テラスマイル、営農支援システム「RightARM for Ex」の農業データ基盤を提供開始

テラスマイル株式会社は、自治体・JA向けに「RightARM技術基盤」の提供を開始すると発表した。これにより、自治体やJAが産地の現状に応じて、農業のデータ収集から利活用までを自由に構築することが可能になる。


農業分野での分析基盤の提供は国内初


テラスマイルは、「すべての営農者を豊かにし、国家を守ることを創造する」をミッションに農業分野におけるデータ分析を行う企業だ。

各市町村やJAがアナログで管理している新規就農者・生産者営農情報をデジタル化し、気象変動に対応して農業者の経営が見える化できる農業経営管理クラウドサービス「RightARM for Ex」を2022年より提供している。サービスのリリース以降、全国23県32の農産地で導入され、自治体導入数No1の営農支援システムとなった。


同社がデータ利活用のニーズと課題を調査するため、全国165の自治体・JAに聞き取り調査を実施した結果、データを活用した営農指導の必要性を感じているものの、導入に至る自治体は165自治体のうち0だった。このため、産地での実装上の課題を克服するために「RightARM技術基盤」の提供を開始することになった。

既存の営農管理システムは、既成またはカスタマイズしたソフトウェアをインターネット経由でサービスとして利用する形態の汎用的サービスとなっていて、「農業者にデータ入力の負担がかかってしまう」「産地の栽培品目や作付けの特色を反映できるツールがない」という背景から、導入まで至っていないという現状があるという。

「RightARM技術基盤」を導入することで、産地の課題やニーズに応じたフレキシブルなアプリケーションが構築可能となる。また、適切に設計・管理された基盤を保有しているため、行政に求められる安定性、拡張性、セキュリティが確保できるという。

テラスマイルは今後、技術基盤の提供だけでなく、各産地のアプリケーション構築や指導等の優良事例を共有する場も提供し、社会便益の最大化に寄与していくとしている。デジタルの力を使い、生産から消費までの農作物情報の非対称性を解消することで、物量・価格を最適化し、農家と流通業者の互恵実現を目指すとのこと。


テラスマイル株式会社
https://terracemile.jp
SHARE

最新の記事をFacebook・メールで
簡単に読むことが出来ます。

RANKING

WRITER LIST

  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
  3. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
パックごはん定期便