八幡平スマートファーム、IoTを活用したバジルの養液栽培ハウスを新設

岩手県・八幡平市で施設野菜経営を行う株式会社八幡平スマートファームは、株式会社日本政策金融公庫盛岡支店、農林水産事業、株式会社岩手銀行、いわぎん事業創造キャピタル株式会社の3行より、養液栽培ハウスの建設等に必要な資金計3億5700万円の協調融資・出資を受けることになった。

スマート農業によるバジルの栽培を開始


八幡平スマートファームは、東京でIoTクラウド制御システムの開発を行う株式会社MOVIMASと岩手県・八幡平市がIoT農業の振興を目的として包括連携協定締結を行い、設立された農業法人だ。






同社は、最新の「縦型水耕栽培システム」にIoT制御技術を組み合わせ、温度、湿度などのハウス内環境の全自動制御化を実現したハウス12棟を建設し、バジル栽培を開始することとなった。
ハウスは、令和元年12月に完成、翌年3月より出荷開始の予定で、年間約50トンのバジル生産が可能となるとともに、新規に11名の雇用を計画している。

八幡平市の復興や経済発展に貢献

事業地の「高石野地区」はかつて松川地熱発電所から供給される温水を暖房に活用した50棟の熱水ハウスが設置されていたが、現在はすべてが未活用の状態にある。

八幡平スマートファームは今回12棟のハウス建設を第1歩として、将来的には50棟の復活を目指すとともに、バジル以外の作物の栽培も視野に入れている。

八幡平市の貴重な資源である温水を活用した今回の事業は、八幡平市の悲願でもあったハウス団地の復興につながるとともに、将来的には八幡平市の観光資源としての展開も期待されている。


<参考URL>
八幡平スマートファーム
MOVIMAS
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  3. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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    鈴木かゆ
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    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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