農研機構、土壌の健康についての国際ワークショップを1月30・31日にオンラインで開催

農研機構は、「土壌の健康」の調査研究をテーマにしたワークショップを、2024年1月30・31日の2日間でオンライン開催する。 参加費は無料で、事前申込制となっている。


世界中の研究者が「土壌の健康」の調査研究について講演


持続可能な食料システムを実現する上で、「健康な土壌」は必要不可欠な基盤となる。土壌を介して生じる環境負荷を最小限に抑えつつ、世界人口の増大に必要な食料を供給するには、地球上の多様な土壌・気象・作物・食生活・文化・経済等の条件に即した方法で土壌を評価し、健康な土壌の実現に向けた取り組みを社会全体で進める必要があるという。

今回開催されるワークショップでは、異なる国・地域等における調査研究について国内外の専門家9名が講演し、「土壌の健康」の定義や指標、モニタリング戦略、評価手法といった実際の土壌政策や、農業環境政策への活用方法などについて自由な意見交換を行う。

開催プログラム


1月30日(1日目)
9:00~9:15 開会
開会挨拶:山本勝利氏(農研機構 農業環境研究部門 所長)

9:15~12:00 アメリカおよびオセアニアにおける土壌の健康(基調講演)
1.北米における土壌の健康の測定と評価の進歩
クリスティン・モーガン氏 (土壌の健康研究所、米国)
2.土壌の健康の要因とそれらがどのように解釈と基準の設定に影響するかについて
ハロルド・ファン・エス氏(コーネル大学、米国)
3.ニュージーランド・アオテアロアにおける土壌の健康「個人的な旅」
マシュー・テイラー氏(ワイカト地域協議会、ニュージーランド)
4.オーストラリアの粗放的な放牧地における土壌の健康に対する放牧の影響
デイビッド・エルドリッジ氏(ニューサウスウェールズ大学シドニー校、オーストラリア)
総合討論I

12:00~13:30 昼休み

13:30~14:40 アジアおよびヨーロッパにおける土壌の健康
5.南アジアの小規模自作農システムにおける健康的な土壌の再生「課題と戦略」
マンギ・ラル・ジャット氏(国際半乾燥熱帯作物研究所、インド)
6.日本の関東における土壌の健康の評価「保全農業試験の長期研究」
小松崎将一氏(茨城大学農学部附属国際フィールド農学センター)

14:40~15:00 休憩

15:00~17:10
7.<基調講演>ヨーロッパの土壌の健康の評価とモニタリング「機会と脅威」
エドアルド・コスタンティーニ氏(国家研究評議会バイオエコノミー研究所、イタリア)
8. ヨーロッパ全土の土壌の健康を評価する・土壌モニタリング設定の視点を変える
レイチェル・クリーマー氏(ワーゲニンゲン大学・研究センター、オランダ)
9.農家が実施可能な土壌の健康の評価
ヘレン・ヒューズ氏(エジンバラ大学、英国)
総合討論II

1月31日(2日目)
9:00~11:30 対話と討論のセッション
・ ワークショップ1日目の要約
・土壌の健康について、さまざまなステークホルダー(研究者、行政施策担当者、生産者、企業、NPO、その他)間の自由な質疑応答
・専門家からのコメント

11:30~11:45 閉会
閉会挨拶:廣瀬敬司氏(農林水産省農産局農業環境対策課)

開催概要


日時:1日目:2024年1月30日(火) 9:00~17:10、2日目:2024年1月31日(水) 9:00~11:45
場所:オンライン(Web会議ツールZOOMを使用)
料金:無料
申込:https://supportoffice.jp/soil-health-2024/
申込〆切:2024年1月29日(月)


農研機構
https://www.naro.go.jp/index.html
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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、福岡県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方、韓国語を独学で習得(韓国語能力試験6級)。退職後、2024年3月に玄海農財通商合同会社を設立し代表に就任、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサルティングや韓国農業資材の輸入販売を行っている。会社HP:https://genkai-nozai.com/home/個人のブログ:https://sinkankokunogyo.blog/
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 堀口泰子
    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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