有機JAS取得のノウハウ提供や販売サポートも「イオン オーガニック アライアンス」始動

国内小売大手のイオン株式会社は、農産物の生産、調達、加工、物流、販売機能を一元管理するプラットフォーム「イオン オーガニック アライアンス(以下、AOA)」を10月1日(火)よりスタートさせた。


イオン オーガニック アライアンス(AOA)とは?

AOAは、イオン株式会社が近年の国内オーガニック農産物の消費者ニーズに応えるために始動したプロジェクトで、2017年4月に発表したイオン持続可能な調達方針の中で掲げた取り組みの一環。2014年2月に制定された自然資源の持続可能性と事業活動の継続的発展を目指した活動指針で、2017年4月に農産物や畜産物、水産物などが追加された。

同社では、2020年までにオーガニック農産物の売上構成比をに5%にする目標を掲げており、全国20カ所にあるイオン農場のうち3農場が有機JAS認定を取得、埼玉県にある日高農場16ヘクタールも今年7月に有機管理へと変更した。イオングループでは「トップバリュ グリーンアイ オーガニックブランド」として、オーガニック農産物のPB商品も積極的に展開中だ。


AOAの会員には、イオン農場が取り組んできた、グローバルGAP認証や有機JAS認定の取得に向けた技術的なノウハウ提供のほか、生産物をトップバリュ グリーンアイブランドとして販売できる機会も提供される。

専用のホームページも開設され、消費者の声や品ぞろえ・販売状況といった店舗展開の情報のほか、生産者同士のコミュニケーションの場も提供していく予定だ。

今後は、会員生産者の商品を集荷する物流拠点としての機能も整備し、物流や配送コストの低減、栽培に必要な資材の共同購入など、オーガニック生産者との協働を進めていくとしている。

 農産物の新たなプラットフォームとして

国内における有機JAS認定を取得しているオーガニック生産者は、総農家数のわずか0.2%に過ぎず、高まる消費者ニーズに供給が追いついていない状況と言われている。

生産者にとっては栽培コストはもとより、非効率な物流コストが大きな負担となっており、新たな技術習得の機会や生産者同士の情報交換の場も限定されているのが現状だ。

同社ではAOAを、全国の生産者や新規就農者を後押しするための新たなプラットフォームとして活用し、持続可能な国内農業の発展とオーガニック農産物の安定供給に努める考えを示している。

<参考リンク>
イオン持続可能な調達方針(PDF)
イオンオーガニックアライアンス
イオン株式会社
イオンアグリ創造株式会社
イオントップバリュ株式会社
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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、福岡県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方、韓国語を独学で習得(韓国語能力試験6級)。退職後、2024年3月に玄海農財通商合同会社を設立し代表に就任、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサルティングや韓国農業資材の輸入販売を行っている。会社HP:https://genkai-nozai.com/home/個人のブログ:https://sinkankokunogyo.blog/
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 堀口泰子
    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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