ソーラーシェアリングにより耕作不能地を活用する「コミュニティ型次世代モデル農業」がスタート

スマートブルー株式会社は、7月より農業と発電を両立する営農型太陽発電(ソーラーシェアリング)設備下において、「コミュニティ型次世代モデル農業」を開始した。耕作不能な状態になった土地であっても、農地として、地域住民にとってのインフラとして、再び有効活用できるとしている。


同社が運営するコミュニティ型次世代モデル農業には以下で挙げる4つの特徴がある。

1つ目は、新規就農者が低リスクで農業を始められるということ。高単価作物の全量買取スキームを導入することで、無償で支給された苗から栽培をスタートできる。

2つ目は、一元的に営農者のサポートができる環境が実現したということ。営農環境計測(温度、湿度、土壌EC、PHなど)だけでなく、太陽光発電の発電量や故障も同時に監視し、点滴灌水システム、側面のビニールの開閉を遠隔で制御することが一つのシステムで完結する。また生育状況に合わせて移動できる無線カメラや営農日誌機能も備えている。

3つ目は、自家消費用蓄電池の導入。上空に設置された太陽光パネルはFIT(固定価格買取制度)を利用した全量売電用パネルと、農場内で使用する電気(農業ICT、井戸用ポンプ、点滴灌水システム、ビニール開閉システム、夜間照明)を全てまかなう自家消費用パネルを設置。蓄電池を同時に導入することで、天候に左右されず自然エネルギーを利用して営農を続けられるようになった。

4つ目は、農場が地域の防災拠点としての役割を担えるようになったこと。自家消費用太陽光パネルで発電した電気を蓄電池経由で利用することで、大規模災害時などの停電時においても、井戸用ポンプ、夜間照明、コンセントが利用できるようになり、また非常時にはこれらの設備を無償で開放する。

実際に長らく耕作不能な状態だった農場も、このシステムを導入することで農地として本来の姿を取り戻せたという。また、高効率な農業を続ける環境が整ったことで、地域の人の新規就農も実現。雇用とエネルギーを生み出し、農地としてだけでなく、学習の場、非常時の防災拠点としての場を地域に提供できるようになるとしている。

同社は今後、発電した電気を灌水システムなどの農業用設備に利用したり、ドローンやICT機器の電源、EV(電気自動車)の充電スタンド用電源、地域のWi-Fiスポット用電源、防災拠点の非常電源などにも活用するという。


<参考URL>
スマートブルー株式会社
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
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    北島芙有子
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    川島礼二郎
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    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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