ホタルクス、病害虫防除や収量向上が期待できる照明器具3製品を発売

株式会社ホタルクスは、光の力でさまざまな農業の困りごとにアプローチする農業用シリーズ3製品を2023年9月13日から順次発売する。

アザミウマの忌避などに効果


ホタルクスは照明器具の製造メーカーで、1965年に南極にある昭和基地で、日本初となる植物育成用蛍光ランプ「ビタルックス-A」を使用した野菜栽培の成功を起点に、農業事業を展開している。

今回発売するのは、「HotaluX AGRI-RED(赤色LED電球)」、「HotaluX AGRI-UVB(UVB直管ランプ)」、「HotaluX AGRI-PEARL WHITE(電照LEDライトユニット)」の3つ。

1.HotaluX AGRI-RED(赤色LED電球)

赤色LED電球

赤色LED電球設置の様子

「HotaluX AGRI-RED(赤色LED電球)」は、アザミウマの忌避に最適な赤色波長を使用し、春夏はいちごやピーマンに多いアザミウマの忌避に、冬場は日長延長効果に、1台2役の効果を発揮し、収穫量の安定性が期待できるという。簡単に取り付け可能な電球タイプなので既設ソケットがあれば工事不要だ。

<概要>
型番:LDA8AGRIRED-G/S
製品コード:0615-6181
製品サイズ:55×110mm
口金:E26/25
質量:88g
設計寿命:4万時間
定格消費電力:7.5W

2.HotaluX AGRI-UVB(UVB直管ランプ)

UVB直管ランプ

UVB直管ランプ設置の様子

「HotaluX AGRI-UVB(UVB直管ランプ)」は、直管ライン光源による光ムラの軽減で、うどんこ病発生抑制の効果向上が期待できる。ライン光源を採用しているため設置個数も少なく済み経済的。万が一割れても安心なガラス飛散防止加工も。

<概要>
型番:GL32UVB
製品コード:0611-9115
管径:25.5mm
全長:1198mm
質量:183g
定格平均寿命:3000時間
定格ランプ電力:32W

3.電照LEDライトユニット

電照LEDライトユニット

「電照LEDライトユニット」は、広く使われている LEDライトユニットに比べ620nm~660nmの波長域が多く、日長延長に最適。設置個数が少なく済み、また1.4kgと軽く、どこにでも吊り下げられる。紫外線に強い筐体を採用しているため、長期間の利用でも壊れにくい。

<概要>
型番:DLU45204(MP)/W-N8-FA
製品コード:0643-8298
製品サイズ:1278 × 78 × 63mm
質量:1.4kg
光源:LED(4000K)
モジュール寿命:4万時間(光束維持率 85%)
定格光束:5000lm
定格消費電力:31.9W


赤色LED電球の使用結果

なお、発売に先駆け、赤色LED電球を有機農家で使用した結果、アザミウマの誘殺数と寄生株率を記したグラフから、赤色LED電球の点灯を開始した11月下旬以降はっきりと効果が現れたことを確認できたという。

また、11月中旬よりハウス内でのアザミウマの誘殺数が急激に上がりつつあったが、赤色LED電球の点灯を開始したのを機に誘殺数が激減。アザミウマの活動が活発になる3月以降も、赤色LED電球の設置箇所における誘殺数と寄生株率を対照区に比べ抑制する効果が確認でき、収量も増加傾向になったとのこと。

同社はこの3製品の発売を皮切りに、現代の農業分野の課題であるコスト抑制、省人化、減農薬、生産性向上の解決に貢献し、日本の食料自給率向上に寄与していきたい考えだ。

株式会社ホタルクス
https://www.hotalux.com/
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  1. 加藤拓
    加藤拓
    筑波大学大学院生命環境科学研究科にて博士課程を修了。在学時、火山噴火後に徐々に森が形成されていくにつれて土壌がどうやってできてくるのかについて研究し、修了後は茨城県農業総合センター農業研究所、帯広畜産大学での研究を経て、神戸大学、東京農業大学へ。農業を行う上で土壌をいかに科学的根拠に基づいて持続的に利用できるかに関心を持って研究を行っている。
  2. 槇 紗加
    槇 紗加
    1998年生まれ。日本女子大卒。レモン農家になるため、大学卒業直前に小田原に移住し修行を始める。在学中は、食べチョクなど数社でマーケティングや営業を経験。その経験を活かして、農園のHPを作ったりオンライン販売を強化したりしています。将来は、レモンサワー農園を開きたい。
  3. 沖貴雄
    沖貴雄
    1991年広島県安芸太田町生まれ。広島県立農業技術大学校卒業後、県内外の農家にて研修を受ける。2014年に安芸太田町で就農し2018年から合同会社穴ファームOKIを経営。ほうれんそうを主軸にスイートコーン、白菜、キャベツを生産。記録を分析し効率の良い経営を模索中。食卓にわくわくを地域にウハウハを目指し明るい農園をつくりたい。
  4. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  5. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
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