新京成電鉄が協力 「ソーシャルファーム わーくはぴねす農園 八千代」が2019年9月に開園

障がい者雇用支援サービスを展開する株式会社エスプールプラス(本社:東京都千代田区/社長執行役員:和田一紀氏)が、障がい者が通勤しやすい環境を実現したソーシャルファームの「わーくはぴねす農園」を2019年9月に千葉県八千代市に開園する。新京成電鉄株式会社(本社:千葉県鎌ヶ谷市/代表取締役社長:眞下幸人氏)の協力によるもので、民間企業との協業は今回が初めてとなる。


企業向け貸し農園ソーシャルファーム「わーくはぴねす農園」とは


全国約90万人の知的障がい者の中で、実際に企業に就労できている障がい者の割合は、全体のわずか12%に過ぎない。政府は全国の企業に対し、障がい者雇用のさらなる拡大と拡充を求めており、障がい者雇用促進法の法定雇用率も2021年4月には現在の2.2%から2.3%へ引き上げられる予定だ。

このような状況を受け、エスプールプラス社では障がい者雇用の創出を目的とした企業向けの貸し農園である「ソーシャルファーム わーくはぴねす農園」を2010年から運営してきた。以来、「1人でも多くの障がい者雇用を創出し、社会に貢献する」を企業理念に掲げ、雇用機会の少ない障がい者がやりがいを持って働くことができる農園づくりに積極的に取り組んでいる。


現在では、農業を活用した障がい者の就労施設としては国内最大級の規模へと成長し、千葉県を中心とした16か所の農園には約1400人の障がい者が就労中だ。
利用する企業数も約240社を数え、農園の管理者には近隣の高齢者を積極的に採用するなど、高齢者雇用の問題にも取り組んでいる。

定着率は92%以上。就労する多くの人が障害年金を受給しながら月額約10万円の給与所得を得ている。

 新京成電鉄が協力と支援「わーくはぴねす農園 八千代」が開園

今回の開園にあたり、新京成電鉄では所有する八千代市吉橋土地7街区(約20,000m)の賃貸協力を実施、働く障がい者の移動手段となる送迎バスの提供協力も行っていく予定だ。

さらに、農園を運営するために必要な井戸の設置や、電車やバス車内への求人広告の貼り出しなども協力し、近隣に住む障がい者や、これまで働きたくとも働くことのできなかった障がい者の雇用も支援するとしている。

今回の協力にあたり、新京成電鉄では
「このような障がい者支援サービスに先進的な会社とタイアップをすることで、障がい者の活躍はもちろん、農園管理者としての高齢者の雇用促進、近隣の子どもたちの農業を学習する場としての活用など、地域活性化につながることを期待しています」
と述べている。

同園では約120人の障がい者雇用を見込んでおり、「今後も農園の拡大を通じたノーマライゼーションの実現と、障がい者の職業的自立及び社会参加を積極的に支援していく」という共通目標のもと、双方の強みを生かした農園づくりを推進していく考えだ。

<参考リンク>
株式会社エスプールプラス
新京成電鉄株式会社
わーくはぴねす農園
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
  3. 北島芙有子
    北島芙有子
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    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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