豊橋市主催の「アグリテックコンテスト」でデータ農業や脱炭素提案のスタートアップ3社選出

愛知県豊橋市は、全国の農業系スタートアップ企業を対象に地域の農業課題を解決する提案を募集した「アグリテックコンテスト」の最終審査を2023年1月18日(水)に開催した。


豊橋市のある愛知県東三河地方は、豊橋市と田原市のみで約1200億円の農業産出額を誇る日本有数の農業地帯として知られているが、農業人口の減少や高齢化、担い手不足等の課題を背景に、ロボットやAI、IoTICTなどの先端技術を活用したスマート農業の普及が進められているという。

テラスマイル、クオンクロップ、TOWINGの3社が入賞


「アグリテックコンテスト」は、豊橋市内の農業関係者と全国のスタートアップ企業をマッチングして、農業課題の解決につながる新たな製品やサービスの開発に必要な支援を実施するプロジェクト「TOYOHASHI AGRI MEETUP」の一環で開催したアグリテック企業向けのビジネスコンテストである。

当日は、応募があった33社の中から選出されたファイナリスト7社がステージに登壇し、自社の製品を活用した解決方法を提案。

その結果、テラスマイル株式会社(宮崎県宮崎市)、クオンクロップ株式会社(東京都千代田区)、株式会社TOWING(愛知県名古屋市)の3社が入賞した。

入賞した3社の代表者

豊橋市長の浅井由崇氏、JA豊橋組合長の伊藤友之氏らを含む5名の有識者が審査を務めた。

3社が提案した内容は以下の通り。

テラスマイル
・トマトを対象に、収穫傾向を予測できる仕組みを構築して、データを活用した農業経営の普及を推進する。
クオンクロップ
・花き類を対象に、温室効果ガスの排出量などを測定するアプリ「Myエコものさし」を提供して、環境負荷の少ないサステナブルな消費行動を促す。
TOWING
・脱炭素および有機農業への転換を目的に、果樹の剪定枝などの農業副産物を活用した「高機能バイオ炭」を開発して、地域循環型社会の実現を推進する。

賞金総額は1000万円で、2023年4月から市内の農業者と共同の実証実験が開始される。


TOYOHASHI AGRI MEETUP
https://toyohashi-agri-meetup.jp/
テラスマイル株式会社
https://terracemile.jp/
クオンクロップ株式会社
https://cuoncrop.com/
株式会社TOWING
https://towing.co.jp/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
  3. 北島芙有子
    北島芙有子
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    川島礼二郎
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    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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