道の駅「丹後王国」と地元企業が連携、京野菜や果物の営業・販促を相互支援

西日本最大級の道の駅 丹後王国「食のみやこ」を運営するパソナグループの株式会社丹後王国は、京都産の野菜・果物の生産から販売までを手がける株式会社ブレンドファームなどと連携協定を締結した。今回の合意を皮切りに、7月23日には同道の駅内で締結式を執り行った。




京都の食関連産業が繋ぐ新たな「環」

丹後王国は地元企業や生産者と協働し、2015年に道の駅 丹後王国「食のみやこ」をリニューアルオープンした。以来、海産物や農産物などの地域食材の販売に加え、園内に設けたレストランやカフェで、丹後地域の豊かな資源である「丹後の食」を提供してきた。

また地域観光のゲートウェイ機能を果たしながら、国内外に丹後地域のさまざまな魅力を情報発信するほか、地域商社として地元で採れた農産物や加工品などの販路を開拓する役割も担っている。

一方、ブレンドファームは「食を通してすべてのヒトを幸せにする」をコンセプトに、京都府内の若手農業従事者30名が名を連ねる農業団体で、野菜や果物の生産から、京都市内のホテルやレストランへの農産物の出荷・販売などの業務を一貫して行っている。

京都を舞台に躍進する両者は2019年7月、「丹後地域農水産物特産品の販売促進等に関する連携協定」を締結したと発表した。

連携内容として第一に、丹後王国が製造する自家製ソーセージなどの同社製品と、ブレンドファームが生産した京野菜や果物を、相互に営業し販促を支援する。
また、丹後王国はブレンドファームの野菜や果物を提供先に小口配送することで、配送の負担軽減にも取り組むとしている。

丹後王国はこれらの協業を通じて、地元食材を活用した新商品の開発や販売促進に繋げるとともに、丹後の食のブランド化や戦略化を図り、丹後地域における産業の振興を目指す考えだ。

道の駅は、地元の農家の販売先だけでなく特産品の取り扱いや、地元企業とのコラボレーションなども近年増えてきている。農産物の販売先としても魅力的な選択肢になりつつある。6次産業化による商品開発だけでなく、物流やPRなど企業の関わり方も多様化しており、今後の道の駅と農家の関わりを占う試金石にもなりそうだ。

<参考URL>
丹後王国「食のみやこ」
株式会社丹後王国
株式会社ブレンドファーム
一般財団法人丹後王国「食のみやこ」
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  3. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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    鈴木かゆ
    1993年生まれ、お粥研究家。「おかゆ好き?嫌い?」の問いを「どのおかゆが好き?」に変えるべく活動中。お粥の研究サイト「おかゆワールド.com」運営。各種SNS、メディアにてお粥レシピ/レポ/歴史/文化などを発信中。JAPAN MENSA会員。
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    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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