ジェイテクト、農作業負担を軽減するパワーアシストスーツを秋田県・秋田市に寄贈

株式会社ジェイテクトは、自動運転化対応のためのソフトウェア開発拠点として秋田県にジェイテクトIT開発センター秋田(JITA)を2017年1月の開設。今回、JITAは地域の産業振興を目的に、秋田県と秋田市へ自社製のパワーアシストスーツを寄贈した。

秋田県寄贈式秋田県と秋田市それぞれにジェイテクトパワーアシストスーツ J-PASを寄贈。

ジェイテクトは自動車部品や大型機械の製造分野を専門に特化したメーカーだ。同社は先日も徳島大学と新領域分野での研究開発・事業化を加速するためのプロジェクトをスタートさせるなど、地域と産業を結びつける先進的な取り組みが注目を集めている*。

*参考:新産業や農工研究の推進にむけて、ジェイテクトと徳島大学が「包括連携協定」を締結

今回はジェイテクトIT開発センター秋田より、農業や林業、介護分野で有用性の高い「パワーアシストスーツ」が秋田県、秋田市に寄贈された。

秋田市寄贈式
秋田県には高出力パワーアシストスーツ「J-PAS」が贈られ、県は秋田県立大学大潟キャンパスフィールド教育研究センターにて活用するとしている。
秋田市には中出力型の「J-PAS LUMBUS」を寄贈。市は秋田市の園芸振興センターにて、新規就農者育成などの園芸振興事業における農作業の省力化、軽労化に役立てることを明らかにした。

パワーアシストスーツとは?

パワーアシストスーツとは、主に膝や腰への負担を軽減を目的とした装着型のマシンのことを指す。農業や林業、運送・建築の現場での活用の他に、最近では、介護の現場での活用も見込まれている次世代型のマシンだ。

持ち上げる際の腰への負担を軽減してくれる。

しゃがみ込みでの作業も負担を軽減。

製造現場から地域社会へ貢献

自動車部品や大型機器のパーツ、メカトロニクス部門の製造を専門にしたジェイテクトは、製造業から他業種への展開を目的に新規事業推進部を組織し、新たな価値の創造に務めている。
製造現場を熟知している強みを生かし、人と機械が調和する技術「Human Harmonics」をコンセプトにパワーアシストスーツJ-PASシリーズを開発した。

J-PAS秋田県に寄贈したハイパワーモデル「J-PAS」(最大アシスト重量16㎏)

J-PAS LUMBUS
秋田市に寄贈した中出力モデル「J-PAS LUMBUS」(最大アシスト重量10㎏)

同シリーズは、作業内容に応じアシスト特性を変更したり、一台で持ち上げや姿勢保持、歩行など多様な動きに対応したりするなど、人の動きに調和したアシスト機能が特長だ。
またフィット感や脱着の手軽さ、視覚的に使いやすいリモコンなど、使用者の使い勝手にもこだわっている。
ジェイテクトおよびJITAでは、自動運転化対応に向けた製品開発をすすめるとともに、今後もパワーアシストスーツをはじめ製造分野から地域社会への貢献を推し進めていく考えだ。

<参考リンク>
株式会社ジェイテクト
製品情報|J-PAS|株式会社ジェイテクト
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  3. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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    鈴木かゆ
    1993年生まれ、お粥研究家。「おかゆ好き?嫌い?」の問いを「どのおかゆが好き?」に変えるべく活動中。お粥の研究サイト「おかゆワールド.com」運営。各種SNS、メディアにてお粥レシピ/レポ/歴史/文化などを発信中。JAPAN MENSA会員。
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    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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