業を支援する国際協力プロジェクトである。

同社が採択を受けたプロジェクトは、技術不足や資金不足等の課題を背景に高いマージンが課されているインドのココヤシ農家を対象に、高品質なココヤシ栽培が学べるスマートフォンアプリを提供して、農業生産の高度化やDX化を推進するもの。


実証地域は、ポンデシェリー連邦直轄領およびタミルナドゥ州マラッカナム村、 カダロール村、 パンルチ村、 セーラム村で、実証にはブランド戦略やアプリ開発を手がけるインドのスタートアップ企業Storytelling社と新興国の農家・労働者向けのスマートフォンOS「SUNBLAZE Phone」を提供する株式会社アメグミの現地法人が協力する。


プロジェクトの目標は以下の通り。

  1. 原材料の保管方法など良質なココピートをつくるために必要な技術の習得を目指す。
  2. これまで焼却処理をしていた部分を選定・再利用することでCO2排出を削減する。
  3. 安価な仲介業者を介さない透明性のある事業取引を目指す。

実証期間は2022年1月31日までで、今後は農業機械にIoTデバイスを取り付けて生産量の進捗や品質を遠隔から管理する技術の開発やココカラが南インドに保有する生産工場との直接取引を可能にする仕組みづくりも進める予定とのこと。

同社は今回のプロジェクトを通じ、「低所得者層から抜け出せないココヤシ農家の所得向上と労働負担軽減に貢献したい」としている。


ココカラ合同会社
https://cococara.jp/
独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)
https://www.jetro.go.jp/
アジアDX等新規事業創造推進支援事業費補助金(日印経済産業協力事業)
https://www.jetro.go.jp/services/dx_india.html
Storytelling社
https://storytelling-jp.com/
株式会社アメグミ「SUNBLAZE Phone」
https://www.sunblaze.jp/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  3. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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    鈴木かゆ
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    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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