パーツ交換で耕起から収穫まで対応する多機能型農業ロボット「雷鳥2号」をテムザックが発表

株式会社テムザックは、多機能型農業ロボット「雷鳥2号」を開発した。各種アタッチメントを付け替えることで、耕起や収穫等を完全電動で行うことができる。


農業の省力化をさらに加速


テムザックは、人とロボットの共存社会を目指すサービスロボットメーカー。医療や建築、パーソナルモビリティ、災害レスキューなど、重労働や人手が足りない現場で人に代わって活躍する実用ロボット「WORKROID(ワークロイド)」の開発を行っている。

今回発表された「雷鳥2号」は、アタッチメントを付け替えることで、耕起や収穫などを完全電動で行うことができる多機能型農業ロボット。

小型で前後や横移動、その場での旋廻などができ、小回りが利くため、不整形地や小規模圃場などの条件が不利な農地での活用が期待されている。


また、バッテリーによるモーター駆動で走行するため、石油が不要で環境性にも優れているという。今後は、完全自律走行モデルも開発予定だ。

詳細は以下の通り。

【雷鳥2号 本体】
サイズ:全長約1630mm、全幅約1230mm、全高約1170mm
重量:約300kg
モーター:DC48V 600W
バッテリー容量:DC48V
駆動方式:インホイールモータ
最小回転半径:約1910mm

【耕起アタッチメント】
サイズ:全長約2000mm、全幅約900mm、全高約610mm
重量:約120kg
モーター:DC48V 400W
バッテリー容量:DC48V 20Ah
作業幅:中央部 約38cm、後部 約98cm
作業深さ:最大 約14cm
回転外径:中央部 約20cm、後部 約28cm
最大爪本数:中央部 64本、後部 12本※増減可能

新型 雷鳥2 紹介動画
同社は、ロボット技術を活用して農業の省力化を追求する「WORKROID農業」プロジェクトとして、米粉用米の水稲直播栽培などに取り組んできた。

初年度は、雑草防除ロボット「雷鳥1号」の開発・投入を行い、ドローンによる播種作業の実施、水管理システムの運用などを実践している。

また、害獣対策ロボット「雷鳥3号」による害獣の追い払いの検証や、「雷鳥2号」を使用した収穫テストなど、米作りに関するあらゆる工程の省力化に取り組んだことで、既存農業と比べて労働時間が大幅に削減できたという。


2023年度は、24aの圃場で約800kgのお米が収穫でき、「雷粉」の名称で米粉として食品業者・飲食店へ提供され、ケーキやカレー、ピザ等に製品化された。

2年目となる2024年は、「徹底した省力化の実現」をコンセプトとして、農業ワークロイドを順次開発・投入し、米粉用稲作から米粉の流通までを一気通貫で行うことができる省力化農業を確立していきたいとしている。


株式会社テムザック
https://www.tmsuk.co.jp
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WRITER LIST

  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
  3. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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