農水省、小中学生向けの農業学習コンテンツを電子版・紙版で公開

農林水産省は、小学生・中学生向けに農業や農村の役割などを学ぶ「農業学習」に活用できる教材を公開した。電子媒体と紙媒体があり、紙媒体の申し込み〆切は3月21日までとなっている。

今回の教材は株式会社NHKエデュケーショナルが実施主体として制作。小学生・中学生の子どもたちを対象として、農業の歴史、農業遺産、農村の共同活動などの農村の大切な役割や魅力を学習できる。それぞれ2種類ずつ制作され、全国の教育現場はもちろん、家庭などでも利用できる。

小学生向け教材は「SDGs」と「米づくり」


小学生向けの教材は、マンガやクイズなどで楽しく農業や「SDGs」について学べる冊子と、小学校4〜6年生の「総合学習」、小学校5年生の「社会科」で主に学ぶ「米づくり」などの指導者用のカリキュラム案・授業案などをまとめたもの。

【「草刈りは地球を救う」~SDGs 達成につながる農村の共同活動~】



農村の共同活動と SDGs のつながりについて、マンガやクイズで楽しく学べる。小学校高学年の家庭学習教材。

都会から農村に引っ越してきた5年生のミノルが、村の探検中に草刈りをしている地域の農家たちと出会い、田んぼのしくみ、共同の農作業などが、SDGsの達成につながっていることを学んでいく。米づくりの基本や田んぼの役割だけでなく、地域を皆で守ることの大切さなども伝える内容となっている。


【農業遺産で学ぶ「米づくり学習」カリキュラム案・授業案】(指導者用)



小学校教員が、「総合的な学習の時間」や「社会科」の授業で農業遺産等を扱いながら、農業に関する学習を深めることができるカリキュラム案と授業案。農業遺産だけでなく、米づくりを中心とした田んぼ周辺の環境、米を使った料理、農村の伝統行事、農業課題など、農業全般の地域や学校の特色に合わせて活用できる内容となっている。また、動画素材なども用意されている。


中学生向け教材は、地理と歴史を学べる教材




【農業遺産から見る地域の特色を生かした持続的農業・林業・水産業】



中学校「地理」の「日本の諸地域」で活用できる補助教材。国内の6つの地方の農業・林業・水産業についてまとめているため、自然環境を中核とする考察がしやすくなる。また、これらの地方における農業遺産地域の特徴的な農林水産業についても深く学べるようになっている。

【ミーとトラ 瑞穂の国の大冒険~田んぼの軌跡をたどる旅~】



「歴史」学習とあわせて活用できる学習まんが。

2 匹の猫ミーとトラが、3つ集めると願いが叶うという「勾玉」を探して「瑞穂の国」の歴史の旅に出る冒険ストーリー。稲作の始まりから現代まで、人々が築いてきた日本の農業の歴史をたどりながら、農地や水利用の技術など土地改良が果たしてきた社会的役割について理解を深める読み物教材。


教材の入手方法


それぞれの教材の入手には、電子媒体はNHKエデュケーショナルのウェブページから、所属や立場等を答えるだけでダウンロード可能。紙媒体は、3月21日まで先着順で申し込み可能となっている。

電子媒体


農林水産省補助事業の実施主体である株式会社NHKエデュケーショナルのウェブページ上で公開中。PDFなどの形式ですぐにダウンロードできる。

https://www.nhk-ed.co.jp/business/kyozai/nougyou/


紙媒体


「草刈りは地球を救う」と「ミーとトラ」の冊子の郵送を希望される学校は下記申込フォームから申し込みが可能。ただし「草刈りは地球を救う」は先着50件程度、「ミーとトラ」は先着100件程度までで、予定数がなくなり次第終了となる。

申込フォーム
草刈りは地球を救う
https://www.nhk-ed.co.jp/business/kyozai/nougyou/n3/
ミーとトラ
https://www.nhk-ed.co.jp/business/kyozai/nougyou/n2/

申込〆切
2024年(令和6年)3月21日(木) 〜13:00)

注意
・申し込んだ人には、発送前に確認の連絡がある
・申し込みによって得られた個人情報は厳重に管理し、発送の確認等ご本人への連絡を行う場合に限り利用する


小学生・中学生向け「農業学習」コンテンツを公開!|農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/press/nousin/kantai/240311.html

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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
  3. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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