GPSが使えないハウス内でも自動走行する農薬噴霧ロボット「スマートシャトル」、クボタアグリフロントで展示開始

株式会社丸山製作所は、「KUBOTA AGRI FRONT(クボタ アグリ フロント)」内の最先端の農業技術展示エリア「TECH LAB」で、自動走行型スマート農薬噴霧ロボットのコンセプトモデル「スマートシャトル」の展示を開始した。

出陣式の様子

GPSの使えないビニールハウス内でも自動走行可能


KUBOTA AGRI FRONTは、株式会社クボタが運営する「“食と農業”の未来を志向する仲間づくりの場」をコンセプトとした農業学習施設。企業・行政・教育機関などさまざまな団体とパートナーシップを構築しながら、 食と農業の未来をともに考える場を創出している。

KUBOTA AGRI FRONT

KUBOTA AGRI FRONTで展示を開始した「スマートシャトル」は、自動走行による防除作業の省力化や稼働時間の短縮、安定性の向上など、作業環境の改善を目的に開発された自動走行型農薬噴霧ロボットのコンセプトモデル。

ホースの送り出し・巻き取りをしながら、ビニールハウス内の畝間や通路を自動走行して農薬散布が行える。

「スマートシャトル コンセプト」

畝間自動走行の様子


スマートシャトルの自動走行技術は、圃場内に設置された二次元コードのArUcoタグと、内蔵カメラから取得される映像情報を利用して自己の位置を推定する仕組みになっている。

このシステムには画像とジャイロセンサーによって位置を認識するVIO技術が組み込まれ、GPSが使用できない環境でも正確な位置情報の提供が可能だ。


また、側面に設置された距離センサーを用いて畝間中央を自動で走行する機能も備えている。

スマートシャトル詳細

従来のロボット防除機であるシャトルスプレーカは、畝間を自動で直線移動し薬液散布を行うことはできたが、防除を終え次の畝へ移る時には、人が車体を操作し移動を行わなくてはならなかった。しかし、「スマートシャトル」は直線移動のみではなくビニールハウス内全体を自動で走行することができ、防除作業と畝間移動のすべての自動化が実現した。

これにより、防除作業の省力化や大幅な作業時間短縮につながるという。例えば、防除準備から片付けまで240分かかっていた圃場の場合、スマートシャトルを導入することで作業にかかる時間を約75%削減することが可能だ。


本体の操作は、ゲームパッドとタブレットやスマートフォン端末に入れたアプリから行うことができ、走行ルートの設定や自動防除の開始、防除作業の進捗を遠隔で操作・確認できる。

また、機体の状況をモニタリングできるため、緊急停止等の異常を検知した場合もお知らせが届くほか、「スマートシャトル」とポンプをIoTで連携させ、ポンプのON/OFF操作を行うことも可能だ。


さらに、搭載されたカメラで人を検出し自動停止する機能(開発中)や、バンパースイッチによる障害物検出機能によって、安全性が高まっているという。

「スマートシャトル コンセプト」イメージ動画
「スマートシャトル コンセプト」イメージ動画

丸山製作所は、省力化・高機能化をコンセプトに、農業作業における負担軽減、快適な作業環境と高効率化を実現する製品開発に努め、スマート農業の実現に貢献していきたいとしている。


株式会社 丸山製作所
https://www.maruyama.co.jp/
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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、福岡県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方、韓国語を独学で習得(韓国語能力試験6級)。退職後、2024年3月に玄海農財通商合同会社を設立し代表に就任、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサルティングや韓国農業資材の輸入販売を行っている。会社HP:https://genkai-nozai.com/home/個人のブログ:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 堀口泰子
    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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